自己責任

「分かったか」・・・無言。
「質問はないか」・・・無言。
恥ずかしいのか、内気なのか・・ 無気力なのか投げやりなのか・・
 たまりかねて「アメリカでは、質問をしないというのは、馬鹿か理解できたかのどちらかと判断されるんだよ。分からなくて黙っていたら、それは黙っているものが悪いということになるんだ。君たちはすぐに先生の教え方が悪いと人のせいにしてしまう。もしその説明で分からなければ理解できるまで質問すべきなんだ。そうしないものは馬鹿と判断される。それが自己責任というものなんだ」と説教するのですが、それでも無言。ただただ、面白くなさそうな表情で指示された通りに問題を解いていく。
 最近、塾生を見ていて「何のために塾にきているのだろう」と疑問に思う機会が増えています。「成績をあげるためにきまっとる」と言われるでしょう。でも疑問点を解明しようという意欲のないところには進歩もありません。この子達をどう指導していけばよいのか悩みは尽きません。
 経済界では、終身雇用、年功序列といった枠組みが崩れ、人生設計は全て個人の責任になりつつあります。同じ現象が、教育界でも起きようとしています。
 来年度から、土曜日完全休日実施に伴い、学習指導要領が大改定され、授業内容が3割も削減されます。学校では基本だけ教え、後は個人の努力に任せるというものです。
 勉強が嫌いな子供はそれで十分で、知識欲の旺盛な子供は自分で努力するなり、塾等で勉強すればよいという考え方です。子供たちの現状と重ね合わせて、果たして自己責任の持てる子供に成長していけるのでしょうか。

 

 * 東京都は、都立高校4校を進学指導重点校に指定し、優秀な教員を配置して有名国立・私立大学合格を目指した指導を行うことを決めました。国をあげての「ゆとり教育」への取り組みに反した行動です。でもそれほど都立高校での学力低下がひどいということの反映なのです。

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