信じ難くて

 20数年前、アメリカを一周した時、あのニューヨークの世界貿易センタービルの屋上に上がって写真を撮りました。 そのビルがあんな形で崩れ落ち、多数の死傷者が出るなんてとても信じ難い気持ちです。 ビルから6ブロックはなれた高層アパートに1人住まいをしていた全盲に近い青年の部屋に泊めてもらい、一緒にこのビルの屋上に上がったのです。 彼は私たちの親友 Rick の従弟。 
 Rick e-mailしたところ、この従弟は当日の朝、すでに仕事に出かけていて無事だったが、立ち入り禁止でアパートに帰れず、12キロは離れたところに住んでいる両親の家まで歩いていったそうです。 別の従弟がセンタービル内の会社に勤めていたそうですが、この日たまたま寝坊をして遅刻したおかげで難を逃れたそうです。
 明治学院大3年の卒塾生が、ゼミ旅行でエクアドルに行っていたのですが、この事件の関係でアメリカに飛行機が飛ばず帰国が延期。 運航再開後も団体での席がとれず、ばらばらに帰国する羽目になり、両親のもとに大学から毎日のように状況説明のメールが入るそうです。 
 Rick のメールの一部です。(9/14)
Thank you for your kind thoughts.  I think the entire(全体の) country is in shock.
All conversations are about this horrible(恐ろしい) event(出来事), all the television and radio shows are about the news.  There is almost no music or sports or any other kind of show.  But, as always, life will go on and we will recover(回復する).
 What scares(怖がらせる) me now is the nationalistic(国家主義的) feelings and bigotry(頑固さ) which is starting to come out as a result.  Right() ring(), fascistic(国粋的) tendencies(傾向) seem to be very simplistic answers to these situations(状況), but I keep hoping that calmer(より冷静な) thoughts will eventually(やがては) prevail(広まる).
後半部の訳: 「私が恐ろしいと思うのは国家主義的な感情や頑固一徹さが生まれてきていることです。 右翼や国粋的な傾向というのがこうした状況に対する単純な反応ですが、もっと冷静な考え方がやがては優勢を占めて欲しいと願い続けています。」

 アメリカ人全体が、報復戦争支持だけではないということが分かっていただけると思います。 彼は小学校の教師です。 子供たちに平和教育をしっかりしてくれていることが窺がえます。

         塾長のつぶやき      ホーム