宮城全労協ニュース/第170号(電子版)/2010年12月6日

日米共同軍事演習に抗議しよう!

12月3日から「日米共同統合演習」が強行された。

日本が軍事攻撃を受けたことを想定した訓練であり、具体的には、弾道ミサイル攻撃に対する共同訓練と島しょ防衛の海上訓練が柱だといわれている。

沖縄をはじめ日本各地の日米基地と周辺海域・空域に日米両軍部隊が大規模に展開している(自衛隊3万4千人、艦艇40隻、航空機250機。米軍1万、艦艇20隻、航空機150機)。韓国軍が「オブザーバー参加」する点でもこれまでにない演習となっている。

自衛隊は今年から米韓合同演習にオブザーバー参加しており、日米韓の軍事一体化が加速的に進んでいる。ブッシュ前政権の敗北をこうむった米国が東アジアで次の軍事戦略を組み立てている。

韓国軍は先日までの米韓合同軍事演習に引き続き、軍事演習を継続している。これらは当然、一連の対応だ。


在日米国大使館は次のように声明し「日本の防衛」を強調した。

「大規模な演習「Keen Sword(鋭い剣)2011」は、米軍と自衛隊の共同行動の促進と相互の連携能力の改善に向け、日本の防衛のための双方の訓練のすべての要素を含んでいる。このような自衛隊と米軍の合同訓練は長年にわたり実施されてきており、今回の演習は1986年以来10回目の共同統合演習となる。日米両国は過去50年にわたり、平和・繁栄・民主主義・地域の安定という共通のビジョンの上に両国間の関係を構築してきた」。


沖縄からは軍事作戦が地域を巻き込む緊迫した状況が刻々と伝えられている。動画も配信されている。

「県内の米軍施設などでも日米の軍用機や艦船が待機し、物々しい動きを見せた。地域住民からは「異様な光景だ」「軍事強化は許せない」などの不安や怒りの声が上がった」(沖縄タイムス4日/軍事一色の島「異様」)。

「海上自衛隊岩国航空基地の第111航空隊所属の掃海ヘリコプターMH―53Eが那覇空港に飛来していることが、5日までに分かった。うるま市勝連平敷屋の米海軍ホワイトビーチでは同日、寄港していた米海軍と海上自衛隊の艦船のほとんどが出港。6日から海上でも訓練が本格化するとみられる」「一方、ホワイトビーチを埋め尽くしていた米軍佐世保基地所属の強襲揚陸艦エセックスや海自の掃海母艦うらがなど20隻以上の艦船が次々に出港、5日には海自の掃海艦など3隻までに減少した」等々(同6日)。



軍拡反対!労働者民衆の国際連帯と平和外交を!


「軍事一色・・異様な島」「基地外へ演習が拡大」「軍拡の動きを懸念する」「戦争ゲームこそ危険だ」・・。

軍事的緊張の拡大によって沖縄の基地がさらに固定化されることを、地元紙は強く批判している。


「東シナ海や日本海を「対立の海」にしてはならない。冷戦時代に逆戻りするような軍拡競争を繰り広げる愚は避けるべきだ。北朝鮮をめぐっては一筋縄ではいかない局面に入った感があるが、米中両大国は緊張緩和の糸口を探る努力をしてほしい」(沖縄タイムス社説12月5日/軍拡の動きを懸念する)。

「米国と中国は朝鮮戦争に参戦した二つの大国であり、東アジアの秩序形成に大きな影響力をもっている。「中国・北朝鮮」と「日米韓」が対立するようなことがあってはならない」(同社説12月2日/中国との「協調対処」を)。

「経済大国に成長した中国は、日本にとって重要な貿易相手国だ。/昨年11月海上自衛隊と中国海軍は捜査・救難活動で初めて共同訓練を実施することで合意した。次官級防衛当局者会議の定例化など、防衛交流を通じ戦略的互恵関係を進めることで一致している。中国脅威論は現実と乖離している」「AP通信は共同訓練を「戦争ゲーム(War Games)開始」という見出しで報じた。高価で鋭利な剣を振り回し、騒音被害をまき散らし住民を不安に陥れ、ひいては近隣諸国を刺激する「ゲーム」は危険極まりない」(琉球新報社説12月5日/「戦争ゲーム」こそ危険だ)。


日米同盟派の論客としてテレビ等で積極的に活動している森本敏は、沖縄県知事選挙結果へのコメントの中で、次のように述べている。

「仲井真氏は日米安保体制自体を否定しないが、伊波氏は安保体制そのものに基本的に反対だ。仲井真氏の勝利は安保体制に対する県民の意識の表れではないか。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件や北朝鮮砲撃事件など、在日米軍の抑止機能が必要だと感じさせる客観情勢が有利に働いた」(毎日新聞11月29日/「尖閣、北朝鮮情勢が影響」拓殖大大学院教授・森本敏)。

朝鮮半島情勢を利用して、沖縄は日米軍事同盟の「要石」だと<再認識>させようとするものだ。まさに地政学的運命なのだと。

事実をねじ曲げてはならない。日米合意に反対し、辺野古移設、県内移設を拒否する沖縄の意思こそ、県知事選挙が示したものだ。


右派・日米同盟派は「現実主義に転換せよ」と民主党政権に要求してきた。彼らはこの軍事演習を小躍りして歓迎している。菅政権は「友愛の海」の理念と発想から離れ、日米同盟派に歩み寄ることによって政権を維持しようとしている。だが、攻勢に立っている彼らのねらいは民主党からの政権奪還にある。民主党は瀬戸際に立たされている。


11月、王城寺原で米軍砲撃演習が強行された。二度にわたって着弾火災が発生した。米軍から地域住民と関係行政への連絡・説明は遅れ、県知事も抗議を申し立てねばならなかった。

このような住民無視の暴挙は今回の宮城・王城寺原だけではない。火災が起きた王城寺原も矢臼別も「演習場本土移転」は住民が望んだものではない。しかし、移転受け入れに直面させられた(強要された)住民は、沖縄の一方的な犠牲に心を痛めた。移転反対住民は各地で、沖縄と連帯する集会を組織し、意思を共有していった。沖縄からも、基地はどこでもいらないという全国キャラバンが繰り出していった。そのような連帯が積もり積もって、「沖縄での政変」と「中央政権」の交代につながっていった。

米軍による暴挙が繰り返されている。政権党である民主党への失望と怒りが深く広がっている。


沖縄の軍事基地固定化に反撃しよう!
日米両国政府に「辺野古移設」合意の撤回を迫ろう!



■以上/宮城全労協ニュース170号(2010年12月6日)