ムーン・イリュージョン (Moon Illusion)  

 

地平線上にある月が、大きく見える現象をムーン・イリュージョンと呼んでいます。

実はこの現象、古代から現代まで、どうして起こるのか、

解明が試みられてきたが未だにはっきりとした解答のない摩訶不思議な現象である。

月は実際のところ、どのくらいに見えるのでしょうか?

誰でも知っている?…… 五円玉の孔。

直径22mmの五円玉の孔は約5mm(ノギスで測っていないのでおおよそです)。

 

下の専門用語を参考に見てください。

 ● 秒角(arc-second)   角度の単位で1秒角=1/60分角。

 ● 分角(arc-minute)   角度の単位で1分角=1/60度
                  腕をのばした状態で手に持った五円玉の穴の角度は約30分角、これは太陽や月の張る角度と同じ。
                  人間の視力1とは1分角。
 ● 度 (degree)       角度の単位で、円の1周が360度。1度=π/180ラジアンです。
 ● ラジアン (radian)    平面角の単位で、長さが半径と同じ円弧が円の中心に対して張る角度(180/π=約57度 )が1ラジアン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スイスの心理学者M.E..クレバレードの示した学説一覧表(一部加筆)

  学   説 提   唱   者 内     容
1 屈折説 アリストテレス、プトレマイオス 地平の空気層の屈折により月が大きく見える。
2 瞳孔散大説 ガセンディ 地平では光線が弱められ、瞳孔が散大し大きく見える。
3 水晶体扁平説 シュベール 天頂を向くと眼球の水晶体が薄くなるため、小さく見える。
4 比較説 デカルト 地平の小さく見える木や家と比較して大きく見える。
5 対比説 リエール 天頂の月は青黒い夜空との対比効果で小さく見える。
6 視線説 ガウス、ツオート 視線を上げて見ると小さく見えるため地平線近くの月が大きく感じる。
7 地平視角説 ツェーヘンダー 地平のものに対する視角が、天頂方向での視角より大きくなるため。
8 周辺視説 ブゥルドン 天頂の月は地平より感度の良くない周辺視になりやすい。
9

介在説、

(地上物体説)

プトレマイオス、アルハーゼン、ベーコン、デカルト、カウフマン、ロック 地平には、月との間に建物などがあると地上の介在物の影響で奥行きが強調され、より大きな物体として誤認される。
10 遠景説 バークリーダン、ヘルムホルツ 靄(もや)とか薄明のため地平の月は遠く感じ、大きく見える。
11

天空説

(偏平説)

スミス、ヘルムホルツ、ライマン 天空の形を扁平に認識しているため、同じ月でも遠くに投影面がある地平の方が大きく見える。

 

このほかにも、多くの説があるが、上記の説が今一番よく知られている。

上記表の中の心理学者カウフマン(L.Kaufman)とロック(I.rock)は、月の幻想として、右図を表している

(円は二つとも同じ大きさである)。

これについて、ホイップル(Fred L Whipple)はこう説明している。

 

脳と眼の特殊な性質によると考えている。観測者は地平線上での方が頭上でより天体を遠くにあると感ずる傾向にある。すなわち、知らず知らずのうちに月をより遠い地平線上にあると考えてしまう。そのために月の角直径は変わらないのだが、地平線上での月をより遠いとは思わないで月が大きいと感じてしまう。

 

日本では、苧阪良二氏の『地平の月はなぜ大きいか』(講談社ブルーバックス 1985)が、

心理学的空間論で、次のように説明している。

 

一、地平の方向に物体が奥行き方向にならんでいると大きく見える。それらの左右の広がりも拡大して見える副次的要因となる。
二、地平の満月を見る場合の体位は、頭は正常に直立し、眼位は第一眼位である。この姿勢で天頂の月を見るとき、頭位と眼位は相補的に

   (眠が動けば頭は動かず、頭を動かせば眼は動かず)変化する。

   このような姿勢で仰視するから天頂の月が小さく見える。地平の月を見る姿勢を90度かたむけ、仰臥視の姿勢をとると天頂の月はやや大きく見

     える。
三、大きさの知覚には、知、情、意が働くが、知覚以外に情意機能も働く。たとえば初心者、女性、芸術家肌の人は、二倍以上の錯視率を持つ。

   原始社会においては、首長や上位のものの姿が、下位の者より大きく描かれるが、 これらは情意機能が認知機能に影響をあたえているひとつの

   証拠である。
 
 
また、NASAのホームページには、次のような内容がのっている。

(英文を何とか要訳しました。意味が通じてもらえれば?)

