<アンプのパワーについて>

 アンプのパワーに惑わされてはいけません。アンプのパワーは接
続するスピーカーのインピーダンスでころころ変わります。
 そもそもアンプのパワーはアンプの最大出力電圧とスピーカーの
インピーダンスで決まるものです。アンプの最大出力電圧は電源電
圧以上は出ませんので、パワーの大きなアンプは、電源電圧が高い
のです。しかし普通のICで出来たアンプはその構造上、高耐圧の
ものが出来ないので、大きなパワーが出ないのです。そこで登場す
る魔術がスピーカーの低インピーダンス化です。家庭用のスピーカー
のインピーダンスは8Ωが一般的が、カーオーディオ用のスピーカー
のインピーダンスは4Ωが一般的です。これはカーステレオでは電
源が車載のバッテリーで電圧が13V程度なので、パワーを稼ぐた
めに低インピーダンスのスピーカーを使っているためです。
 こうすれば必ずパワーが出ます。しかし音質は劣化します。無理
して使っているわけですから。(なお高出力のカーオーディオアン
プではDC−DCコンバータを使って電源電圧を上げています。同
時にBTL接続といって4倍パワーが出る方式を採用しています)
 それともう一つ。いくらアンプのパワーが大きくもスピーカーの
能率が悪ければ大きな音は出ません。この事を隠してオーディオメ
ーカーではコンポのパワーが50W出るとか宣伝していますが、本
当は出てくる音の大きさ(音圧)で表現しないと意味がないのです。
 
 アンプのパワーに惑わされてはいけません。大きな音が出ないと
思ったらスピーカーの能率を疑ってください。