2004年5月30日、午後2時、府中市民会館、ルミナール府中、あすかホール
黒川正三先生が小金井市民オーケストラの定期演奏会において、
A.ドヴォルザークのチェロ協奏曲 ロ短調 作品104 を演奏されました。

「第7話 涙とともに」

これは、数ヶ月前のレッスンの時に、伺ったものです。
先生のプライベートに関わる内容ですが、
了解をいただきましたので、ここに掲載させていただきます。

第7話   涙とともに      チェロふれあい見聞録♪ 
       
ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 
アグロステンマといいいます。大好きな花です。
昨晩のレッスンは、長かった。

2時間も息子2と先生の真剣勝負。
先生もエネルギッシュだから、
息子2も、喰らいつかないと、ついていけない。

その長いレッスンが終わったあと。
先生に聞いた。

ずっと、聞きたい、と思っていたこと。
特に、この中の最後の質問は、聞いておきたかった。

たとえば、音楽家だったらどうなんだろう?
そんなことできるのだろうか?
誰の悲しみでも理解して泣けるのだろうか?
それとも、やっぱり、
それは、心の通じ合ったものにしかないもので、
でも、心が一度、通じ合ったものには、
お互いの悲しみは、共有のものとなるのか?



「先生。先生は、演奏しながら、涙がとまらなかったことありますか?」

「先生は、自分が経験したことなくてもその曲の悲しみを感じて、泣くことができますか?」

「先生は、他人の悲しみを感じて泣くことができますか?」



チェロの先生がこころに沁みる話をしてくれた。

ウィ−ン留学も終わりの頃、世話になった恩師ご夫妻を自宅に呼び、お礼とお別れの食事会をした。
その席で、もし、良かったら聞いてください、と、言っておいたのが、ドヴォルザークのコンチェルト。

さらっと、一楽章だけ弾くつもりだった。
ピアノは一緒に留学した奥様。

一楽章を弾き終えたとき、恩師をみると・・・

   その先、続けて弾きなさい。

と、黙って、目で促していた。


2楽章からは、真剣に弾いた。
3楽章の最後の部分は、死から昇天へ繋がる部分。
クリスチャンであるチェロの先生にも、ここは、未知の世界。
現世の罪をすべて清めてもらって、神に許され、天国へ行く。。

その思いを込めて、弾き終えた。。

はっ、と、我に返り、恩師を仰ぎ見た。

恩師は、はらはらと、涙を惜しげもなく、
流していた。。
泣きながら、先生と恩師は、激しく抱き合った。。。


あれから20年。。

肉親の死や誕生に際しての、この世における命の終わりと新しい命の始まり。。
その後の先生の人生の体験が、また、この曲への理解をより一層深いものにした。


ご自身の人生の思いを込めて演奏する
ドヴォルザークのチェロコンチェルト。

今でも、コンサートでこの曲を弾くたび涙が止まらない。
この曲は、いつも、涙と共に、だそうだ。。。

    
    
興味のある方は、先生のHPへどうぞ。
    ご自身でこの曲について、語っておられます。

   また 息子1とVn.東フィル宮川先生との出会い UPしました。
    合わせてご覧ください。