利き耳


 手に左利きと右利きがあるように、足にも、目にも得意な左右がある。最近は耳にもあるのではないかといわれている。いわゆる利き耳である。

 私は左が利き耳のようである。なぜなら注意深く音を聞こうとすると、無意識のうちに左耳を近づけるからである。しかし私は、左耳が難聴でほとんど聞えないのである。それでも無意識に左耳で聞こうとするのだ、聞えるはずもないのに。

 だから困る。一生懸命聞こうとするするのに聞えない。あっ、左耳が悪いんだと気が付いて、慌てて右耳に替えるのである。実にこっけいな話だが、本当である。
 これが日常生活に悪影響を及ぼして、ストレスになっているのであろう。片手が不自由になった時、利き手が不自由の方が、はるかに不便であるのと同様である。

 こういうことは障害を持ってみなければわからない。しかし障害等級には利き手、利き足、利き目、利き耳等について何も考慮されないのである。法律や規則を作る人は健常者だろうから、良くわかっていないのだと思う。あるいは、嘘の申告をされても見破れないからなのか。

 ともかく、利き手、利き耳等については考慮されるべきだと思う。そうでないと公平な判定にはならない。みんなで考えてくれないかな。

 ちなみに私は、手、足、目、耳、全て左利きである。おまけに酒も飲む。
 


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