歴史観光客ゴミ物価高・・ロンドン
   町中どこを歩いても歴史的な建造物ばかり。  京都や奈良の比ではない。  しかも、新しい建物も古い物に調和するように建てられている。  けばけばしいネオンや看板類はほとんど無い。  もちろん電柱や電線も無い。 訪問しきれないほど多数の美術館は、大部分が無料。  展示品も、日本でなら二三点もあれば特別展が開かれるような有名品がそれこそ多数無造作に展示されている。  大英帝国時代の栄華を実感させられる。 
   古い様式の建物と一体化するかのように、中心部のあちこちに広々とした公園が点在する。  中には、自然の川がゆったりと流れ、ペリカンや白鳥、様々なカモ類など渡り鳥がのんびりと泳いでいる川もある。 
   東京都23区内に当たる地域では、どこへ行っても人、人、人。  アメリカ英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、アラビア語、中国語、・・いったいどこにいるのかと錯覚してしまうほど。  イギリス英語が聞こえるのは、ホテルやレストランとパブに入った時ぐらいと言っても過言ではない。  ロンドンは観光客でもっているのではないだろうか。  おなじみのパブの客はほとんどイギリス人だけだったが・・  パブやターバンのお酒や食べ物は安い。  イギリス人たちは、多くはちびりちびりと文字通り舐める様にして飲みながら、延々とおしゃべりしている。  周囲のことなど一向に気にしない。  イギリスに行かれたら、ぜひパブに入ることをお勧めする。 
   過当競争と言えるほど多くのバス会社が二階建てのバスを走らせているだけでなく、タクシーや乗用車、オートバイ、自転車が文字どおり入り乱れ、渋滞の間隙を縫って歩行者も信号などお構いなしに横断する。  正に自己責任社会。
   不必要な音が無いのにも感心。  パチンコ屋などないし、店から音楽が流れてくることもまず無い。  地下鉄のホームでも「不親切」と思えるほど一切アナウンスなし。  長い長いエスカレーターでも「足もちにご注意ください」とか「手すりをお握りください」とかいった不必要な指示など一切無し。  黙々とちゃんと右側一列に並び、急ぐ人は左側を昇っていく。  少しでも身体が触れ合うとすぐさま「ソーリー」と言う。
   一番失望したのは、道のいたるところに紙屑などが散乱していること。  主に観光客が捨てた物だろうが、会社や店も掃除しようという気配が感じられない。  そもそも屑入れと言う物がほとんど見当たらない。 
   ヨーロッパ世界では常識かもしれないが、飲み水は買うものというのには閉口した。  喫茶店やレストランに入っても「水」と注文しない限り出てこないし、言えば当然、何百円かちゃんと請求される。  水道水も煮沸しないと飲んではいけないと言われているので、ホテルの水も飲めない。  観光客は皆、水のボトルを抱えながら歩いている。  そしてなんでも高い。  イギリス人はいったいいくら給料をもらっているのだろうかと聞きたいほど。  マックやキングなどの店は別にして、日本で言う「そこらのレストラン」でもランチで軽く一人2500円は飛ぶ。  市内電話料金が60円。  帰りの飛行機内で、アイルランドの高校に留学中の女子と話をしたが、三食付きの学生寮費が月30万円だという。  留学させるならアメリカがお得だ。 
   イギリス人のビジネスマンでも(ネクタイを締め、背広を着ているのですぐに見分けられる)携帯電話を持っている人は少数のように見受けられた。  大学生は言うに及ばず、高校生にまで買い与え始めている日本人の親に、日ごろから大いに疑問を感じていただけに、保守的なイギリス人を見直した。 
私たちは「B & B」といって、朝食付簡易ホテルに泊まった。  洗面所のタオルの上に「世界中のホテルで毎日タオルを取りかえることにより、多量の洗剤が使われ、ひいては河川を汚染している。  ホテルとしては公害防止に貢献するために、お客様の滞在中はタオルの交換を行わない方針なので、ご協力願いたい」という告知があった。  ホテル側の経費節減策と言えないことも無いが、公害防止を打ち出されると「サービス低下」と抗議も出来なかった。  ベッドのシーツも4日間変わらなかったので、これは抗議すると新しくなった。アメリカでも同じだが、「アンフェアー」(不公平)と言う抗議にはかなり敏感に反応する

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