中年夫婦のアメリカ・ホームステイ

(18)   日本人留学生

「変な日本人留学生がいる」

妻は、一刻も早くアメリカ生活に慣れるために、外国人留学生やビジネスマンと一緒についてきている主婦を対象にしたある教会の集いに参加することになった。 留学生といっても、大学の助教授や医師、弁護士、企業の研究所の技師、商社マン、政府派遣の公務員など、いわゆる「公費」で、しかも「大学院」に勉強に来ている人たちがほとんどで、私のように、「私費」で「学部」で勉強している人はこの奥様グループのご主人には皆無。 広いキャンパスで日本人らしき人とすれ違っても、目礼をする程度。 当然、「お手伝いさん」暮らしの妻も他の奥様方とは境遇が違いすぎて、教会以外でのお付き合いはなし。 ということで、冒頭のようなうわさが広がった。 もちろん、学部学生とおぼしき日本人も何人かはいる様だったが、彼らは二十歳過ぎの若者で、お互いにギャップがありすぎるうえ、学部が違ってほとんど付き合いがなかった。

 それでも、二年目になると、食堂で話をする知り合いができた。 それが、(17) で登場願った丸山弁護士の奥さん。 同じ政治学専攻という。 それぞれ選択科目が違うので、全く会ったことがなかった。 ご主人は、日本の弁護士資格もあり、このワシントン大学の法科大学院も卒業して、カリフォルニアの弁護士事務所へ実地研修に出かけているという。 彼女たちは、大学の所有する住宅団地に住んでおり、時々、若い日本人を呼んでマージャンをしていたので、参加したこともあった。 もちろん、このころは丸山弁護士も日本では無名の人。

 お互いに日本に帰ってからは、一度、奥さんが我が家を訪問したことはあったが、あとは年に1、2回はメールのやり取り程度。 6年前の4月、ワシントン大学同窓会日本支部の同窓会が、アメリカ大使公邸で開かれた際、丸山さんご夫婦と再会したが、弁護士については、日米間の商取引を中心とした仕事をしている、という話しか知らなかったし、その頃はまだテレビには出ていなかった。
 私たち2人は、塾という「夜の商売」という関係もあって、夕方5時ごろから
11時前まではほとんどテレビを見ない。 この再会以降、「行列のできる法律事務所」という番組が話題になり、丸山弁護士という人も出ているということは知っていたが、まさかシアトル時代の丸山さんとは思いもしなかった。

 ところが、去年の春、偶然のきっかけで、シアトル時代の丸山さんらしいということになった。 この直後、丸山弁護士の特集番組が放映され、奥さんも娘さんと登場しているのを見て、確信。 奥さんにメールすると「そうだ」という。 そして、去年の10月、弁護士が自宅から車で5分のところにある高岡法科大学に講演に来るとのメールが入って、5年ぶりの再会(写真はHP冒頭)となった。 (この話は、「丸山和也オフィシャルサイト」の「お酒コラム」Aに詳しく載っているので、そちらをご覧ください。) 「世の中は広いようで狭いものだなあ」と改めて実感したしだい。

 閑話休題。 このワシントン大学の学部には日本人留学生はあまりいなかったが、シアトルには日本人の若者がかなりいる。 彼らは、正式の留学試験TOEFLで基準点 ((3) を参照)以上取れないので、ワシントン大学に入学許可が下りない。 それで、ほとんどが語学学校や、日本の短大に当たるコミュニティー・カレッジに通っている。 このうち、女子は、体格も小柄で顔つきも幼いので、アメリカ人には魅力的らしい。 すぐに声がかかる。 また、女生徒の方も、スマートな白人男性の友達ができれば格好もよい上に会話の勉強にもなるというので、気安く友達になるらしい。 あちらの男性は、女性のもてなしがうまいので、女の子もついつい乗せられて、男女関係へと発展しがちという。 まあ、表面的には、個人的な恋愛感情の結末という風にも見えるのだが・・・

 別の日本人女子学生から聞いた話。 彼女が親しくなったアメリカ人から聞いた話だそうだ。 狙いをつけた女の子の知り合いの男性と一緒にパーティーを開いたり、家に招待してきっかけを作り、親しくなって関係を持つことができたら、その紹介者の男性にお金を支払っているというのだ。 いわゆる、売春斡旋と同じ。 日本女性は、そんなことは露知らず、恋愛感情と思って舞い上がり、結局は捨てられたり他の男性にたらい回しされるという。 こんな話を聴くにつけ、若い女性が一人で留学するというのはあまり勧められない。 もちろん、(16) で書いたように、毎晩夜12時前まで図書館で勉強しているような留学生が大半とは思うのですが・・


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