悪口編 第2話  <悪口雑言2>


「あれじゃだめだよ。あんなのじゃ」
「そうそう。分かっていないね、オーディオを」
「スピーカーが2つ、これで全てを表現するんだ、オーディオと言うのは」
「これこそステレオの威力だ。何だって表現できるんだ」
「マルチ音源なんて、スピーカーいっぱい有る割には大した音が出ないじゃな
 いか」
「だいたい楽器の数だけスピーカーが要るなんて、無駄使いだよ」
「それに、何だあのごちゃごちゃしてるのは。ステレオはもっとすっきりして
 いるぞ」
「わざわざ難しくするなって言うの」
「マルチ音源、どれだけのもんじゃい」
「あんなの、道楽だよ」
「大して役に立たない、道楽息子だ」
「車に積むったって大変だしさ」
「車の中で真剣に音楽聞くわけじゃないしさ」
「カラオケにしたって、ばかばかしい」
「今は映像中心、音楽じゃないんだってば」
「カラオケが音楽なんて、ちゃんちゃらおかしいよ」
「そうそう、カラオケはカラオケ。娯楽、娯楽だよ」
「真剣に音楽考えるなんて馬鹿だよね」
「そう、単純な遊びと割きらなくっちゃ」
「それに、カラオケ文化を変えるだなんて。何をいまさら。あれはあれで定着
 してるのに」
「ドンキホーテじゃあるまいし、考えてることがずれてるんだよな」
「現実が分かっていないんだよ、きっと。文化なんてそう簡単に変わるもんじ
 ゃないのに」
「夢ばっかり見てるから、おかしくなるんだろうよ」
「そう、そう。もっと現実を考えなくっちゃ」
「冒険なんてしないほうがいいんだよ」
「なにごとも現状から出発するのがいいのさ」
「それが大人の知恵っていうもんだよ」
「新しいことやったって、苦労するだけなんだから」
「そう、エネルギ−使う分だけ損だよ」
「ほんと、ほんとに」