弱肉強食


  弱肉強食とはなんとも殺伐とした言葉である。弱に苦恐ショックとでも言いたくなる。今の社会ではこれが普通の状態になってきているようである。今弱者は非常に厳しい状況におかれている。地域社会や親族がばらばらになり、弱者を助けることもない。社会全体で見ても、社会福祉はお寒い限りで、これで先進国だなんて恥ずかしい限りだ。昔はホームレスはほとんど見かけなかった。今はどうだ、ホームレスが当たり前になっているではないか。確かにこころある人は援助をしているであろう。しかし、とても支えきれるものではない。

 国民の間では貧富の差がどんどん広がっている。普通は豊かな人が貧しい人を助けるものなのだが、日本ではそういう風潮はない。お金のあるものはひたすら溜め込み、有効に活用しようとしていない。そもそも遺産を何十億円も残すなんて、恥ずかしいことだ。貧しい人を救わなかったという汚名をきせられても、文句は言えまい。しかし社会全体に、お金持ちを成功者だととらえるバカが多くては、どうにもならない。

 なにもお金を儲けるなと言っているのではない。人のために有効に使いなさいといっているのだ。それが社会人としての基本的なあり方というものだろう。高額所得者の税金が高いだと。何を言っているんだ。喜んで払いなさい。そもそも高額所得者への税率は、随分引き下げられたではないか。

 税金を払うのが嫌なのなら、自分で考えて世のために尽くしなさい。どうしても忙しくて何も出来ないなら、信用おける団体にでも預けなさい。

 ところで憲法には、国民は健康で文化的な生活を営む権利があると書いている。だから政府にはその権利を保障する義務があるはずだ。でも、現状は憲法違反じゃないのかい。少なくとも義務をまっとうしようとしている姿勢は見えないな。

 弱肉強食などと言わずに、みんなで焼肉定食が食べられる社会にしようよ。そうしたら治安も良くなるし、みんな仲良く暮らせるじゃないか。もちろん負担は覚悟の上だよ。 


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