<2段ステレオ>
2段ステレオの構想です。
実際のステージ演奏の様に、立体的に音が聞こえてきたらどんなに
良いでしょうか。しかしステレオでは左右方向しか音は広がりません。
せめて上下方向にも音が広がって欲しいものです。そこで2段ステレ
オを考えてみました。
さて2つのステレオを縦に2段に重ねた場合を考えてみましょう
(分かりやすいイメージとしては、同一ステレオラジカセを2台上下
に重ねたもの)。2つのステレオでボリュームが同一の場合は、音は
2つのステレオの中間位置から聞こえてきます。次に上段と下段のボ
リュームの割合を変えてみます。上段のボリュームの方を大きくする
と音は中間位置より上方から聞こえてきます。下段のボリュームの方
を大きくすると逆に音は中間位置より下方から聞こえてきます。この
様に上段と下段のボリュームの割合を変えることにより、音の上下方
向の定位位置を変えることができます。
さてこれが各楽器毎にできたらどうでしょうか。ピアノは低い位置
からドラムスは高い位置からトランペットはその中間の位置から音が
聞こえる様にできるはずです。これは実際のステージ上での演奏位置
の再現です。この様なことはDTMにおいては比較的簡単に実現でき
るのです。
以下にその実例を示しましょう。MIDI音源は二台使います。
シーケンサー側では下段用に16トラック(TR1〜16)、上段
用に16トラック(TR17〜32)合計32トラックを使います。
TR1とTR17はボリュームを除いて同一の内容です。
同様に、
TR2とTR18はボリュームを除いて同一の内容です。
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TR16とTR32はボリュームを除いて同一の内容です。
2つのMIDI出力ポートA、Bを持つインターフェイスで、
下段用はポートA、上段用はポートBとします。
簡単のためトラックとチャンネルは1:1に対応しているとしましょ
う。
ポートAにはTR1〜16、ポートBにはTR17〜32を割り振りま
す。
例として、TR1とTR17がピアノの場合、TR1のボリュームがTR17
のボリュームと同じ場合、ピアノの上下方向の定位は上段と下段の中
間になりますが、TR1のボリュームがTR17のボリュームより大きい
場合、より下段側に定位します。逆にTR1のボリュームがTR17のボ
リュームより小さい場合、より上段側に定位します。この様にTR1と
TR17とのボリュームの大小関係によって、自由にピアノの上下方向
の定位位置を決めることができます。左右方向の定位は、TR1とTR17
は同一パンポットなのでこれで決定されます。
つまり、パンポットで左右方向の定位位置、ボリュームの大小関係で
上下方向の定位位置が決められ、結局は4つのスピーカで囲まれた任
意の場所に楽器を定位させることができます。
他の楽器も同様です。
◎特徴
ステレオ音源を2台使う(スピーカーは4個)。
左右方向はもとより上下方向の楽器位置が分かる。
楽器毎に自由に演奏位置を決定できる。
ステレオとは次元の違う音である(ステレオを1次元的というならば
これは2次元的)。
これは意外と実用的かもしれませんね。
・1998.12.13改定
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