
(注)以下は、派遣法改正を求める国会前行動と院内集会(10月25日)に参加した電通労組の仲間からの報告です。
なお当日は連合も「今国会で派遣法改正の実現を求める院内集会」を開催しています。
派遣法抜本改正をめざす秋の行動の第二弾として、11月10日、「早期に派遣法改正審議を入りを求める国会要請座り込み行動」が呼びかけられています。法案審議入りを求め、抜本改正の実現をめざして、院内外の闘いを結合していこう。
資料として「労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動」のチラシを末尾に掲載しました。参照してください。
派遣法の改正をかちとろう!〜
10・25国会前行動と院内集会
旧連立3与党による労働者派遣法改正法案は、今年3月通常国会に提出されたが審議が進まず、参議院選挙のために継続審議になっていた。菅政府がこの法案をどのように扱うのか。臨時国会での重大局面が迫っている。
政府と民主党の「消極的な姿勢」が報じられているなか、国会前の行動と院内での集会が10月25日、開催された。
「労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動」が呼びかけた国会前行動には160名が結集した。全労協、全労連、全国ユニオンなど、ナショナルセンターの違いを越えた結集で、大阪や韓国金属労組(旧韓国シチズン精密労組)からも参加があった。
挨拶に駆けつけた社民党福島党首は「提出されている法案は完璧ではないが、規制緩和を規制強化に変えていく第一歩として今国会で成立をめざそう。貧困が進む中、一ミリも変わらないのはおかしいという声をあげて闘おう!」と呼びかけた。
いくつかの労働組合からも発言があり、首都圏青年ユニオンの河添書記長は「派遣労働者は雇い止めの不安の中で声が上げられない。そのような声を国会はしっかり聞け!」と訴えた。

午後からは日本労働弁護団の主催する「臨時国会における労働者派遣法改正案の成立を求める院内集会」が衆議院第一議員会館多目的ホールで開かれ、220名が参加した。
民主党石毛厚生労働部門会議座長、社民党福島党首、共産党高橋衆議院議員など国会議員からの決意表明がなされた。
民主党の石毛えい子衆議院議員(厚生労働部門会議座長)は、「不十分なところは沢山ある。法律は道具であり使い切っていくことが大切だ。たとえば派遣先が違法派遣をすれば、みなし雇用で正規社員への道を開かせるという労働者の力が発揮されるように」「審議入りも難しく厳しい状況ではあるが、成立を図って行きたい。皆さんの闘いで国会議員を押して頂きたい」と発現した。
日本労働弁護団の水口洋介幹事長が集会の基調報告を行った。
「改正案は、登録型派遣、製造業への派遣禁止、日雇いの禁止等、派遣労働者の保護を明記したものとなっている」が問題点もあると言及し、たとえば「常用型派遣に有期派遣労働契約も許容している」と指摘した。
「常用雇用労働の定義について、厚生労働省は労働派遣事業関連取扱業務要領で、期間や形態の如何を問わず、期間の定めのない雇用としている。これでは、2ヶ月や6ヶ月など一定の期間でも雇用期間が反復・継続されている場合や、今後一年雇用されると見込まれるものも、期間の定めのない雇用と同等になると解釈できる」として、「今国会審議で確認していくことが重要だ」「一般業務(期間の定めのない業務)に就いた派遣労働者の雇い止めは違法であり、みなし雇用の対象になる」と強調した。水口幹事長は最後に「労働者保護の改正案の成立に向け、頑張っていこう」と参加者に呼びかけた。
全労連、全国ユニオン、社民党、共産党から、今国会での成立と更なる規制強化に向けた闘いと取り組みが訴えられた。全労協中岡事務局長は、「99年の法改正以降、ワーキングプアが拡大した。利益第一主義とともに、労働の多様性という欺瞞のなかで生活できる賃金と雇用が破壊されてきた。もうこれ以上我慢できないという声が政権交代を実現させたと考える。今、転換の時、規制緩和から規制強化への声を国会に届けよう」と挨拶した。
長野地区労組会議、大阪なにわユニオン、連合福岡ユニオン、グットウィルユニオン、JMIU日産支部、新聞労連、派遣ユニオンなど、全国各地から参加した労働組合の報告と闘う決意があった。それぞれの発言の一致点は、法案は不十分ではあるが規制強化の第一歩として今国会で法改正を実現しようというものであった。
7月の参議院選挙によって国会内には派遣法改正に反対する勢力が増えた。派遣業界もいち早くこの派遣法改正に反対を表明している。また東大社会科学研究会が行った派遣労働者に対するアンケートが「55%が製造業派遣禁止に反対」などという表現で報道された(このアンケートについては、設問内容や調査方法に関して異議が提起されている)。
2003年2兆円市場の「派遣業界」は、2010年で8兆円市場になっている。この利権を手放したくない輩がうごめいているのである。これらの勢力に対抗する闘いを通してしか、厳しい局面を打開できない。
「派遣法改正は派遣労働者の就労機会を奪い、失業を拡大させる」「企業の国際競争力を奪う」「労働者が自ら派遣という働き方を求めている」などというキャンペーンが執拗に続いている。日本労働弁護団はこのような「批判」に対して、厳しく反批判を行っているので、改めて参照していただきたい(*注)。また国会前で配布されていた共同行動のチラシを転載するので、あわせて利用していただきたい(*資料)。
今国会で派遣法改正を実現するために全力で闘おう!
