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復興構想会議が提言〜
水産業では「特区」を明記
6月25日、政府の復興構想会議(第12回会合)は「復興への提言」を公表した。構想会議は4月11日に閣議決定され、4月14日の第1回会合からスタートした。当初は年内の最終提言にいたる「第一次」のはずだったが、五百旗頭議長はこの位置づけを撤回(拒否)した。政局の先行きが見通せず、構想会議の作業が継続する保証はないからだ。五百旗頭は「先の展開は予知できない」「後は政治の場に委ねられる」と述べた。
菅首相は27日「復興対策本部」をスタートさせ、7月中の基本方針策定を指示した。
「提言」の内容よりも実現性に関心が集まっている。提言と基本方針は次の補正予算編成に直結し、菅首相の「延命」問題とからむ。「復興財源」では「基幹税の増税」が盛り込まれているが、消費税増税や民主党マニフェストの見直しをめぐる党内外の対立が立ちふさがっている。会見した構想会議の議員たちは口々に政治の実行力を求めた。
被災地に応えることのできない政治の現状を打開する策を、民主党も自民党も見出していない。延長国会の会期末である8月31日までの2か月間、「何が起きてもおかしくない」政局の混乱が予想されている。
●語られない「悲惨のなかの希望」
「復興への提言」には「悲惨のなかの希望」という副タイトルが付いている。
「『希望』は、原発事故に遭遇したフクシマの人々には、まだ及びもつかぬ言葉かもしれぬ」(第3章「原子力災害からの復興に向けて」)。人ごとのような<美文>を、わざわざカタカナで表記された福島県民は受け入れないだろう。隣県住民や「風評被害」にあっている人々も同じだろう。
故郷への帰還と生活の再開、原発廃棄の上に作られる新たな地域社会。それを提示せずに「希望」を語ることはできない。
「今回の地震と津波被害を起こり得ないものとして、考慮の外に追いやっていたのと同様の思考」、つまり「原発事故を起こり得ないものとした考え方は、その意味では地震や津波災害の場合よりも、何か外の力が加わることによって一層閉ざされた構造になっていた」。その構造を打破する意思が「提言」にはない。
「悲惨のなかの希望」は福島に対してこそ提示されねばならない。「脱原発」を提言できないで、どのような「文明的」意味があるのか。
福島県は復興基本方針に「脱原発」を盛り込む考えだと報じられている。地元と「提言」の隔たりは明らかだ。
●「提言」の内容
政策課題の羅列や両論併記的な記述が多く見られる。これでは改革が進まないとの批判も強い。所管官庁の抵抗を指摘する人たちもいる。「提言」は妥協の産物であるが、既存の体制や制度が大震災と原発事故に対処できていないことの表われでもある。
いくつか検討課題をあげてみる。
○「防災から減災へ」が大きな政策転換として提起され、ここから高台移転などの「新しい町づくり」の構想が描かれている。
26日には内閣の中央防災会議(専門調査会)の中間報告が公表された。防災政策の前提となってきた地震・津波の想定が現実と異なっていたことを「反省」し、「抜本的な見直し」を行うという。
大震災以降、過去の調査・研究や意見が再評価されている。首都圏直下型地震はいうに及ばす、東海・東南海・南海地震への対策が問われている。北海道太平洋域と沖縄に関する指摘も最近なされている。「日本海」側の対岸からの津波は対象外となってきたが、検討が迫られる。
○提言には復古調の論調と「経済特区」「規制緩和」などの政策が混然一体と同居している(たとえば「自助の精神」と、「共助」を強調する「新しい公共」とが並列されているように)。<美文>と政策課題の羅列が繰り返されている。議論が構想会議と検討部会の両建てだったことの反映でもある。個々の政策は主要に検討部会が主導したものだ。
○構造改革によって震災復興を実現せよ。あるいは、震災はTPP参加の絶好のチャンスだ。そのような主張が震災直後から経済団体、経営者、新自由主義者たちによってなされてきた。そこまで露骨な表現はされていないが、視点は随所に見られる。
○被災民衆の意見が反映されているのか。復興会議は5月上旬の三日間、被災3県を視察した。参加者名と日程が公表されているが、このような視察では被災者に分け入って現場の声を聞くことはできなかっただろう。「しょせんは東京の議論だ」との批判が出たのは当然だ。
