最近、気になること (2001/4)
 

 やはり歳なのでしょうか。 子供たちの些細なことが気になりだしています。ご父母の皆さんがご家庭で気になっていないのだから、とやかく言う事柄ではないのかもしれませんが・・
 *「おい、お前は・・」 女の子同士の会話です。
  男言葉、女言葉というのは差別を助長するものだという“民主主義”のもとで育っているか らなのでしょうか。 「おい、なんという言葉遣いをするねん」と注意すると「かまへん、かまへん」とあっけらかんとしたもの。 きれいな言葉遣いということ自体が古いのだろうか。

 * 鉛筆の持ち方がおかしな子がチラホラ。 お父さん、お母さんはご存知なのだろうか。 箸のスプーン持ちと同様、ご父母のみなさんが子供たちの低学年の時にちゃんと注意を払ってこなかったつけでしょう。 いまさら注意しても治るものではありません。 でも、字を書くスピードや書体、美しさに影響し、さらに肩が凝ったりするとも言われています。 せめて、下のお子さんには注意してあげてください。

 * 語彙を知らなさすぎる。 ちょっと漢字表現や諺を言うと「そんな言葉聞いたこともない」と大騒ぎ。 漫画とテレビ世代のため、語彙が極端に貧弱な上に易しい漢字も知りません。 お子さんたちのノートを覗いたことがおありですか。 片端から平仮名書きです。 確かに「邪魔くさい」と言う子もいますが、ほとんどは書けないのです。 

国語=現代文ができない人は英語の成績も下がっていく」というのが私の持論ですが、高校2年生ぐらいになるとやっと実感するようです。 「国語の成績が学年で下から30番ですが、どうしたら国語の成績が上がりますか」という質問が時々あります。 読書感想文の宿題以外は本を読んだことがない子供にとっては当然のこと。 随筆・評論分の問題が中心の問題集をじっくり読みこなすようにと薦めているのですが・・

 
 *「何、この暗〜い雰囲気」 問題を解き始めて子供たちがおしゃべりを止めたとたん数秒で、必ず誰かがこう言い、またお喋りの世界に入っていきます。  子供たちは沈黙、いや静寂に耐えられないようです。 私自身、ずっと黙って授業を受けるより、お互いに教えあったり質問したりして適当におしゃべりしてくれるほうが好きです。 ほかの塾のように、゛おしゃべりしたら退塾゛という方針はとりません。 でも最近の子は、つまらない噂話をのべつまくなしに、しかも誰はばかることなく大きな声でしゃべり続けます。
「他人に迷惑になるのではないか」といった節度とか、「今はおしゃべりを控えるときだ」といった切り替え、けじめがつけられないようです。 これには私も少々辟易しています。 特に男の子におしゃべりが増えました。 「男は黙って勝負する」などはナンセンスのようです。 
私は「右耳しか聞こえない僕がこんなにうるさく思うのだから、普通の世界はもっともっとはるかにうるさい世界なんだろうなあ」と皮肉を言っても効き目がありません。 日本人の幼児化が窺がえるのではないかと心配しています。
 *「ブゥゥー」高校生の授業中、突然鈍い音が響きます。 最初は分からなかったのですが、携帯電話の着信音だそうです。 私は持っていません。 子供たちは休憩時間になると早速メールを開きます。 高校生はほとんど全員が持っています。 中には中学生でも持っている子がいます。 購入後まだ三ヶ月もたっていないのに「アドレスが100人を越えた」という子もいます。 万一、塾の授業中にしているのを見つけたら取り上げるつもりですが、家では自分の部屋に入ると自由ですから、勉強中にかかってくるとすぐに交信となるはず。 そんなことで勉強に身が入るだろうかと他人事ながら心配です。 

 携帯を購入の際、使用時間や金額などについて親子で話し合いなどなさったのでしょうか。 イギリスやアメリカではビジネスマンでもまだ半数程度しかもっていないようです。 「携帯がないと生活できん」という高校生。 「不況、不況」といいながら、月々何千円も経費のかかる不必要なおもちゃを買い与える親の多い国、日本はいったいどんな国なんだろう。



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