(2010年10月26日/電通労組・日野正美)
注/「労働者派遣法規制強化反対論に対する意見」(2009年10月28日)/日本労働弁護団のホームページにて。
資料/<派遣切りを繰り返すな>
「派遣切り」は、たくさんの派遣労働者の仕事と住いを奪い、命を危機にさらしました。
私たち派遣労働者をこれ以上、いつでも切り捨てられる雇用の調整弁にするのはやめてください。
事務派遣も製造派遣も日雇い派遣も、いつ切り捨てられるかという不安に脅えながら働いています。賃金水準はさらに下がり続けています。
「一刻も早く派遣法を改正してほしい」「派遣労働者を使い捨て可能な労働力のまま放置しないでほしい」−これが派遣労働者の切なる願いです。
一方、正社員の仕事もどんどん派遣労働者に置き換えられています。正社員にとっても、安定雇用からいつでも切り捨て可能な派遣に切り替えることを可能としている現行の派遣制度は、大きな問題です。
若者の雇用を、そして未来の労働者である私たちの子どもたちが、生活できる仕事に就ける社会に、そして誇りをもって働ける社会にするために、派遣法の改正は急務です。
◎「派遣法が改正されると失業が増えるの?」それは全くのでたらめです。
雇用を作っているのは、派遣先となっているさまざまな産業、企業であって、派遣会社が雇用を創出しているわけではありません。
働く人なしで回っていく企業も産業もありません。派遣が規制されたからといって、人を雇わずに事業を運営することはできないのです。むしろ、大量失業を生み出すのは現行の派遣制度です。2008年の派遣切りがそのことを証明しました。
景気の回復に伴い、労働力を必要とする企業が派遣で人を取り始めていますが、また再び景気が悪化すれば、雇用の調整弁である派遣労働者は一斉に切られることになります。派遣切りは繰り返されるのです。
◎二度と派遣切りを繰り返させないために、今国会で派遣法改正を!
<今国会で派遣法改正を!>
今国会に提出されている派遣法改正案には、派遣労働者の権利を守るためには不十分な点があります。
■仕事があるときだけ雇用契約を結び、いつでも切り捨て可能な、「登録型派遣」の禁止の徹底を!
「登録型派遣」が原則禁止される一方、残される「常用型派遣」。私たちにとって「常用雇用」と言えば「期間の定めのない雇用」を意味しますが、残念ながら、現行の派遣法では「常用雇用」の中に「短期契約でも1年を超えて働く見込みがあるもの」も含まれてしまっています。これでは登録型派遣と変わりありません。常用型派遣は、期間の定めのない雇用に限定すべきです。
また、事務派遣は登録型派遣のまま放置されてしまいそうです。事務派遣は極めて専門性が高い業務に限定すべきです。
■「みなし雇用」制度を実効あるものに!
違法状態で働かされている派遣労働者を救済するために、偽装請負や派遣法違反で働かせていた場合に派遣先が直接雇用したものとみなす「みなし雇用」制度が新設されます。しかし、せっかく派遣先に直接雇用されても、それが有期雇用だったらすぐに契約満了で打ち切られてしまいます。「みなし雇用」は、期間の定めのない雇用とみなすべきです。
■派遣労働者への差別を禁止しよう!
「派遣先の正社員と同じ仕事をしているのに賃金は1/3」・・・派遣で働く者の大きな不満です。同じ仕事をしていたら同じ労働条件とする「均等待遇」、派遣労働者であることを理由とする「差別禁止」を明確に定めるべきです。
以上のとおりまだ不十分な点はありますが、審議を尽くして、今国会で派遣法改正法案を成立させ、派遣労働者の権利を守る派遣制度を実現してもらいたいものです。
(「労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動」のチラシより)
■以上/宮城全労協ニュース168号(2010年10月29日)

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