カラオケ編 第25話 <リクエスト> マルチ音源を音楽演奏装置と位置づけると、カラオケ以外さまざまな応用が 考えられます。その一つとして、ビアガーデンなどで普通の生バンドの代わり に使うと面白いでしょう。 「おーい、この楽団の得意は何だい」 「ジャズ、ロック、ポピュラーからクラシックまでなんでも大丈夫ですよ」 「歌謡曲や民謡もできるのかい」 「ええ、もちろんです」 「いまはやりの、シンセサイザー音楽はどうだい」 「得意中の得意ですよ」 「そうか、なんでもできるのか。それじゃ一つリクエストしてみようか」 「はいはい、どうぞ」 「えーとそれじゃあ、思い出の渚でいこう」 「おお、はじまったぞ。さあみんなで聞くとしようや」 「やっぱり夏はこの曲だね」 「これ聞くと気分が若返るね」 「うん、俺達の青春の歌だもんね」 「しかし、変なバンドだよな」 「人がいないし、かと言ってロボットじゃないし」 「でもステレオでもないんだ」 「ちゃんとあそこで演奏してるんだよ、事実」 「雰囲気的にも演奏の雰囲気だよな」 「不思議なバンドだ」 「でも面白いんじゃない」 「面白いけど、どうだろうな。スピーカーがむき出しっていうのは」 「どうしても、人がいないからその代わりって感じもあるな」 「デザイン考えた方がいいよ」 「いっそのこと、カーテンかなんかで見えなくしたらどうかな」 「でもそれじゃつまらない」 「違和感の無いデザインがいいね」 「うん」 「おやおや次の曲は、歌だ」 「なに、コンピュータミュージックが歌、歌ってるだって」 「ちゃんと見ろよ。歌は人が歌ってるの」 「なんだ。そうだよな。歌は人に限る」 「そりゃそうだよ、バックコーラスならいざ知らず歌は人だよ」 「ということは、あの楽団はカラオケっていうわけか」 「この場合はカラオケと言わないの。バックバンドと言うんだ」 「そうかそうか、バックバンドか。しかし歌と良くあっているね」 「やはりプロの歌は違うね。それに伴奏がいい」 「伴奏と歌が一体だ。こんなカラオケはじめてだ」 「カラオケじゃないってば、バックバンドだってば」 「そうそう、バックバンドだ」 やっぱりカラオケ改め、バックバンドが本式だろうね。