宮城全労協ニュース/第137号(電子版)/2009年10月15日

派遣法抜本改正を実現しよう−
10.29日比谷野音集会へ!


◆資料1/共同行動の集会呼びかけ
◆資料2/厚生労働大臣の諮問(10月7日)


9月30日、参議院会館で「政権交代実現−さあ派遣法改正だ」と題して集会がもたれ、与党3党と共産党の議員たちが参加した(公明党議員からの発言もあった)。10月29日には日比谷野音で全国集会が開催されようとしている(資料1)。宮城全労協も派遣団を送り、全国の仲間たちと連帯して労働者派遣法の抜本改正をかちとろう!


厚労大臣が派遣法改正を諮問

長妻厚生労働大臣は10月7日、大臣の諮問機関(労働行政のあり方)である労働政策審議会に対して、「今後の労働者派遣制度の在り方について」の審議を諮問した。長妻大臣は、麻生政府が法案を提出した昨年秋以降、派遣労働者の雇用環境に大きな変化が生じたため、審議内容に「製造業務への派遣」「登録型派遣」「違法派遣の場合の派遣先との雇用契約」などを含めるよう求めている(資料2)。

この諮問を受けて、具体的な審議が担当部会(職業安定分科会労働力需給制度部会)で行われる。規制反対派は審議会での揺り戻しを期待している。公労使委員による審議は連立政権合意(注)や連立各党のマニフェストに縛られない、という理屈だ。

規制反対派からは、「派遣制度によって労働者の雇用が守られてきた」「派遣規制は失業拡大につながり、労働者のためにならない」などの主張が執拗になされている。なかには現行派遣制度を維持するために(引き換えに)、派遣企業の不正取り締まりの強化、セーフティネットの拡充、同一労働同一賃金や均等待遇への移行などが必要だと提言する人たちもいる。だが、そのように説く人たちは、それらの政策実現のために真剣に取り組んできたとでもいうのだろうか。きわめて不誠実な姿勢ではないか。また「派遣規制だけでは問題は解決しない」という主張(その内容は様々だが)を、「派遣法抜本改正」の要求と意図的に対立させる報道も続いている。

派遣業界は夏、派遣規制強化反対の署名運動を展開した。派遣労働者にメールで署名を求めたことに対して、厚生労働省は8月、「個人情報保護法違反に当たる可能性がある」と業界指導を行っている。派遣労働者や労働組合から、署名を強制されたなどの相談や指摘が労働局に寄せられていたからだ。業界団体は適法であり強制もないとコメントしたが、厚労省所管団体への異例な指導であり、派遣労働者たちの戸惑いや不安を物語るものとして波紋を呼んだ。

署名実施団体の一つ、社団法人日本生産技能労務協会(製造請負・派遣業界団体)は、製造派遣業界の派遣スタッフや派遣先企業を中心に11万8千名の署名が集まり、新厚労大臣などに提出すると発表した(9月15日、ホームページ上で公表されている)。

同協会は「派遣制度は世界で活用されている労働形態」であり、「製造業においても派遣制度は、グローバル競争に勝ち抜くための生産形態として広く受け入れられて」いるとし、「実態踏まえ、派遣制度の在り方について十分な議論」を、と求めている。

企業の求める「柔軟な労働力」とはどのようなものか。昨年秋以降、「職と食と住」を一挙に奪った「派遣切り」がその実態をあばいた。派遣労働者たちの犠牲によって、政治と社会が制度の間違いを突きつけられた。「極端な規制強化は、経済市場の混乱を招き、働く人たちの多様な雇用機会の選択肢を奪う」ことになるという派遣業界の主張は、雇用流動化の徹底が企業経営の利益になるという一周遅れの議論である。そのような主張は、「派遣切り」「非正規切り」への怒りが「格差・貧困」を社会問題として突き付け、歴史的な政権交代をもたらす一因となっていった現実を見ようとしない。


政府と民主党は労働者派遣法の抜本改正へ!

