「吐き気がする」数学      (2000/9)

 中学三年生。 夏休み中、12年分野の復習入試問題をやりました。 計算問題をしているときは順調だったのですが、文章問題・応用問題になったとたん一人の子が「吐き気がするわ」と言った。 ほとんどの子供が、ほぼ同じ状態なのです。 去年9月の「散居の風」にも書いたのですが、「数学の基本も国語力」なのです。 
 でも最近の事態はもっと深刻なのをご存知でしょうか。 簡単な二桁の足し算や引き算はおろか、一桁でも書かないとできない子や、こっそり指折り計算をしている子がいるのです。 掛け算の九九を間違える子はざら。 暗算はおろか筆算をしても時間がかかる。 とにかく遅い。 よく言われている様に、分数計算はあやふや。 通知表の数学の評価が 23の人はほとんどがこのような状態です。 このため、文章題の説明にいく前に、計算問題の練習に時間がとられているのが実情です。 聞いてみると、小学校の時に「計算ドリル」などほとんどしなかったというのです。 「ゆとり教育」ということで、ドリルや漢字百字練習などを要求されなくなったことで、基礎訓練の絶対量が不足しているのです。 小学校時代に「そろばん塾」に通っていた子供はさすがに速いし正確です。 基本のルールを習うだけでは駄目なのです。 やっぱり練習しないと身につかないと思います。 この意味で、「公文」や「学ぶくん」は基本から段階式に練習問題をしていくのでよいかもしれません。
 経済企画庁の調査によると、中学2年生の数学教科書の章末や巻末の練習、計算問題の合計数は、40年前に比べて14 ほどに激減しています。 再来年からは、小中学校で習う数学の内容が、現在より30%も減ります。 易しくなれば数学嫌いが減るでしょうか。 私はそうは思いません。 勉強しない子供たちがますます増えるだけだと思います。 これに加えて、国語も30%削減されます。 もう、数学=国語の苦手な子供に中学から数学を教えることは出来なくなるかもしれません。 
中学3年の2学期から数学と英語が極端に難しくなってきます。 私も中学のときには数学が一番得意だったのですが、高校で完全に落ちこぼれてしまいました。 
 とはいうものの、砺波高校などでは、将来の就職の関係からか理系の生徒が多いのです。 出来る子と出来ない子の二極化が進むということかもしれません。 さらに、大学の工学部の学生は、今では半分以上が大学院に進むそうです。 現在の急速な科学技術の進歩のため、学部卒では使い物にならないので就職先がないからだそうです。 


やっぱり英語
* 8月に千葉市の幕張メッセで「数学教育世界会議」が開かれました。 県内の某高校の数学の先生が、たまたま立ち寄ったところ、発表はすべて英語。 数式が出てくる部分は分かるのだが、何を言っているのかさっぱり。 「やっぱり英語が出来ないと駄目だと痛感しました」と反省しきり。 
* 「散居の風」のキャンパス便りにも登場願った慶応大学経済学部1年の金子正利君の話し・・「ミクロ経済学のテキストは複雑な数式と英語。 自分は数学は得意なので数式から内容を把握できるが、英語はまだ経済の専門用語に慣れていないので難しい。 高校時代にかなり真剣に英語の勉強をしておかないとしんどい」
* 私たち夫婦が7月にアメリカ旅行をした際、シアトルではアメリカ人の親友の家に泊めてもらっていましたが、ラスベガスは二人だけの旅行でした。 行く前に、日本のガイドブックで歩き回るのに便利そうな地域のホテルを調べ、後はインターネットで各ホテルのホームページを開いて、値段や状況を調べ、直接ネットで予約しました。
ガイドブックに書いてある価格と比べると2−3割は安く上がりました。
 * 市内某小学校の副校長先生の話し・・8月にグァムへ旅行しようと、やはりインターネットで直接ホテルのホームページを開いて予約しようとしました。 しかし、航空券を旅行業者に依頼したところ、ホテルとのセットでないと駄目だと言われ、やむなく旅行社のものを購入したそうですが、ホテルの宿泊代金はなんと2倍近かったそうです。 このエピソードは、直接的には英語力とは関係ありませんが、英語が出来れば、世の中の実態も見えやすくなるという一例だと思います。

   毎年夏休みには毎回、中3生に、1、2年生の単語の復習テストをしています。 前回のお便りで書いたように、中3生は通知表の評価3の生徒は塾生のわずか15%以下しかいません。 しかし、この単語テストは毎回の得点が、20点満点で4―15点という生徒が大半です。 (評価5の生徒はやはり15−20点です。) 2学期からは英語も極端に難しくなってきます。 高校に入ると大部分は塾に行きませんが、英語の基礎中の基礎である中学1、2年生の単語さえこんなあやふやな状態では先が思いやられます。 
 こんな話しは常々しているのですが、覚える努力をする子供が減ってきているように思います。 「予習などしないで、
実力を試すんや」という口実をもうけて勉強をしてこないのです。

       
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