オムニバス編 第5話 <花火大会> ある町の、若旦那2人の会話がきっかけです。気軽に読んで下さい。 「最近どこでも花火大会が盛んだな」 「夏の夜の花火か、こりゃ日本の風物詩だ」 「日本の花火は世界一だと言うじゃないか。火薬も平和利用に使えばみんなで 楽しめるんだ」 「うん、平和はいい。音楽だって平和だからこそ楽しめる」 「カラオケだってそうだ」 「話は変わるけど、花火に音楽はどうだ」 「そう言えば、ヘンデルが作った王宮の花火の音楽と言うのがあったな。うん と昔の曲だから、今の花火のイメージとは少し違うかも知れないけど」 「ああ、聞いたことがある。なかなかにぎやかな曲だったな」 「うちらもやろうか。音楽付き花火大会、町おこしにもなるぞ」 「うん、町おこし。町おこしだ」 さっそく二人は夏の行事、花火大会の計画をたて、プログラムを作成した。 「まず明るいうちは、軽くカラオケ大会などで人を呼ぶ」 「次に、少し暗くなったらこれも軽く、花火を打ち上げる」 「その次は、音楽演奏で盛り上げる。ブラスバンドがいい」 「最後は、花火とブラスバンドの合同だ」 「花火の音も効果音とする」 「よし、これで決まりだ」 「問題はブラスバンドをどう集めるかだ」 「夜だから、中学生や高校生という訳には行かないし」 「プロを頼むお金はないよなあ。花火でいっぱいだ」 「レコードじゃあ、かったるいし」 「うーん、・・・」 「そうだ、最初はカラオケだよな」 「うん」 「じゃあ、カラオケはマルチチャンネルの装置使って、ブラスバンドも演奏さ せよう」 「ああ、それはいいアイデアだ。できればチャンネル数のいっぱいあるやつに しよう」 「誰か持っていないかなあ」 「あの人はどうかな。何でもレンタル屋のK商会のおやじさん」 「そうそう、あの人おだてると何でもやってくれるから、自分の所になくても、 どっかから取り寄せてくれるよ」 「それに音楽好きだから、ブラスバンドの編曲もやってくれるかも」 「じゃあ、おだててみるか。そういうの、あんたが得意だから頼むよ」 「ちぇっ、また貧乏くじか」 しょうがなく彼はK商会のおやじを訪ねた。 「Kさん、夏の行事なんですけどね。ここは威勢よく音楽付きの花火大会を開 こうと思っているんですけどね」 「ほう面白そうじゃないか。でなにかい、寄付でも集めてるの」 「いえいえ、Kさんにはぜひ大会の総監督、総指揮をとってもらいたいと思い ましてね。プログラムは大体こんなもんで、予算はこの程度、装置はこんな ものがいるんですよ。音楽付きですから、ぜひKさんにお願いしたいんです。 Kさんじゃないとできないんですよ」 「おおそうか、音楽付きと言うのが気に入った。わかった、装置も編曲も任せ てくれ。ただ総指揮だけは勘弁してくれ」 「いけませんか?」 「ああ、最近葬式疲れなんだ」 夏の行事、ついでに落語もやってもらいましょう。