労働者派遣法の改正問題は、鳩山連立政権が避けることのできない案件の一つである。新政権には企業や経営側から様々な圧力が加えられている。政府と民主党はどちらを向いているのか、派遣法問題はそれを問う試金石でもある。

労働者派遣法の改正は、この1年半、与野党を問わず共通の課題となった。とくに昨秋以降、自公政府も改正の必要性を認めざるをえなくなった。麻生政府と自民党にとっては、派遣法改正つまり派遣労働の再規制は、小泉−竹中政策からの脱却を象徴する政策変更を意味した。「市場原理主義」政策の見直しを求める主張は、与謝野大臣ら麻生政権の中枢からも発っせられていた。

与党案は非常に不十分でまやかしも含んだものだったが、国会審議には至らず、けっきょく廃案となった。麻生政府・与党は経団連や派遣業界などの反対を抑え、参議院多数派の野党に歩み寄り、「衆参ねじれ」を越えて実効ある法改正に乗り出すことはなかった。「善意の理解者」を演じる舛添大臣は、最後には「年越し派遣村」を誹謗・中傷する暴論(つまり本音)をはいて怒りと失望をかった。

野党としての民主党の対応も揺れた。大企業労組の抵抗によって、野党共同案は厳しいだろうとの観測を流す報道もあった。派遣法抜本改正を求める運動は継続し、そして6月、充分とは言えないが三野党の共同修正案がようやく成立したが、これも国会審議されることはなかった。

こうして派遣労働者たちは、現行法制度のもとで、「雇用の調整弁」として企業からの攻撃にさらされ続けている。その犠牲に対して、政権党となった民主党はどのように応えるのか。製造大企業労組の出身、あるいは強い支援を受けている議員たちが、新政府の要衝に配置されている。「どちらに向くのか」という問いが突きつけられている。

民主党と連立政権は、そのような経緯に上に立ち、共産党とも連携して労働者派遣法の抜本改正と非正規雇用労働者の支援に向うべきだ。



(注)民主党、社民党、国民新党の連立政権合意

「雇用対策の強化―労働者派遣法の抜本改正 」

▽「日雇い派遣」「スポット派遣」の禁止のみならず、「登録型派遣」は原則禁止して安定した雇用とする。製造業派遣も原則的に禁止する。違法派遣の場合の「直接雇用みなし制度」の創設、マージン率の情報公開など、「派遣業法」から「派遣労働者保護法」にあらためる
▽職業訓練期間中に手当を支給する「求職者支援制度」を創設する
▽雇用保険のすべての労働者への適用、最低賃金の引き上げを進める
▽男・女、正規・非正規間の均等待遇の実現を図る。



資料1/共同行動の呼びかけチラシより

派遣法改正 まったなし−
10.29日比谷大集会へ!

今国会で、公約どおり、派遣法改正を実現しよう。

 自民、公明の歴史的大敗北から約半月がたち、新政府が発足、組閣されました。選挙前、民・社・国3党による派遣法改正案が提出され、選挙戦においても、当時の野党各党は、マニフェスト、選挙公約において抜本改正を公約に掲げて闘いました。

 自民、公明の壊滅的敗北は、雇用も含めた市場原理主義に対する選挙民の怒りの発露にほかなりません。この気運を派遣法抜本改正の実現に結び付けようではありませんか。

 鉄は熱いうちにうて!抜本改正を磐石なものにするために、10月29日に全国から日比谷野外音楽堂に結集し、首都中枢で、政府、国会に私たちの声−『今国会で派遣法の改正を公約どおり実現しよう!』をとどろかせましょう!

労働者のための派遣法改正を実現させよう!
政権交代。さあ、派遣法改正だ。
全国から日比谷へ結集しよう!


□09年10月29日(木)
18時30分から集会〜19時45分からデモ

□主催:労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動
(連絡先・事務局/全国ユニオン気付)



資料2/労働政策審議会への厚生労働大臣の諮問

今後の労働者派遣制度の在り方について(諮問)

労働者派遣制度については、労働力の需給調整を図るための制度として、我が国の労働市場において一定の役割を果たす一方で、近年、日雇派遣など社会的に問題のある形態が出てきているほか、やむを得ず労働者派遣を選択する者の存在や法違反事案の顕在化などが課題となってきた。

このような状況を踏まえ、貴会における調査審議を経て、昨年11月4日に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案」を国会に提出したところであるが、同法案は、本年7月21日、衆議院の解散に伴い廃案となったところである。

同法案提出後、我が国の雇用情勢は急激に悪化し、いわゆる派遣切りが多く発生し、社会問題化するなど、派遣労働者をめぐる雇用環境に大きな変化が生じたところである。

このため、上記の法律案において措置することとしていた事項のほか、製造業務への派遣や登録型派遣の今後の在り方、違法派遣の場合の派遣先との雇用契約の成立促進等、派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進のために追加的に措置すべき事項についても検討を行い、改めて法律案を提出する必要が生じている。

以上を踏まえ、厚生労働省設置法(平成11年法律第97号)第9条第1項第1号の規定に基づき、今後の労働者派遣制度の在り方について、貴会の調査審議を求める。

平成21年10月7日
厚生労働大臣 長妻 昭

(厚生労働省ホームページより)


■以上/宮城全労協ニュース第137号/2009年10月15日