それはほんの偶然だった。
「ひゃ―――ッ…降ってきたアル。」
散歩中のいきなりの雨だった。
出かける前は曇り空だったから傘は持っていない。
いきなりの雨に神楽はどこか雨宿りができるところを目掛けて走った。
とにかく屋根があるところを…と思って辺りを見渡して探して見つけた。
とりあえずこの雨が止むか、少し落ち着くかを待つことにした。
ポツポツだった雨も今は激しく降っている。
止むまでには時間がかかりそう…。
このまま降り続けていたら銀ちゃんは心配して探してくれるアルカ?
雨は嫌い。
いつも私を独りにさせるから…
あの日もそう…
兄ちゃんとパピーの喧嘩の日も雨。
兄ちゃんが出ていった日も雨。
雨は嫌い。
私がいつも独りだから…
早く晴れないかな?
早くお日様照らしてよ。
でも今は傘がないからお日さま出ても動けないアルネ…
「…チャイナ?」
聞き覚えのある声。
名前を呼ばれて神楽はゆっくりと振り向く。
そこにいたのは真撰組の一番隊長の沖田総悟。
「こんな所で何してるんでィ?」
「…何でもないアル。」
「…傘はどうしたんでィ?」
「……。」
雨の日は本当にいいことなんてない。
本当に嫌な事ばかり…
「…お前には関係ないアル。」
ああ。
なんか雨の音煩いアル。
でももっと煩い方がいい。
何も聞こえなくなっちゃばいいのに…
でも不思議なコト。
聞くだけ聞いておきながらアイツは動く気配はない。
ずっと雨を見ている。
「お前は、どうしてここにいるアルカ?」
「雨宿り。」
「……。」
そうか。こいつも雨宿り。
でもいつからいたんだろ?
雨の日はいつも独り。
でも今は…ふたり。
なんかおかしな感じ…
雨だからアルカ?
何も話さないでこうしているなんて…
いつも喧嘩していないから変な感じアル。
少し小雨になり始めた。
雲から暖かな日の光がさしている。
もうすぐこの雨も止みそうだ。
日のヒカリが出る前に走ってなら万事屋までつきそうアル…
「ほらよ。」
頭の中でどのように帰ろうかを考えていたら急に声がした。
「え?」
手渡されたのは沖田の隊服の上着。
「傘ねェんだろ。それにこの様子だと日も射しまさァ。行くならそれ頭の上からかぶって行きなせィ。」
「……。」
神楽は手渡された上着をじっと見ていたがあることに気がつく。
「お前はどうするアルカ?」
お前の性格からいって雨を止んでから行くとは思えない。
小雨ならこのくらいの程度…で行ってしまう気がした。
「俺は大丈夫でィ。それに、管轄内で倒れても放置ですぜィ。チャイナ。」
それだけを言ってから走って行ってしまった。
「あ…」
まだ、『ありがとう』も言ってないのに…
手にあるのはアイツが置いていった上着。
雨は小雨と同時に日も結構射して来た。
せっかくだからと上着を広げ頭の上からかぶり万事屋に向かった。
沢山の水たまりがキラキラ光っていて、きれいな虹がかかっていた。
てるてる坊主気分v
雨の日もたまには悪くない…
*あとがき*
今回はほのぼのを目指して書きました><
コレはほのぼのでしょうか><
雨宿りに来たのは総悟が先です。
隠れていたというか見えない所にいたというか…
そんな感じですvv
ちなみに続いていたりするんですvv
2009/12/06 雛乃