最初から期待なんかしていなかった。
今日だっていつもと変わらなく『毎日』と『日常』に掻き消されて
ただ時間が過ぎて消えていくんだろうと思っていた。
ついさっきまでは…
外はすっかり夕焼け色に町が染まっている。
沖田総悟は無事に部活も終え帰ろうとしたが教室に忘れものに気づき戻ることにした。
明日までの提出の用紙だ。
貰った時はつまらなくて紙飛行機にして飛ばしたりしたが部活帰り際の話で話題になった事で思い出し今見至る。
急いで3Zの教室に行き自分の机の中を見てみると見事な紙飛行機になって見つかった。
見つかったことは幸いなので紙飛行機のままカバンに入れる。
そのまま教室を出ようとした瞬間何かと勢いよくぶつかった。
「…ッいった…サド!?」
「…いってェ…チャイナ!?」
「お前…なんでこんな時間に学校にいるアルカ?」
「部活でィ。そう言うてめェはこんな時間まで何してたんでィ。」
「…え?…私は…えっと…」
神楽は言葉を濁すが、総悟はあることを思い出す。
「ああ。期末試験の補習という名の再試験かィ?そういやどっかの授業で言っていたなァ。」
「煩いネ!留学生なんだから仕方がないアルヨ!!」
いつも通りの売り言葉に買い言葉のケンカ。
今日だって何も変わらない毎日染まる。
何の変化もなく…
「そう言えば今日、お前誕生日アルナ。朝からゴリラが煩く叫んでいたネ。」
んなこともあったなァと朝の出来事を思い出す。
登校してすぐに近藤さんが大きな声で祝ってくれたなァ。
「チャイナは?何かくれねェの?」
期待なんてこれっぽっちもない。
どうせ売り言葉と買い言葉のケンカだろう。
神楽は黙ったまま自分の席に掛けてあるカバンを持ち再び総悟のところへ戻る。
「今日の調理実習で作ったカップケーキアル。
…味の方は私が何個も食べているから大丈夫ネ。美味しいアル。」
神楽はカバンの中から可愛い袋に入ったカップケーキが一つを取り出して
顔は下を向いたまま総悟の方に向けて押しつけた。
「欲しければあげてやってもいいヨ。」
変わらない毎日の中の一部だと思った。
其れが予定外な出来事を迎えている。
「…不ッ細工なケーキだなァ…。」
見た感じの率直な感想だった。
「なにおう…」
神楽は反発するが総悟は聞こえていないのかジッとカップケーキを見ていた。
形は崩れていて丁寧じゃない見た目。
見た感じからはとてもおいしそうなんて言葉は出ない。
でも当の本人が何度も食べていることからしておそらく害はないだろう。
まァ、害なんかなくてもきっと行動は同じだろうなァ…
「仕方ねェから貰ってやってやりまさァ。」
「…え?」
言葉と一緒に総悟は神楽が持っていたカップケーキを受け取ってその場から立ち去った。
「サドッ!…捨てたら承知しないアルからナッ!」
神楽も一瞬の出来事に反応ができず総悟が立ち去ってから大きな声で叫ぶ。
総悟も手をヒラヒラと返す。
おそらく神楽の声は届いただろう。
今日だっていつもと同じ日常で変わらない一日のはずだったけど少しの変化を見せてしまった。
其れがどう明日に繋げたらいいか迷ってしまうような些細な出来事。
それでも結果的にはいつもに掻き消される毎日なんかよりは残るモノがあった。
ウラハラ恋心。
素直になれば気づく想い…
*あとがき*
沖神話21作目は2011年総悟の誕文でしたvv
総悟!誕生日おめでとうなのだvvv
今年は3Z設定で書きましたvv
まだ誕文では書いたことないなぁと思って書きましたvv
背景は毎年の総悟誕文ではこれを使っているので
今回も少し合わないんですけどこれにしましたvv
えっとですね、沖神をこのサイトに入れて丸3年がたちました。
まだまだ沖神大好きなので、これからも沢山文書いていきたいですvv
でわvv
2011/07/08 雛乃