<中心から>
マルチ音源装置を総体的に見た場合、  それは一つの音楽演奏装置として完成しています。  ですからそれ自体で存在感があります。  音は装置を中心に四方に発散して行きます。  ここがポイントです。 従来のサラウンドとはまったく逆の音の出方です。 サラウンドは周りにスピーカーがあり、 周りから音が集まってきます。 いわば人が中心でそれに合わせて音作りをしています。  多かれ少なかれ、従来のオーディオにはそういう傾向があります。 ですから4畳半で平気でオーケストラが聞けるのです。 しかしマルチ音源は逆なのです。 自分自身が音そのものなのです。 マルチ音源自体が中心なのです。 ここが決定的に違います。  ですから4畳半では本来のオーケストラは聞けないのです。 音は出せますが、それはあくまで盆栽オーケストラなのです。 違いが分かったでしょうか。 要するにマルチ音源というのは、演奏装置なのです。   ミュージシャンなのです。 自分が中心になって音楽を演奏しているのです。 だからステレオのような感覚で接すると、難しいと感じるのです。 でも本当はステレオよりずっと簡単なのです。