[クレーター] [海・湖・沼・入江] [山・山脈] [谷・流域・壁・断崖] [月につけた人類の足跡] [TLP(一時的現象)] [レイ・クレーター]

※ サヘキはNASA 及び IAUではデータを見ることができません。日本人には大変有名なクレーターです。

     H・P・ウィルキンス、P・ムーアと月面図作成に対し連絡を取り合っていたためウィルキンスの月面図にサヘキという名が付けられた。

  サヘキ=佐伯恒夫:大阪電気科学館、東亜天文学会副会長、ALPO(月・惑星観測協会)、イギリス天文協会で活躍。

   (1916-1996)     火星面観測で有名、著『火星とその観測』(恒星社厚生閣)。

 

 

 

● クレーターとは?

 (1) 1609年、月に望遠鏡を向けたガリレオ・ガリレイが月面に多数の窪みがあるのを発見クレーターと名づけた。

 (2) クレーターはギリシャ語でコップ、杯、あるいはお椀を意味している。

 (3) 月のクレーターの火山説は1787年、イギリスのウイリアム・ハーシェルによって唱えられた。

 (4) 隕石による衝突説は火山説に遅れること約40年後、ドイツの天文学者グルイトイゼンによって提唱された。 

 (5) その後、衝突説は、1893年に地質学者であるギルバート(G.K.Gilbert)が、雨の海の成因を小惑星のような大隕石の衝突によるものとして、

   説明する説を発表した。

 (6) 20世紀前半、シ力ゴ大学のボルドウィン(P.B.Baldwin)は種々の爆発孔についてその直径と深さの関係をグラフにしたところ、アリゾナ州の

  バリンジャー隕石孔のような地球上の隕石孔をはじめ、月のクレーターも同じ曲線にのることを見つけて衝突説の主張を裏づけた。

(7) アメリカのアポロ計画で得られた成果は、月物質の年代測定をはじめとする月の内部構造や歴史とともにクレーターの成因は隕石衝突説である

  ことを証明した。

 

 

● クレーターの分類

いろいろな分類方法があります。参考程度に見てください。まだ、しっかりと決められたものではありません。

 

通常は、下記のようにまとめられます。

周壁のある平原 Walled plain
環状山、グラーベンクレーター Mountin ring
環状平原 Ringed plain
クレーター、カルデラクレーター Crater
小クレーター Crater let
凹孔原 Crater plain
丘クレーター Crater cone
浅孔、穴、気泡クレータ Crater pit
幻クレーター、ゴーストクレーター Ghost crater
円頂丘、小丘 Dome
くぼみ、えくぼ   Depression、dimple  
連鎖クレーター、チェーン・クレーター Catena、Chain crater

 

シュプールの分類

カルデラ・クレーター

地球のカルデラに似ている。中型でほぼ円形、内壁には段丘、火口原は深そうに見える。光条を伴うものが多い。

グラーベン・クレーター 大型クレーターの大部分はこれに当てはまる。
気泡クレーター 陸や海にピンホールのようなクレーター。少し盛り上がっている。火口原はすり鉢型。
幻クレーター あたかもクレーター全体が埋もれてしまい、火口原の頂だけがかろうじて残ったように見える。

 

中野繁の分類 (月面とその観測 恒星社厚生閣)   

周壁のある平原

Walled Plain

山脈に囲まれた大きな平原、直径65〜240km。独立した小さな海。
環状火口 Mountain Ring 古く荒廃した周壁。25〜120km。
環状平原

Ring Plain又は Complex Crater

段丘状の壁と中央丘のあるクレーター。30〜100km。コペルニクス、ティコ等。
凹孔原 Crater Plain 一般的なクレーター。16〜32km。 
凹孔 Crater 火口、噴火口等。月面で通常はクレーターと云えばこれ。10〜25km。
小凹孔 Craterlet 小凹孔、小火口、浅孔。直径8km以下の小さなクレーター。
浅孔 Craterpit 浅孔、椀状孔。外壁は無い。くぼみ。18km以下。
潜在孔 Obscure Ring又は Ghost Crater

幻クレーター、ゴーストクレーター。海に見られる。

昔クレーターだったものが海の溶岩シートに埋もれた状態。

火口孔 Crater Cone 気泡クレーター、1〜5km。
円頂丘 Dome ドーム。小丘。円頂丘。

 

水色の記述はいろいろな文献から筆者が記述。 

 

