<文化>
 マルチ音源によるバックバンドはカラオケの流れをくんでいますが、カ ラオケとは別のものです。どちらかといえばカラオケに対するアンチテー ゼから生まれたものです。実は私は、酒を飲んでカラオケで歌うのはあま り好きではありません。なぜなら酒を飲むとへたになるからです。では酒 を飲まずにカラオケはどうかと言うと、これもまた苦手なのです。なぜな ら気が小さいため恥ずかしくてうまく歌えないからです。 バックバンドの良さはこれらを解消してくれることです。カラオケなら 歌い手一人が異様に目立ちますが、バックバンドですと歌い手と伴奏が込 みで一つになるため、歌い手が異様に目立つことが無いのです。ですから 多少下手でもいいですし、恥ずかしさも減るのです。要するにカラオケは 個人の勝負、バックバンドは全体の勝負なのです。  そもそも私は、カラオケは簡易伴奏装置であると考えています。私はこ れをもう少し本格的な伴奏装置に持っていきたいと思っているのです。こ うなるとこれまでのカラオケ文化は変わるでしょう。もっと音楽重視の、 落ちついた洗練されたものになるでしょう。それは私にとって望ましい事 なのです。もちろん日本文化にとっても良いことだと思っているのです。