宮城全労協ニュース/第165号(電子版)/2010年10月4日

(注)「連合」は8月19日、「エネルギー問題に関する基本方針」を初めて策定、「現在計画中の原子力発電所の新増設を『着実に進める』とし、これまで(旧総評系と旧同盟系により)内部で意見が分かれていた原子力エネルギーについて推進する姿勢を明記した」と報じられた(朝日新聞)。「これまでの政策から一歩踏み込んだ方向性が出た。具体的な議論を始めなければならない」との連合・古賀会長の発言(同日の定例会見)も紹介している。

 連合は2年ごとに資源・エネルギー関連の政策提言を行っており、そこに反映される見込みだという。

 電通労組は、このような連合の動きを批判し、「労使一体の原発推進」に抗する闘いを訴えている。


 以下は電通労組機関紙「真紅の旗」328号(2010年9月1日号)の記事から。




 連合が原発推進方針を策定
 =労使一体の原発推進を許すな!=


「<中略>・・地球温暖化対策に極めて有効な手段の一つが原子力発電であると考えています。電力総連としては、供給安定性、環境適合性に優れた基幹電源である原子力発電について核燃料サイクルも含め、その必要性や安全性について組織内国会議員との連携はもちろんのこと、友好議員の方々への理解活動や連合政策への反映に一層努力して参りたいと考えています。」

 これは、連合事務局長である南雲電力総連会長の年頭の挨拶です。

 連合は8月19日、エネルギー問題に関する基本方針を策定し、現在計画中の原発の新増設を「着実に進める」とし、これまで「重要なエネルギー源」と位置づけるにとどめていた原子力エネルギーについて推進する姿勢を明記しました。

「地球温暖化防止に向けて温室効果ガスの排出量削減が迫られるだけでなく原発の利用向上をはじめ、石油・石炭といった化石燃料によるエネルギーや、再生可能エネルギーとの最適な組み合わせが欠かせない」としています。「地球温暖化対策」といいながら、実質的な「原発推進」路線です。

「成長戦略」としての「原発輸出」など、自民党政権以上の踏み込みを見せる菅民主党政権を文字通り支え、大企業のグローバルな活動を政府と大労組が全力で押し進める「翼賛体制」といっても過言ではありません。古賀会長(パナソニック労組出身)と電力総連出身の南雲事務局長のタッグが進める労使運命共同体が、「ルビコン河を越えた」と言えます。


<日印原子力協定締結は、核拡散を進める>

 菅内閣は、原発業界や米、仏からの要請で、これまで態度を保留してきたインドへ原子力発電の技術や機材を輸出するために必要な「日印原子力協定」の締結交渉入りを決めました。

 原子力協定は、核物質や原子力関連の機材、技術などを「平和利用」を前提に移転するための法的枠組みで、日本は現在、核拡散防止条約(NPT)に加盟する6カ国1機関との協定が発効しています。核拡散防止条約(NPT)非加盟の核保有国インドへの原子力協力について、政府は被爆国ということから、NPT体制を弱めるとして慎重な姿勢をとってきました。

 菅内閣は6月18日に閣議決定した経済政策「新成長戦略」で原発などのインフラパッケージの輸出を目標の一つに掲げています。インドへの原発輸出に出遅れないようとする原発業界からの圧力を受けた方針転換であり、これが「強い経済」の内実です。

 民主党内部も連合内部も原発政策については二分していると言われていますが、今回の原発推進方針は「新しい時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」報告(前号参照・注)に見られる防衛政策の踏み込みと同様であり、「政権交代」で民主党政権が有権者から何を委託されたのか受け止められていないことは明らかです。

 原発推進で地球温暖化防止にはなりません。半永久的に残る放射性廃棄物処分に想像できなくらいのエネルギーが使われます。

 グローバル企業を支える政策でしかない成長戦略などいらない!
 原発推進に反対しよう!



(注)電通労組機関紙「真紅の旗」327号記事より。

「菅政府の危険な防衛計画!」

 菅首相の私的諮問機関である「新しい時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」の報告書が8月に首相に提出されるが、その内容は自公政権よりも一層踏み込んだ危険なものになっています。
 新安保懇報告書の基調は、冷戦時代から引きずっている「脅威論」と「軍事抑止力論」に固執したもので、中国、北朝鮮脅威に立っています。
 これまでの憲法9条のもとでの日本の防衛政策=基本的防衛力構想、非核三原則、武器輸出三原則、集団的自衛権行使の禁止、PKO参加五原則=のいずれも見直すというものです。さらに、「敵基地攻撃論」の導入や「自衛隊海外派兵恒久法」も提言しています。
 新安保懇報告書のこれらの見直しは、解釈改憲そのものであり、9条改憲に向かうのは必然です。この提言を受けて「日米同盟の進化」を表明している菅首相は、米軍抑止力依存政策を明確にして、より一層踏み込んだ軍事構築に進むようです。民主党が掲げた「東アジア共同体」はどこにいってしまったのでしょうか。
 私たちは、労働者民衆がつくりだした「政権交代」を後戻りさせ、いたずらに脅威をあおる軍拡政策に反対し、改憲阻止の取組みを訴えます。(2010年8月6日付)



■以上/宮城全労協ニュース165号(2010年10月4日)