フィルダーの分類:1969年

月 の ク レ ー タ ー 月 の 環 状 構 造
中央丘上のクレーター レイのある環状構造 同心円状環状構造
独立丘上のクレーター 断層上の環状構造 偏心的環状構造
ドーム上のクレーター ドーム上の環状構造 多重環状構造
リンクル・リッジ上のクレーター リンクル・リッジ上の環状構造 らせん状環状構造
環状壁上のクレーター 環状壁上の環状構造 やや放射状の線状構造を持つ環状構造
楔形クレーター 多角形の環 三角筋をもつ環状構造
皿型クレーター 楕円形の環状構造 壊れた壁を持つ環状構造
楕円形クレーター 単純な環
クレーター・ピット(穴、くぼみ) 線状連鎖をなす環状構造
線状連鎖をなすクレーター 弧状連鎖をなす環状構造
弧状をなすクレーター 平坦な床面の環状構造
断層上のクレーター 中央丘を持つ環状構造
レイのあるクレーター 同族の環状構造
リル・クレーター 組み合わせ環状構造

● クレーターの表側と裏側の大きさ順  

表側

クレーター 名

読み

km

経・緯度

1

Bailly

バイイ

287

66.5S/69.1W

2

Deslandres

デランドル

256

33.1S/4.8W

3

Clavius

クラヴィウス

245

58.8S/14.1W

4

Lagrange

ラグランジェ

225

32.3S/72.8W

5

Schickard

シッカルト(シッカード)

206

44.3S/55.3W

6

Janssen

ジャンセン

199

45.4S/40.3E

7

Einstein

アインシュタイン

198

16.3N/88.7W

8

Maginus

マギヌス

194

50.5S/6.3W

9

Humboldt

フンボルト

189

27.0S/80.9E

10

Petavius

ペタウィウス

188

25.1S/60.4E

裏側

クレーター 名

読 み

km

経・緯度

1

Hertzsprung

ヘルツシュブルング

591

2.6N/129.2W

2

Apollo

アポロ

537

36.1S/151.8W

3

Korolev

コロレフ

437

4.0S/157.4W

4

Birkhoff

バーコフ

345

58.7N/146.1W

5

Poincare

ポアンカレ

319

56.7S/163.6E

6

Planck

プランク

314

57.9S/136.8E

7

Mendeleev

メンデレーエフ

313

5.7N/140.9E

8

Lorentz

ローレンツ

312

32.6N/95.3W

8

Schrodinger

シュレディンガー

312

75.0S/132.4E

10

Milne

ミルン

272

31.4S/112.2E

 

● 月のクレーター

直径は顕微鏡で見なければ見えないほどの大きさから、南極エイトケン盆地のように2500kmの大きさまで、さまざまです。

1km以上の大きさでも表側だけでも30万個に上るといわれ(誰が数えたのでしょう?)、NASA発表のデータでも1400個以上に命名、公表されている。

1km以上のクレーターは1万年に1個などといわれているので、裏表合わせるとゆうに60億年かかっているわけだ。本当だろうか、ある程度まとまって

できたように思えてならない。

 

● クレーターの形成

直径が2kmの大隕石状天体が30km/secの速度で月面に衝突すると浅い地下爆発を起こし、その衝撃は、お皿のミルクに滴を落としたときにできる

ミルク・クラウンの現象のように流体的な振る舞いを示し、コペルニクス(直径93km)級の大クレーターを形成すると考えられている。

 

● クレーター形成の法則

不規則に出来上がっているように見えるクレーターはよく観察すると、出来る順番が不思議なことに必ず大きいものの上に小さいクレーターが重なる。

小さいクレーターの上に大きいクレーターが重なるのは、2,3例報告されているだけで、ほとんどない。

これは、何を意味するのだろうか

 

● クレーターの成因

クレーターの成因は、隕石衝突説(ドライ派・外因説)と火山説(ウェット派・内因説)の長い論争があった、どちらの説も正しく、どちらかの成因で多くの

クレーターがあるかだけです。ほとんどのクレーターは隕石衝突説によるクレーターの方が多い。

衝突クレータは、隕石状天体が月面に衝突して、その運動エネルギーの大部分が爆発的に熱エネルギーに転換され隕石を溶かして蒸発させることに

よって形成される。月面への隕石の衝突速度は、秒速15q以上(時速5万4000q)。その際、余分となった運動エネルギーによって表面物質が破砕

され地震波がつくられる、月面物質は浅い地下爆発を起こし吹き飛ばされる。

こうして中心部に穴がつくられ、隆起した外壁がつくられ破砕物質が遠くまで吹き飛ばされ、光条(レイ:光条のあるクレーターは比較的新しいものと言

えます。アリスタルコス、コペルニクス、ケプラーなどのクレーターです。)をつくったり初期爆発でクレーターの中央の突出部が形成される場合もある。

 

火山説も見逃してはいけない、まだまだ分からないが大小さまざまなクレーターには、必ず隕石と火山に分けられるはずである。

火山でなければ説明の付かないクレーターも多くある。

 

● 多角形のクレーター

クレーターは丸いものだけではない。よく観察すると、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形、長楕円形、小判型、ひょうたん型、不規則型、とさま

ざまな形をしている。不規則型、丸型、六角形、小判型、長楕円形はどういう過程で出来るのかは理解できるが、三角形、四角形、五角形はどうしてこ

んな形が出来るのか、筆者にも分からない?

