中1数学講習を終えて

 10回にわたる数学講習が終わりました。中学数学の基本となる正数負数の計算と文字式の計算を中心にやりました。平均の子供の3倍の速さで解く子から平均の子供の3倍も時間のかかる子供もいました。気がつく限り子供たちの横に行って指導し、理解してもらえたと思っています。例年とほとんど共通している事柄ばかりですが、子供たちの数学力についての感想をまとめてみました。

   *       繰り下がり計算がとてつもなく苦手

 2桁引く1桁でも三分の二の子供が暗算でできない。筆算でも
 恐ろしく時間がかかる。指を使う。

      
小数点の計算は壊滅状態。
 小学校の時にあまり練習しなかったからだろうと思われます
 が、足し算も引き算も掛け算も割り算もほとんどがめちゃめ
 ちゃ。今年から始 まった新指導要領で円周率
3.143で計算
 してよいとなったわけが納得できました。


       掛け算の九九がさっと出てこない子がそれなりにいる。

 *       分数同士の計算は、通分を含めてほとんどの子ができたのは逆の
 意味で驚き。

 分数の足し算引き算は通分がポイントで、つまづく子が多いの
 ですが、少なくとも今年に限ってはみんなできていました。
 (かかる時間は別)。

 

 例年のことながら、答えがちゃんと合ってもとにかく計算の遅い子が実に多い。お使いに行ってお釣を暗算で確かめるという経験もなくなり、小学校の時に計算ドリルを嫌というほど宿題に出されるといこともなくなったのが原因と思われます。
ほとんどのお父さん、お母さんはこの実態をご存じなく、「うちの子に限って」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。実に信じ難いほどです。2,3年生を見ていても、ソロバンを習っていた子供たちは違います。下のお子さんがおられる方はピアノ教室もいいでしょうが、そろばん塾に通わせることをお勧めします。2学期からは、文章題が増えてきますが、国語力の弱い子供たちには二重の負担になってきます。
 兵庫県の田舎の小学校で驚異的な教育効果を上げているとして注目されている陰山英男先生は自著「本当の学力をつける本」の中で、小学校低学年からの「百マス計算」練習の大切さを繰り返し強調されています。さらに、脳研究の第一人者川島隆太東北大教授が子供たち向けに書いた「自分の脳を自分で育てる」という本の中で、単純な計算練習と音読がいかに脳を育てるのに役立つかということを実験データを上げて説明されています。いずれも最近の本で、子供たちもご父母の皆さんもぜひお読みいただきたいと思います。特に小学生のお子さんがおられる方には必読本と思われます。「鉄は熱いうちに打た」ないとだめです。


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