<3段ステレオ> 確かにマルチ音源の音はすばらしい。室内楽などは最高です。でも オーケストラを表現しようとするとスピーカーだらけになってしまい ます。なかなか手軽にはいきませんよね。そうなるとやっぱりステレ オの出番だと思っているのですが、ステレオでは高さ方向は表現でき ないし混変調歪の問題もある。これを解決するいい方法はないのでし ょうか。しかもDSPでないやつ。 わかりました。良い方法があります。 それは3段ステレオというやつです。 オーケストラでは下から弦楽器、管楽器、打楽器という風に演奏位 置の高さが異なっていますね。そこで、 弦楽器だけをまとめてステレオで再生する(ステレオ1)。 別に管楽器だけをまとめて別のステレオで再生する(ステレオ2)。 また別に打楽器だけをまとめてまた別のステレオで再生する(ステレ オ3)。 こうしてステレオ1のスピーカー(弦楽器)を一番下に、その上に ステレオ2のスピーカー(管楽器)、更にその上にステレオ3のスピ ーカー(打楽器)を配置して音を出します。こうすると高さ方向の音 楽表現ができますし、混変調歪も緩和されます。若干見た目の奥行き 感をつけるために、上のスピーカーは奥側にずらして配置すれば良い でしょう。オーケストラに限らず大概の演奏は奥に従って高い位置か ら音が出て来るので、これで間に合うでしょう。スピーカー・アンプ は6個で済みます。スピーカーの配置も左右に分けるだけでいいので 面倒がありません。 では技術的にどの様にしたら可能なのでしょうか。楽器毎にマルチ トラック録音したソースならこれはできます。ポピュラー、歌謡曲系 ならそうなっているのではないでしょうか。しかしクラシックのオー ケストラの場合はそうはいきません。そうなるとやはりコンピュータ ミュージックの出番ですね。コンピュータミュージックではどんな曲 でも初めからマルチトラックになっていますから簡単なのです。 もっと具体的に説明しましょう。MIDIのチャンネルを3つに分 割します(例えば1から5チャンネルはステレオ1用、6から12ま ではステレオ2用、13から16まではステレオ3用という風に)。 音源はステレオ用音源を3台用意します。そして音源1では1から5 チャンネル、音源2には6から12チャンネル音源3には13から 16チャンネルだけ受け付けさせるようにします。これで出来上りで す。 さて最近ではチャンネル数が16チャンネルから32チャンネルに 増やしたのも出ているようです。その場合も同様です(さすが32チ ャンネルになるとマルチ音源では一般的な需要には答えられない)。 ちょっと盲点を突いた感じですが、どんなもんでしょう。マルチ音 源の対抗馬になるでしょうか。実際音を出してみて確かめてみました が、片耳の悪い私としては良く分からないので、人に聞いてもらった ところでは、なかなかとの感想でした。少なくとも普通のステレオよ りは良いみたいです。これが意外な掘り出し物だったりして。いや、 ただの中途半端な駄作かも知れませんが。 夢工房の対抗馬_裏工房 合わせて表裏の攻防