バレンタイン小噺



百合姫と紅巴

お遊びです。
それだけは踏まえてどうぞご覧ください。





「はい、お兄さま。どうぞ」
「わざわざありがとう。綺麗なラッピングだね」
「百合が自分で包んだの。ちゃんと包む前にお毒見もしてるから安心してね」
「ぼくがもらってもいいのかな」
「柳祥様には、お城御用達の商人に手配してもらったものを届けてあるの。ちゃんと、柳雅様や柳司様にもさしあげました」
「えらいね」
「ちなみにみんな義理です」
「……そうなんだ?」
「そうなの。わたしからもらっても、なんとも思わない人たちだもの。特に、柳雅様は怖いけど、侍女の中に信者が多いから、お部屋に山のように贈り物が積み上げてあったわ。わたしからのが一つ増えたところで、一緒にまとめて捨てられるだけよ。でも、形だけでもしておかないと、外聞が悪いから」
「他のは捨ててしまいそうだけど、姫のはどうかなあ」
「一番に捨てられそうな気がするわ」
「ところで、ご当主には手作りをさしあげなかったんだよね」
「ええ。わざわざ時間をかけてものを作ってさしあげても、喜んでもらえないならもったいないから。どうして?」
「なんとなく、甘いにおいがしてるなあ、と思ってたから。てっきり、作ってさしあげているものだと思ってた」
「……本当はね、お兄さまには、手作りをさしあげたかったの」
「ああ、そうだったんだ。ありがとう」
「でもね、お台所ってはじめてで、どうしたらいいか分からなくて。侍女に色々教えてもらったんだけど、上手に出来なかったの」
「うん」
「でもこれ、柳祥様にさしあげたものより、ずっといいものなのよ」
「一生懸命選んでくれたのも嬉しいけど、せっかく作ってくれたんだったら、ぼくは姫の手作りがほしいな」
「ほんとに?」
「うん」
「見た目とか、綺麗じゃないのよ。たぶん、全然おいしくないわ」
「うん」
「だから、すごく恥ずかしいんだけど……」
「そんなことないよ」
「……あのね。ええと、まだ、捨ててないはずだから、もってくる。包んでくるから、ちょっと待っててね」


 ……ラブラブですな。
 そして翌日、胃腸の不良を鉄の意志で隠す紅巴の姿がありました、と。
 柳雅に見破られてほくそえまれてました、と。



つっこみどうぞ 



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