カラオケ編 第13話    <金のなる木>              


「これは金のなる木だぞ。さあ、買った買った」
「どれどれ、なんだ木の枝にスピーカーがぶら下がっているだけじゃないか。
 これインチキじゃないのか」
「いやこれが正真正銘の金のなる木だ」
「まさか」
「嘘だと思うならスピーカーの音を聞いてみろ」
「おう」
「じゃあスイッチを入れるぞ。耳の穴かっぽじいてよく聞けよ、それ」
「ありゃりゃ、キンコンカンコン鳴ってる」
「どうだ、鐘の鳴る木だぞ、分かったか」
「ひえー」

  テレビでは、コント100号が得意の音楽コントをやっていた。それを見て
いたKはしめたと思ったのである。これはカラオケアンサンブルに使える。と
いうわけで、さっそく試作品作りにとりかかったのである。

「木の枝にスピーカー4個並べてぶら下げる。これでカルテットが出来上りだ。
 本体の方は普通の独立マルチ音源カラオケ+○秘でいこう。これをコント1
 00号に送って、カラオケアンサンブルの宣伝に使うんだ。コントの台本は
 こんなのでいいかな。うん、うん」


  数週間後、またまたコント100号の番組である。

「これは金のなる木だぞ。さあ、買った買った」
「なに、今度は4つのスピーカーか、だまされないぞ」
「いや、これこそ正真正銘の金のなる木だ」
「またインチキに違いない」
「嘘じゃないってば」
「じゃあ音を聞かせろ」
「ああ、スイッチを入れるぞ。どうだ」
「あれなんだこれ、カラオケじゃないか」
「そうだよ、カラオケだ。でもただのカラオケじゃあないぞ」
「おや、これは独立マルチ音源カラオケ、通称カラオケアンサンブルじゃああ
 りませんか」
「どうだ。歌いたいか」
「歌いたい歌いたい、一曲歌わせて」
「特別許す」
「はいはい、では一曲。吹けば飛ぶよーな、将棋の駒にー」
「おまえへただなー。じゃあこれだ。カーン」
「ここで鐘が鳴るのか。やられたー」


  ○秘とは、効果音付きのことだったんですね。拍手も野次もありますよ。