1913年、マリオ・ポンゾ(Ponzo)が、2本の縦棒ラインを横切って数

本の棒が引かれる有名な鉄道軌跡の図を発表しました。

レールの距離感により、下部の黄色の横棒より上部の黄色の横棒ははるかに大きく見えます。

実際、2本の赤い縦棒は正確に同じ幅です。この結果は不可解な

地平線の月の幻覚に働いているかもしれません。

 

確かに、地平線で、より大きく見える月は光学的錯覚ではあるが、実際に、Ponzo効果なのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィスコンシン大学のドンMcCready博士は、次のような説を提唱しました。

その説は、目を動かすmacropsia、およびmicropsiaとして知られている一つの幻覚に基づきます。

目を動かすmacropsiaは、物体の距離がずっと遠くにある場合、より大きな角度の大きさに見せます。

また、物の距離が接近している場合、より小さな角度のサイズに見せます。
 
月が頭上にある場合、その距離は感じません。したがって、私たちの目が、小さく見えるのは、
物体が1〜2m(たとえ私たちが非常にずっと遠くにあることを知的に

知っていても)、及び目を動かすmicropsiaの距離であると仮定します。

月が地平線にある場合、建物と木のような地平線上の物体は、月が非常にずっと遠くにある距離の手掛かりを私たちに与えます。

これは目を動かすmacropsiaで引き起こします。また、通常それより大きく見えるように、私たちはそれを知覚します。
 
なぜ目を動かすmicropsia、及びmacropsiaは存在するのか。明らかに、私たちの顔に近い物体を見つけることをより
容易でより速くするために、目が頭の正面に

あり、見たものを頭脳で処理するので、私たちが物体を見る視覚的な角度間の違いがあります。左か右にある物体を目の前にしようと首を回すために、私たちが

必要とする実際の角度は、その物体がより接近しているほど、違いはより大きいのです。

micropsiaは、近くにある物体を速く見つけることが重要な場合に、私たちが本能的に感じるのです。

micropsiaは、近くにある物体のために存在するので、macropsia(反対)は遠くにある物体にあるのです。

私たちがそれらを見つけるために首を回して、時間をとることができるので、その物体を大きすぎずに見ることができ、反対にmacropsiaは、遠い物体に働くのです。
 
 
一昔前は、大気の影響などによって「実際に拡大されている」のだと考えていたが、現在では人間の目の錯覚によるものだとする説が有力です。

本当に人間の目は、錯覚を起こす不確かなものなのでしょうか、以下の図で自分の目がおかしいのか、正常なのか確認してください。

 

   

 

            ブント図形                   オルビゾン図形                  ねじれひも錯視図形

 

 

    横2本線は真っ直ぐですが?          三角形はどうなってますか?       文字は真っ直ぐに書いてあるつもりですが?

 

 

    

 

                                ヘルマンの格子錯視図            ザンダー(Sander:1926年)の錯視図

 

     円を書いたつもりですが?            交差する白いところに影が?              AB=ACのはずですが?

 

上図の左2つはNASAのホームページ。それ以外の図は『おもしろい物理学』ペレリマン著 現代教養文庫より

 

 

定規を当ててみたり、渦の円をなぞって見みたり、長さを測ってみてください。どうですか、正常な目でしたか?

 

皆さんは、「ムーン・イリュージョン」を見ましたか。見たら、こんどは片目でジーッと見てください。どんなことが起きるでしょうか。

特に満月の日には「ムーン・イリュージョン」に、気をつけて見てみましょう。この現象は太陽でも起き、夕日が大きく見えるのは同じ現象とか。

  

 


 

■■■ おおつきひかるのトンデモ・コラム ムーンイリュージョンの大発見か??? ■■■

 

つい最近の5月頃から、私の左右の目の中に “きんとん雲” ならぬ、飛蚊症それも雲のような黒いものが盲点附近に現れてきて、邪魔で仕方がありません。いろいろなうたい文句に踊らされて、どっかの特効薬なんていうものを飲んでいますが、さっぱり効きませんがな・・・。

  

この飛蚊症という不治の病に患ったお陰で、一つここに書いておいてもよい、面白いことを発見?しました。

それは、目玉を上下に動かしたり、顔を上にしたり下にしたりして、この飛蚊症の雲のようなものに気をつけてよく観ますと、下に向けたときは、飛蚊症の間隔が狭くなり、上に向けると1.5倍ほど広くなるという「世紀の大発見???」をしました。

  

ということは、目玉を下に向けると自然に大きく見えるように、目玉の方で勝手にやっているのですね。反対に上に向けると小さくなって見えるということのようです。先に書いてある“幻覚”ではなく、ウィスコンシン大学のドンMcCready博士が唱えている説、目を動かすmacropsia、およびmicropsia、に近いものと思います。

 

本当のところ、どうなんでしょう??? 誰か、これはすでに分かっていることだよ・・・、とか。。。  お前の目がおかしいだけとか。。。 

どえらい眼科の先生とか、またこのことを研究しておられる方がいましたら、ご教示願いたいです。

2012年10月4日記す