人との出会いが大切

オール1の落ちこぼれ、教師になる」  宮本延春 著、角川                                           書店、223

 著者は、小学生の時にいじめに遭って学校嫌いになり、中学卒業時で、漢字は名前だけしか書けず、英単語はbook だけしか知らず、九九は2の段だけしか言えなかった。18歳で両親と死別、天涯孤独となる。中学から続けていた少林寺拳法を通じて知り合った彼女から、23歳の時に勧められて「アインシュタイン博士」のビデオを見て感動して勉強に目覚める。「小学3年生の計算ドリル」を買って勉強開始。私立の定時制高校に通い始める。物理を学ぶために、超難関大学に進学しようと決心し、働いていたので睡眠時間は毎日45時間で頑張る。27歳で、名古屋大学理工学部に合格、大学院まで9年間研究に没頭したあと、母校の定時制高校の教師になる。

 この本は、著者の自伝です。 中卒で、背中に観音様と蛇の刺青を入れ、ヤクザの妻になりながら、ある人との出会いから一念発起して弁護士になった大平光代さん(だから、あなたも生きぬいて」講談社)と同様、本人が自覚さえすれば、いかにすごいことが達成できるかということを教えてくれます。

 苦しい生活をしていても、社会のドン底で生活していても、「夢」や「希望」を捨てなければ幸せになれるチャンスはやってくる。その一番のきっかけは、「人との出会い」でした。そんな人とのふれあいや出会いが今の私を作っているのです。 -- 「あとがき」より。

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