02:小さな迷子






森を出ると小さな村がある。
自然に囲まれていることもあり空気はとてもきれいでありとてものどかな村だ。
そんな自然の中の小道をを歩く少女がいた。
名は沖田ミツバ。12歳。
容姿端麗でとても優しい性格だが激辛い食べ物が好みである。
とてもいい青空なのでミツバは散歩しながら買い物を楽しんでいた。
森に囲まれていて空気はとても新鮮。
ミツバは自然あふれる森と空気が好きだった。



「あら?」
ミツバは森への入口の所に一人の女の子を見つける。
見る限りこの辺では見かけない容姿。
そんなことより一番気になったのはその女の子が不安げな表情で
周りをキョロキョロと見渡しながら周辺を行ったり来たりしている行動だった。


迷子…かしら?


直感にそう思ったミツバはその少女に近づき優しく話しかけた。




「ただいま。」
「姉上!おかえりなさい!!」
ミツバが帰りを知らせるその声に小さな男の子が嬉しそうに走ってくる。
ところが一緒にいる見知らぬ少女を見つけ笑顔が消えた。
「…姉上。そこにいるの誰ですか?」
どう考えても見覚えがない。それでもミツバが笑顔で答える。
「女の子よ。そーちゃん。」


そーちゃんと呼ばれているのはミツバの弟の沖田総悟。8歳。
黙っていれば可愛い容姿だが何を考えているかわからないさで腹黒い。
極力姉の前ではいい子になる。


「…そうですけど…姉上の知り合いですか?」
「う〜ん…迷子…かな?」
「…迷子…?」
そう言いつつ総悟はその少女のほうをじっと見ていた。


玄関の方が賑やかなのが気になったのかさらに二人の男の子も顔を出す。
一人は近藤勲。16歳。ここの道場の主である。
見た感じでは暑苦しいイメージではあるが究極のお人好しである。
もう一人は土方十四郎。13歳。途中から来た門下生。
来る前は一匹狼で喧嘩が早い性格で極のマヨラーである。


もちろん二人とも見たこともない少女の姿を見て、どうしたんだ?と驚く。
ミツバが戸惑いながら説明しようとするが、土方の一言で場所を居間に変えて経緯を話す事になった。


話の内容は帰り道の途中で出会ったこの女の子が見た感じ迷子のような感じだった。
名前とかいろいろ聞いてはみたけど何にも話さない。
でもこのまま置いていくのもできなくて心配で連れてきちゃった…ということだ。


「っていうことは、人助けですね!!姉上。さすがです!!」
総悟は尊敬のまなざしでミツバを見ていた。
「でも、その子の親からしてみれば勝手に連れてきた俺らはまるで…」
「トシ。これは誘拐じゃないぞ!これは立派な人助けだ!」


一応その少女に名前、どこから来たとかもう一度聞いてみるが何を聞いても何も話さない。
いつまでも黙って動こうとさえもしない。
その様子を見てあることを総悟が思いつく。
「…家出じゃねェですかィ?だから名前も住所も言えないんだ。」
「…そりゃしょっちゅうしているお前だろ。総悟。……まさか…」
何か考え事をしていた土方がひらめく。
「なんだ?トシの知り合いか!?」
「…隠し子ですかィ?」
「んな訳ねェだろ!…前に聞いたことがある話の中で…『傭兵戦闘民族・夜兎』という民族がいるんだ。
 強さだけを求め危険とされて絶滅しかけてはいると聞くが…」
「…それとどういう関係があるんだ?」
近藤は訳分らず土方に聞く。
「…夜兎族の特徴は日のヒカリが苦手で常に日除けの番傘を持ち歩いていること。
 それと、透き通るような肌と怪力、戦闘民族の所為か怪我などの回復力も早いって聞いたことがある。」
 ……当てはまるんじゃね?あのガキに…」
「「「えッ!?」」」
土方のその一言に誰もが驚いた。


確かによく見てみると番傘を持っている。肌も白いって言ってみれば白い。
怪力や傷の回復力等はわからないが条件は合っているような感じだ。


「…姉上!もうアイツにかかわらない方がいいですよ!もしその危険な民族だったら…ッ!!」


総悟に難しいことはよくわからない。
でも、アイツがその危険な民族かもしれないっていうのはわかる。
そんな危険な奴と姉上がかかわってほしくない。


「大丈夫よ。そーちゃん。…私にはそんな危ない民族には見えないのよね。」
ミツバは笑顔で答えるが総悟は気が気でない。
でもミツバはほっておけなかった。
初めて見た時どこにでもいるたった一人の小さな女の子。
そんな恐ろしい戦闘民族には思えなかった。
ミツバの笑顔には総悟は何も言い返せなかった。


さて練習だと近藤と土方は道場の方へ向かっていく。
ミツバもその場を片付けをし部屋を出た時を狙って、総悟は静かにミツバが連れてきた少女の方に近づく。



「…早く出ていった方が身のためですぜィ。」



小声でそう告げると道場の方へ走って行った。


「……。」


一人になった神楽はとてもココロが痛かった。
大粒の涙があふれだす。


「…兄ちゃん…」


少女は座りながら顔を下に向け大粒の涙をためてポツリと呟いた。





*あとがき*

2話にて総悟たち道場組登場です。
そしてかなり長いので3話と分けてしまいました。
なのでこれは前編みたいなものです。
後編ではいろいろある予定ですvv

ここでの総悟はミツバ一筋です>v<
なので素性を知らない神楽に対してすごい敵対視しています。。
そして神楽も信じられるのは神威のみなんです。
ではv


2011/09/03   雛乃