一匹の山羊
 羊というのはおとなしい動物で、狼にでも狙われたら右往左往するばかりで ひとたまりもないらしい。遊牧の人たちにとっては死活問題なので何とか工夫 をしなければならないのだが、そこで山羊の登場とあいなった。山羊というの は羊に近い動物で、私には違いがよく分からないのだが(ヒゲの有る無しかな ?)、それはともかく、羊の群に1匹の山羊を入れておくと羊の群はよくまと まるのだそうだ。山羊は羊に比べれば気が強いようで、外敵に対しても敢然と 向かって行くところがある。そこで狼が来ても羊たちは山羊を中心によくまと まり、混乱しないのだそうだ。  この話は以前書いた無用の用とは別の角度で面白い話です。弱い集団でも 一人の強いリーダーがいれば、危機に際して皆結束し、難を避ける事が出来る ということです。人間社会にも当てはまると思いませんか。危機に際してパニ ックに陥るのは非常にまずいことです。混乱が混乱に拍車をかけて被害が大き くなってしまいます。遊牧民の知恵に学ぶところ大ですね。  なおこの話はかなり以前の記憶をたどって書いているので真偽のほどは不明 です。悪しからず。