花の首飾り


 小さいころは近所に原っぱがあって、そこでよく遊んだものでした。今の自分の性格からしては、信じられないことだけれど、見知らぬ女の子達とも一緒に遊んだのです。何の違和感もなく楽しかったですね。40年以上経っても覚えているくらいですから、相当楽しかったのでしょう。あんたがたどこさとか遊びましたよ。そしてクローバーの花で首飾りを作ってもらいました。あのころは本当に無邪気と言おうかまったく純真な子供でしたね。今ではほとんど面影が残っていませんが、そういう時期もあったのです私にも。

 さて今の子供達にこのような楽しみがあるのでしょうか。外に出れば車が危ない、それに塾だ、稽古事だと遊ぶひまさえないのでしょうね。全く不幸なことです。子供のころは徹底して外で遊ばした方が本当はいいと思いますが、状況が許してくれないのは悲しいことです。
 それに大した理由もなく、知らない人に連れ去られる時代となってしまいました。ますます外では遊べなくなりましたね。人を見れば誘拐者だと思えと教えなければならないなんてあんまりです。昔はそういうことは少なかったですね。まず車がありませんでしたからね。お金目的の誘拐はまれにはありましたけれど、私のような貧乏な子供はまず狙われる心配はなかったし、大体電話がなかったからやる方としても連絡のつけようがなかったですからね。

 学校自体も安全でなくなりました。信じられない事件が次々と起こっています。嫌な時代になってしまったものです。だいたい社会全体が安全でなくなりましたからね。

 これらの原因は良くわかりませんけれど、基本的に人の痛みがわからない利己的な人が増えたってことでしょうか。社会状況を見ればそうなるのも無理はない気がしますね。他人を思いやる心なんて、どこへ行ってしまったのでしょうか。政治が率先して国民を痛めつけているんじゃ、どうしようもありませんけどね。でもって自己防衛、自己防衛と声高に叫ばれていますけれど、結局お金がなければそれも難しい場合が多くて、結局は安全はお金で買う時代になったわけです。

 何にしたってお金がかかる時代になってしまいました。ものを買うにも消費税ですからねえ。べつに消費税が全部悪いなんては言いませんけれど、社会福祉に力をいれて貧乏人でも生きていけるようにしてもらいたいですね。


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