…暑い…
…頭クラクラするアル…
…どうしよう…
一歩も動けない…
なんでこんなことになったのだろう…
散歩に行くときは曇りだったネ。
だから傘はいらない。
太陽を雲が隠してくれるから傘はいらないから
私は外の散歩を楽しめる。
ところが公園に付いたとたん太陽が出始めた。
少しのヒカリくらい大丈夫だと思ったネ。
少しのヒカリくらいは…と。
でも限界に近付き木の陰にうずくまる。
立っていられない。
もはや座っているのもつらい。
帰りたくても照らし続ける太陽が邪魔をする。
「…こんなところで何してるんでィ?」
その声だけで誰かはすぐにわかった。
でも返してやりたい言葉も返せない。
総語もうずくまっているのは神楽ということにはすぐに気付いた。
なんでそんなことしているのかわからないから聞いてみても返事はない。
一体どうしたものか…と思ったが、あることに総語は気づく。
「…お前傘は?」
「……」
ブンブンと首を横に振って今持っていないことを伝える。
そのことで総悟は気づく。
コイツ…傘がないのに日のヒカリを浴びたのか…?
……無茶しやがるぜィ…。
うずくまりながらも神楽はもはやぐったりの状態。
このまま放置にしていくわけにもいかない。
…さて、どうしたものか…
ドサッ…
「…え?」
考えている間に神楽は倒れた。
「…チャイナ!?」
総悟は何度も名前を呼ぶが神楽の意識はない…
これは早急に何とかしなくては…
「…ん?」
「…あ。気がついたかィ?」
「…あ…れ…?わた…し…?」
神楽はそのまま呟く。
でも意識はまだクラクラする状態だ。
「…いきなり倒れたんでさァ。」
聞いたことのある声に誰かはすぐに分かった。
さっきと同じ声…。
新撰組の1番隊長・沖田総悟。
「……そっか…」
「…ほら。」
総語が渡したのは濡れた冷たいタオル。
おでこに当てるとひんやりしてとても気持ちいい。
「……ずっと…いた…アルカ…?」
「…倒れている奴をほっとくと後々面倒なんでさァ。」
「…そうかヨ…」
「…で、帰れるかィ?」
あれから時間もたって今は夕暮れ。
太陽が沈みかけている。
そろそろ帰らないと銀ちゃんも心配させてしまう…
木陰の木に手を当ててなんとか立とうとするがフラフラの状態である。
「…なんとか…立てる…アル…!」
強がりな神楽はフラフラな状態でも弱音を吐かない。
「…で、歩けるのかィ?」
「……。」
どちらかの前足を前に出せば前に進める。
こんな簡単のコト…
ぼやける視界にフラフラの身体には難しすぎた。
「……。」
後ろでその様子を見ていた総悟は神楽の前に来てしゃがむ。
「乗れよ。」
「…え?」
「そんな身体じゃあ永遠に万事屋まで着きませんぜィ」
「……。」
…アイツの言うとおりネ。
まともに歩けないんじゃ話にならないアル…
でも…
その前に…
「…お前が優しいなんて不気味アル…」
「…俺は別にチャイナがどうなろうと関係ないが…
こういうときは素直になるべきですぜィ…」
「……。」
しばらく神楽は考え一人葛藤している。
悩んでも答えはひとつしかない…
「…し…仕方がないから甘えてやるヨ…」
「…素直じゃねーな…」
そう言いつつも総悟は神楽を背負う。
「…お…重たくないアルカ?」
「…大食いなわりにはそんなに重くないでさァ。」
「…途中で手離すのはなしアルヨ!」
「…んなことしねぇよ。」
傘がないから総悟の上着をさらに神楽の頭にかぶせる。
いくら夕陽といっても、今の神楽にしてはまた失神してもおかしくない状態であった。
「…コレ。暑いアル…」
「仕方がないだろ。まだ夕陽があるんだから。
…別にテメーがぶっ倒れても俺には関係ねぇけどな。」
「…関係ない奴は私が倒れててもずっと公園にいないヨ…見捨てるネ。」
「……。」
「…ついでに言うと、今、背負うこともないネ…置いていくはずヨ…」
「……。」
「…オマエ、嘘つきアル…」
「…チャイナ。話せる元気があるなら歩けよ。」
「話せる元気なんてないヨ…。」
確かに。
いつものバカ元気な様子ではない。
声のトーンが低く落ち着いている声。
「…で、俺がどのようにウソついたんでィ?」
「…関係ないなら…知らないフリでもすればいいアル…」
「……。」
それもそうだけど…
あの時は…いつもと違うチャイナの様子といきなり倒れるから
驚いたのも嘘じゃない。
あのまま知らないフリができる訳がない…
何とかしなければ…と思う自分がいた…
「…サド?……聞いているアルカ?」
「…聞いてる聞いてる。…じゃあさ…チャイナはできるかィ?」
「…ん?」
「あり得ない話だけど…俺が血だらけで倒れてても、関係ないからって知らないフリしていくかィ?」
「……ホントにあり得ない話アルナ…でも、きっと知らないフリはできないヨ。」
きっと知らないフリするのは前までの私。
でも今は心配くらいはするアルヨ…
「……それと同じでさァ…」
「…そうアルカ。」
少しずつ夕日は沈む。
早く沈まないといつまでたってもこの暑いままアル…
でもその前に一言…
「……サド…。」
「ん?」
「……ありがと。」
その言葉はあまりにも小さくて…
もう一回聞き直そうとしたけれど
二度と言ってくれないような気もしたから
あえて言わずに……
「……おう。」
こんな日もたまには悪くないって思ったんだ…。
優しいのはキミだけ…
((…顔合わせじゃなくてよかった…))
*あとがき*
沖神話14作目ですvv
書きためていた話・其の@ですvv
何を書きたかったかと言うとおんぶですvv
書いてみたかったvv
あと、最後の所は顔合わせでは二人とも素直には言えないですからねvv
2010/06/07 雛乃