 

● クレーターの名称

 

● 月に隕石衝突が確認されている記録

1178年6月25日、隕石か何かが月の裏側に衝突し光と炎があがったのを、イギリスのカンタベリー修道士が目撃(隕石ではない見間違いという説も

あり)。以後800年以上にわたり月震が続いている。これは、振幅3m、3年の周期で震えつづける現象なのである。このクレーターは月の裏にある

ジョルダーノ・ブルーノ・クレーター(22km)である。

■ 近年、このクレーターは、この時に目撃したときにできたものではないという説が出ています。分からなくなってきた? ■

 

※ クレーター名になっているジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno)は、16世紀のローマ・カトリック教会の学者で、宇宙は無限、太陽系は無限の

宇宙の一つにすぎないと、今日では当たり前の主張であった。そして、生命の偏在を説いた地球外生命への言及も行ったため、1600年異端審問所

に告発され、ローマに護送されて7年間の尋問と拷問ののち火刑に処された。命を落としたその場所のローマ市内カンポ・デ・フィオーリ広場に銅像

が建っている。

 

● 地球のクレーター 

月にあれだけのクレーターがありますが、地球には今のところ170個ほどが、隕石衝突によるクレーターではないかといわれています。

地球の場合、大気、プレートの移動、海、風化等によりほとんどのものが消失したものと見られている。

アメリカ、アリゾナ州のバリンジャー隕石孔、原因となった隕石は直径約30mで、直径1,270m、深さ174m を筆頭に、世界中に170個以上のクレー

ターがあるといわれています。それらのうち、1/3以上が経済的に利用できる地下資源がクレーター付近に眠っている。アメリカ・オクラホマ州エイムズ

油田はクレーターが作ったという。南アフリカの金鉱も北海道ほどの大きさで直径約300kmという世界最大のクレーターなのです。どうも石油、石炭は

もとよりウラン、ベントナイト、モルダバイト、ニッケル、銅、金、ウラン、ダイヤモンド等貴重な鉱物資源が多くあるようです。

 

参考サイト(英文):地球の隕石クレーターリスト

 

ところで、日本には未確認を含め、クレーターは4箇所が該当するようです。以下のとおりです。
 
 

● 日本のクレーター 
1.秋田県五城目町の隕石クレーター

秋田県五城目町馬場目川上流の北ノ又地区に「大谷地」という直径100mの円形の凹地。

通産省工業技術院地質調査所が1965から1968年にかけて地質調査を実施した。

1970年にまとめた研究報告に「大谷地」など三カ所を特にとり上げて「周囲の地形から見て衝突火口を想起させる」と記述。

この報告の存在を知った五城目町は1980年に実地調査を行ったが裏付けは得られなかった。隕石説の真偽は不明。

(1980/10/30 秋田魁新聞抜粋)

  
2.香川県高松市南部の仏生山公園 

高松市南部の仏生山公園を中心とする直径8キロの地域の下に直径4km(隕石にしては小さい。8〜10kmでは)のクレーターが地下に埋もれている。

2002年、地下1750メートルまでボーリング調査をした結果、

(1) 激しい衝突で岩石が変化した痕跡 

(2) 隕石由来の金属粒子 

(3) 衝撃による熱で岩石が溶けガラス状になった組織

という隕石衝突の3要素すべてが見つかった。

1530万年前に直径1Km弱の巨大隕石が衝突した2重リング・クレーター。重力測定で異常発見や衝突を示すスエーバイト岩石が発見されている。

世界のクレーター・リストを作っている国際クレーター登録委員会(本部・カナダ)のメンバーが 2003年11月24日に現地を視察。

近くリストに登録される見込み。

場所:高松琴平電気鉄道の仏生山駅下車、徒歩20分ほどのところに中心がある。

 

2004年5月9日、次のような決定が下された。

国際リストを運営するカナダの地球衝突データベース管理委員会メンバーでカナダ・ニューブランズウィック大のジェームズ・ホワイトヘッド博士が、証拠

不足を理由にリストへの登録を見送った。関係する研究者の多くは「大規模噴火に伴う陥没地形」とみている。

隕石起源説を唱える三浦保範山口大助教授は「衝突を裏付けるデータはまだあり、今後明らかにしたい」としている。

(共同通信)

  

3.南アルプス

南アルプス南部の御池山(長野県上村、1905m)にある半円形の地形が、隕石でできたクレーターである可能性が高いことを、同県飯田市立滝丘小学

校教頭と岡山理科大のグループが確かめた。隕石によるクレーターの国際データベースに申請する予定。直径約900mのクレーター、直径約45mの小

惑星が2、3万年前に衝突してできたと推測された。

(2003/09/11 朝日新聞抜粋)
 

4.未確認であるが奄美にも隕石衝突孔があるという。
 

これらの場所の近くに住んでいる方、興味のある方、一度実地探検に出かけてみるのもおもしろそうですね。

 

 

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