宮城全労協ニュース/第120号(電子版)/2009年2月20日

各県自治体へ申し入れ
(09春闘・東北キャラバン)


09春闘・東北キャラバンは3月6日からスタートします。東北全労協は各県知事と県庁所在地等の市長に対して以下の申し入れを行いました。

キャラバン日程は次のとおりです。

■「反貧困・反失業・連帯と共生」−09春闘東北キャラバン
<2009年3月>
  6日(金)宮城県
  9日(月)岩手県
 10日(火)青森県
 11日(水)秋田県
 12日(木)山形県
 13日(金)福島県

■3月6日(金)宮城県春闘討論集会/キャラバン出発式

(なお、労働局への申し入れは続報。)


●反貧困・反失業・連帯と共生
−雇用と生活のための09春闘東北キャラバン


<各県知事、市長への要請>

2009年2月12日


厳しい雇用破壊と相次ぐ企業倒産の中、貴職の日夜のご奮闘に敬意を表します。

2009年3月6日から13日の予定で実施される「東北キャラバン」にあたり、貴職ならびに関係各部局に対して以下の要請を行います。


雇用破壊がかつてない規模と速度で進んでいます。厚労省による非正規雇用労働者の雇用調査(第3回・1月末発表)によれば、昨年10月から今年3月までの雇止め・解雇は12万5千人となり、1か月間で1・5倍に増大しました。しかし、この数値が「氷山の一角」であることは各自治体の調査で明らかです。「製造業の派遣・請負労働者の失職は3月末までに40万人」との試算や、「全体では170万人」との予測も出ています。

東北の雇用破壊は福島県を先頭に全国的にも突出しており、特に企業誘致地域で深刻をきわめています。岩手の「北上川流域の社会的崩壊」が昨年末、大きく報じられました。各県でいま、税収の大幅ダウンを含めて、地域経済社会の危機に直面しています。

企業には「社会的な責任」があります。雇用の責任や地域社会への貢献は当然です。地元の中小零細企業が歯を食いしばっているとき、大企業が一方的に工場を閉鎖し、無責任に事業撤退するなど、決して許されないことです。

年末年始、「年越し派遣村」が東京日比谷公園に開設されました。「食と職と住まい」を求めて、多数の非正規雇用労働者が身を寄せました。「労働者派遣法」の抜本改正、ならびに「セーフティネット」の確立が急務です。

麻生首相は「100年に一度の危機」と繰り返しています。しかし、有効な対策が打てないまま労働者犠牲が拡大しており、社会不安を増大させています。「定額給付金」にいたっては、自治体をいたずらに混乱させていると言わざるをえません。

東北地方の企業倒産は過去最高規模で増大しており、有効求人倍率も全国平均以下のラインで低下しつづけています。卒業予定者の就職難と内定取り消しも深刻です。


以下、きめ細かい実効性のある支援の強化と、中長期的な対策を要請するものです。


(1)「失職者」への直接支援と「解雇の防止」をはじめとする緊急対策

厚労省の「非正規雇用労働者の失職」に関する第2回調査(12月末発表)では、全国8万5千人のうち東北6県で1万2千人でした。全国8%の人口比率である東北が実に14%を占めています。第3回調査(1月末)では全国12万5千人、東北6県で1万9千人(全国の15%)に急増しています。

第2回調査では、福島県が全国3位、山形14位、岩手15位、宮城20位、秋田34位、青森35位。第3回調査では、福島が全国3位、山形7位、宮城9位、岩手13位、秋田23位、青森32位。人口比率から見れば、東北各県の実情はこれらの数値以上に深刻です。

東北各県自治体や労働局等において、この間、様々な対策が実施されてきました。

私たちは、関係各位の日夜の奮闘に敬意を表するともに、3月年度末に向けて一層の厳しい状況が想定されるなか、とくに以下の諸点を要請します。


1.「失職者」への緊急生活支援、食と住居と医療の提供、各種資金援助をいっそう拡充されたい。
 生活保護の申請に対しては、積極的かつ迅速な認定を行なうこと。

2.新たな人員削減を防止するため、親会社を含む企業への行政指導を強めること。
 とくに優遇措置を受けている誘致企業の人員削減に対しては、奨励金等の返還や罰則の強化をはかること。

3.再就職先の確保と学習研修を含む就職支援を強化すること。

4.自治体臨時雇用の諸条件(賃金と期間、労働内容)を改善すること。

5.中長期的な失業対策事業の構築のために、財源確保を含めて国に働きかけること。

6.今春卒業予定者の就職対策をさらに強化すること。
 なかでも内定取り消し企業には撤回を求めて行政指導を徹底されたい。

7.経済事由による就学困難児童・生徒に、財政措置を含めた支援を強化すること。

8.労働者派遣法の抜本改正を国に働きかけること。

9.地域最低賃金の大幅引き上げを実現すべく尽力されたい。


(付記)
「介護、外食、タクシー」等の企業で「失職者の積極的再雇用」の動きがあります。また行政サイドでも再雇用の政策的なシフトが検討されています。「再就職支援」は当然のことですが、だからといって「貧困化」や「労働の劣化」が野放しにされることがあってはなりません。たとえば介護職場では、労働条件を改善しなければ、離職率の高い不安定な労働が拡大することになります。見解をお伺いします。

また「(貧困を食い物にする)貧困ビジネス」がクローズアップされています。現状把握と行政対応のあり方について、同じく見解をお伺いします。


(2)「連帯・共生」の地域経済社会をめざして

一方的な雇用破壊が、自動車・電機・精密機械など中央資本系列の輸出型製造企業から始まりました。その反省から、「一極構造」を見直し「大企業に依存しない地域経済」をめざそうという声が、様々な分野で上がっています。

「社会保障予算の削減」等によって、医療崩壊をはじめ地域の安全網が危機がさらされています。国は「効率性優先の自治体経営」を地方に押しつけてきましたが、そのような視点を転換することも必要です。

「少子高齢化」も加速しており、「地方の危機」をどのように克服していくか。いわば「連帯と共生の地域社会」を展望した中長期的な取り組みが、行政としても問われていると考えます。

課題は多岐にわたっていますが、とくに以下の諸点について見解をうかがいます。


1.製造業や流通サービスなど、大資本に依存しない地域経済社会政策のあり方について。
 (とくに一部大企業の「拠点化」や、郊外型大規模商業施設の進出への見解。)

2.自治体病院や地域療養施設など、「地域医療の崩壊」をくいとめる取り組みについて。

3.農林水産業の振興・再構築のための施策について。

4.外国人労働者・学生の雇用・就学・社会保障の実態と対策について。
 東北地方と北東アジア地域の友好関係を結ぶための施策について。

5.「郵政民営化」の抜本的な見直しについて。

6.「社会企業」など地域に根付いた非営利活動への行政の対応について。
  

(3)「定額給付金」の白紙撤回を求めます

政府は「定額給付金」の年度内給付を強行しようとしています。当初から政策効果には強い疑問が出されてきましたし、給付方法など未だに迷走が続いています。押しつけられた市町村では業務の混乱が避けられません。

「定額給付金」への反対は各種の世論調査が示しています。「2兆円が使えるなら有効に」「せめて自治体裁量が認められるべき」という声が圧倒的です。

民意を無視し、困難を自治体に押しつける「定額給付金」の白紙撤回を求めます。



以上/宮城全労協ニュース第120号/2009年2月20日