*「生きる力と優しさと」土屋春雄著、毎日新聞社
「我が家の子育ての姿勢は、次の三点を大事に考えた。その一つは、子供の自然体験を含む生活体験を大事にしたことだ。二つ目は、生活体験の広がりと合わせて言葉を豊かにしてやることだった。本の読み聞かせなどを通して、日常の生活用語だけでは不足なさまざまな言葉に触れさせ、可能な限り語彙を豊かにしてやることだった。言葉の獲得は物事の理解につながり、思考力につながり、集団の中での人間関係を豊かにしていくことにつながる。人間は言葉を使って理解し、言葉を使って思考し、言葉を使って自己を表現し、言葉を使って他とのコミュニケーションを図っていくわけだから、言葉の獲得・語彙の豊かさはきわめて重要な生きる武器だ。三つ目は、生活習慣を身につけさせることと集団の中でのルールを身につけさせることだった。自分のことは自分でやるという習慣は、自立への大事な一歩でもある。・・ 子どもは愛されて育てられなければならない。・・ 親と子、それはたとえ大人と子どもではあっても、それは生きている人間同士の結びつきなのだ。親の怠惰な生活からは、豊かな子どもの成長は望めまい。親の一方的なおしつけからもまた子どもの自主性も自立性も育つまい。・・ 語彙が少ない子どもほど学力の遅れが目立ち、そうした子どもほど読書をしない。」
*「論争消え迎えた国語の危機―記者は考える」
朝日新聞企画報道室 清水 弟 氏の記事(4月初旬)の冒頭
「数学者の藤原将彦・お茶の水女子大教授は“小学校で飛びぬけて重要なのが国語だ。一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは十以下・・”という。 来春から使われる小中学校教科書の検定が終わったが、小学校の国語の授業は6年間に計224時間も減る。戦前は4年生で週12時間あった国語が、今は8時間。それがさらに減らされるのだ。“国語教育の危機”という声が出ても不思議はない。」
* 上級生のご父母の皆さんはご存知と思いますが、「英語も数学も国語が基本」というのが私の基本理念です。 子供たちが読書をしなくなったと言われて久しいですが、本当に言葉を知りません。 こんなことで外国語ができるようになるはずはありません。 挨拶や、買い物、レストランでの注文の英会話ができたって英語ができたうちに入りません。 学校で国語の時間が減るのなら、ますます家で読書するしかありません。 お父さん、お母さんの指導力が問われているのです。 久しぶりにまったく同じ考えの人の言葉を2つも見つけましたので引用しました。
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