無用の用
 ある営業所で能力の高い人ばかり集め、営業成績を競わせました。 当然業績が向上するはずだったんですが、良かったのは最初だけで あとは続かなかったそうです。その理由なんですが、必ず営業成績 がビリの人が出てしまうので、その人がやる気を失ったり、職場の 雰囲気が刺々しくなって、協調して仕事ができなくなったからだそ うです。それで一人だけ能力的に劣る人を混ぜたら、今度はうまく いったそうです。なぜかと言うと、能力の高い人達はビリになる心 配がなくなったので、のびのびと仕事ができるようになって力を十 分発揮したからだそうです。  当然能力の劣る人は、さしたる業績を上げませんでした。しかし 彼がいるおかげで全体としては業績向上につながったのです。こう いう人を無用の用と言うのでしょう。人は何かに役立つものです。 個人的な能力だけで決まるものではないんでしょう。私も無能の部 類ですが、できれば無用の用になれたらいいなあと思っています。 最近はリストラばやりで、無用の不用という風潮があります。困っ たもんです。 中年会社員の素直な感想。