【二の滝神社初詣】
(未だ氷結途上の二の滝)
厳冬の二の滝へ
【日 程】2004年1月11日(日)
【山 域】鳥海山
【山 名】二の滝(500m)
【天 候】雪
【メンバ】単独
【コース】歩くスキーで(ウロコ板)胴腹の滝から二の滝往復
(概 略)
胴腹の滝(10:20)---(11:50)一の滝駐車場---(12:15)二の滝(13:25)---(14:25)胴腹の滝
この冬はどうも暖冬の様子、雪と遊びたくても雪がないので困っていたら、昨夜から大荒れの天気、やっと庄内の冬らしくなってきた。庭の雪かきをしてからゆっくり出発した。
冬山登山は怖くてやったことがないので、毎年、二の滝や湯の台周辺を「歩くスキー」で散歩している。名水で有名な同腹の滝の少し先のカーブまで除雪してあり車で入れる。今日は水汲みの車もなく天気とは裏腹に静かな散歩が楽しめそうだ。時々吹雪きで視界が途切れるが気にしない。気温は相当低いのか粉雪だ。
積雪は20pほど、ツボ足でも歩けるがせっかくだからスキーで登る。クロカン車なら無理すれば上まで行けそうだが、スタックして一冬駐車するのも嫌なので下から歩く事にする。暫く山歩きなどしてないのですぐに汗が噴き出す。夏だったら車で一気に登ってしまうのだが、雪で埋まった車道を淡々と登ると所々にウサギやリスの足跡が現れる。雪はタイムレコーダーのように過去を蘇らせてくれる特性をも併せ持つ。このコースは山の陰になりそんなに風は当たらないのだが、時折突風が音を立てて吹きすぎるとびっくりする。
雪質がスキーのソールと合わないのか全然滑らない、スキーを脱いで滑走面を見てみると巨大なバッコとなって付着している。ワックスぐらい持ってくれば良かったと思うが後の祭り。
時折切れる厚い雲の隙間から差し込む陽差しが時にハッとするような質感を雪面に映し出す。あっと思ってカメラを取り出すが間に合わず、すぐに厚い雲が陽差しを遮り元の暗い景色に変わると同時に吹雪が猛烈な勢いで駆け寄ってくる。冬というのは楽しい季節だ、雨だったらがっかりするが、雪だと楽しいのは自分だけだろうか。ふと頭部に手をやると汗で濡れた髪の毛がバリバリに凍っている。フードを被ろうかと思ったが暑いのでやめた。
1時間半で鳥居のある一の滝駐車場に到着、当然誰もいない、そのまま林道を終点まで登ると万助道と二の滝への分岐点、万助道へは少し前のラッセルの跡があるが二の滝方面はバージンスノー、例年より明らかに雪が少ないので夏道の道跡が明確である。そのままスキーで行ける所まで進む、もう少し雪が積もると、こうはいかない。途中大きなブナの木の脇にスキーをデポし膝上まである雪をラッセルしながら後は下るだけ、すぐにブロック造りの二の滝神社に到着、考えてみると今年の正月は貧乏暇無しで仕事に追われ初詣もしてないことに気付く、手袋を脱ぎ柏手を打ち新しい年の平穏を祈る。
やはり暖冬の影響か未だ完全に氷結した滝は見られなかったが、それはそれなりに感慨深い雪景色に満足した。毎年、遊佐町主催かどうかは知らないが、2月の第1日曜日にはここの探勝会が催される事は周知、一度友達に誘われ訪れたことがあるが、あまりの人の数と晩酌用ロックアイス奪取合戦の異様さに呆れ以後参加していない。不完全な氷結であろうとイベント前の静寂と自然の威厳に満ちたこの滝の景色は新しい年の活力となるに十分値すると思うのは私だけだろうか。
昼食をとりながら暫し自然の造形を堪能し再訪を決意し帰路につく。一の滝駐車場少し下に一台の車、スノーシューと思われる真新しい二人の足跡が一の滝神社に続いていた。ここにスキーで来る輩はそんなにいないのだろうか。
以前ワカンの訪問者と出会った事がある。彼曰くここはスキーでは無理という話を地元のアウトドアショップで聞いたとのこと、情報源はTスポーツのH氏かなと勝手に想像した。
下りは件の車がラッセルと圧雪をしてくれたので思いの外スキーが滑り快適に下れた。感謝である。