しゅぎょー

台詞

「台詞をしゃべる」ということは、どんな役者にも与えられた表現手段である。
劇作家が書いた台詞を舞台上で話すわけである。が、ただ闇雲に言えばいいというものではない。自分がどんな人間であるか(もちろん役としての話である)、相手役や、お客様に与える影響や印象までも考え(と言うより感じ)なければならないはずである。そういうことを踏まえてゆくと「アドリブ」など言っている隙などない。
戯曲、台本というものは、余分な「アドリブ」なしで、しっかりと上演できるように書いてくれてあるわけで、「ありがとう」という台詞を「どうもありがとう」と替えてしまったりすることなど必要ない。
台詞が「ありがとう」だけでもその中に込められる情報(気持ち、雰囲気など)はいくらだってある。「ありがとう」の中に(どうもありがとう)の気持ちを入れたり、言葉以外の行動で(どうもありがとう)を感じさせることが出来るはずである。
そこが役者の最も大切な仕事のひとつであり、各人の持っているものが生かせるところではないか。(真の演出家は、役者が出したものをどう料理するかを仕事としているようだ。演出家?と呼ばれている人の中には、自分の思い通りに役者にやらせようとする方もいらっしゃるようで。)
役者の中には「この台詞言いづらいから替えて!」という人もいる。そんな人には、「その台詞こそあなたと役とを繋ぐ赤い糸なんだよ。」と言いたい。なぜこの役はこう言ったのか?自分だったらこうなのに… ほら、あなたが目指す役への方向が見えてきたでしょ。


「毎日を大切に生きる」これが、芝居をする人の最も重要な修行じゃないか