「イエロー ・・ 差別される日本人」
渡辺幸一著 栄光出版より
「多くの日本人にとって、半世紀前の戦争はすでに<過去の話>であり、若い世代には、日本が米英と戦争をした事実さえよく認識していない者がいる。
しかし、戦争の当事者たちは決して忘れていない。 往々にして加害者は、記憶をあいまいにしがちだが、害を受けた方はいつまでもそのことを覚えているのだ。
私は、日本の捕虜虐待とその後の対応のまずさが、イギリス人の対日観に悪い影響を与えていることを思い知らされた。 日本人が、今後世界に友人を持つことを望むならば、みずからの過去の事実を知ることから、始めなければならない。 そして、今、何をしなければならないかよく考え、行動を起こすべきである。 イギリスも諸外国も、日本の動きを見ている。 何もしなければ、彼らは日本の経済力には敬意を払ってくれても、人間としての日本人を決して信用しないし、尊敬もしないであろう。」
英語公用語化や小学生での英語学習などを叫ぶ前に、日本の歴史、特に第二次大戦での日本と諸外国との関係を正しく知っておくべきなのです。 自国の歴史を知らないと「日本人は教養がない」といって非難されます。
天気や買い物、電話、乗り物といったうわべだけの英会話ができても、真の国際理解、国際化など到底望めません。 毎年8月15日になると日本の新聞やテレビは「終戦記念特集」を報道しますが、友好国のはずのアメリカでは毎年12月8日になると "Remember Pearl Harbor”( 真珠湾を忘れるな )といった関連記事が必ず載るのです。 アメリカに住んでいてこの記事に出会うと本当にいやな気持ちになります。 でもこれが現実の国際関係なのです。 ましてや日本軍の侵略、支配を受けてきた朝鮮を始めとする東南アジア各国の人たちが日本の姿勢を問題にするのも当然のことだと思います。
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