通勤ラッシュ
by Tarumi
車を走らす午前7時半
いつもの通勤ラッシュに呑み込まれ
いらだちとため息と憂鬱を繰り返す
ラジオではアパートの部屋で一人
冷たく死んでた老人のニュース
誰にも気づかれず5日間見つからず
豊かさというタイムカードに最期の瞬間を刻む
おまえも年老いて果てるまで働いて
社会の歯車にまかれて死んでゆく
街の片隅のくずかごは今朝も
ぜいたくの溜め息にあふれてる
使い捨てのカップ 不必要なラップ
日本という名の工場でつくられる
ものいわぬ従順な人の群れ
使い捨ての男 不必要な女
豊かさの名ですりかえられた瓦礫の街を走る
おまえも年老いて果てるまで働いて
社会の片隅のくずかごに捨てられる
豊かさの名で切り刻まれたおまえの夢が叫ぶ
車を走らす午前7時半
いつもの通勤ラッシュに呑み込まれ