「復興の主体を住民に身近な市町村と明記したうえ、被災地の要望を生かした提言になった点は評価したい。例えば、特区制度の創設では地元の漁協が優先的に取得できる漁業権の法人への開放などを盛り込んだ。宮城県が強く求めていた内容だ」(日経新聞社説/6月26日)。地元での強い反発は無視されている。このようにして民衆の声が消されていく。
○「エネルギー戦略の見直し」を提言しながら、原子力発電にはふれていない。「再生可能エネルギーの導入促進、省エネルギー対策、電力の安定供給、温室効果ガス削減といった視点で総合的に推進する」(第4章)。このような羅列は欺瞞である。「再生可能エネルギー推進による、日本のエネルギー構造の新たな方向を提唱した」(「結び」)とは到底、言えない。
○なお民主党は4月30日、政府に第一次提言(「課題の整理」)を提出している。提言にあたって学者、経済界など「有識者ヒアリング」が行われた。「東日本の潜在力を生かして産業を強化し、社会構造を転換する」ことが課題に取り上げられている。「民間の役割を正面に位置づける」「大胆な規制・制度の改革も含む特区制度、民間資金のノウハウ、PFI/PPP等の活用」「農業再生特区」「ハブ漁港化」など、経済界の要望が並んでいる。「新しいエネルギー社会」では「原子力発電」に触れられていない。
●突出した村井宮城県知事
復興構想会議では岩手・宮城・福島の各県知事の中で、村井知事の突出ぶりが目立った。マスコミも村井知事を岩手県知事や仙台市長と対比して報じた。村井はトップダウン的な政治スタイルを貫き、政策面でも「増税による復興財源の確保」「高台移転による職住分離」そして「水産業特区構想」などを強く主張した。村井知事は時事通信アンケートで、復興財源に消費税と回答している。
「水産業復興特区」は宮城県漁協が撤回を求めて反対したため、復興会議のとりまとめが注目された(*注1/「復興構想会議と宮城県の主な動き」を参照)。
規制緩和や特区は「提言」議論の中で合意されている。問題は、養殖水産業という特定分野の方針として記述するのか、という点にしぼりこまれていった。
5月29日、第7回構想会議は論点整理を行った。そこでは水産業特区への賛否両論が併記された。
検討部会による報告(6月4日、第8回構想会議)では、既存の枠組みでも企業が参入することは可能であるとの現状評価の上で「地元漁業者と民間企業との様々な形での連携を図るため仲介・マッチングを進めていく」とまとめられた。水産庁の意向が働いたと言われている。
村井知事は6月10日、震災3か月の記者会見で、このような構想会議の議論を批判した。水産業特区の言葉が入らなかったことについて「納得できない、遺憾だ」と述べ、さらに「特区が前提に盛り込まれても政府がやらないなら、委員を務めている意味はない」と辞任カードまでちらつかせた。翌日(6月11日)第9回構想会議に提出された「提言骨子」には従来どおり「仲介・マッチングを進め、民間資本のより積極的な導入を誘導」と記されていた。
そのような経緯を経て、最終的に「提言」では水産業に関して「特区手法の活用」が次のように追加された。
「必要な地域では、以下の取組を「特区」手法の活用により実現すべきである。具体的には、地元漁業者が主体となった法人が漁協に劣後しないで漁業権を取得できる仕組みとする。ただし、民間企業が単独で免許を求める場合にはそのようにせず地元漁業者の生業の保全に留意した仕組みとする。その際、関係者間の協議・調整を行う第三者機関を設置するなど、所要の対応を行うべきである」。
知事は記者会見で「満足だ。特区、高台移転などが受け入れられた。すべてといっていい」と高揚した面持ちで語った(条件付きの水産業特区の記述は知事を救った面も否定できないにせよ)。
御厨貴議長代理は次のように振り返っている。「漁業の特区は村井知事が強く主張した。地元に反対の意見があるが、最終的には村井さんの、とにかく新しいことをやるという主張が大きかった」(27日、NHKラジオ「夕方ニュース」)。
●「道州制の先行モデル」を東北に求める経済団体
「水産業特区」の言葉は第4回構想会議(5月10日)に提出した宮城県の緊急提言の中で登場した。
続いて第7回会議(5月29日)では「東日本復興特区の創設」を提案した。そこには8分野にわたる特区構想が示されており、水産業特区は宮城県の「東北復興戦略」の一環であり、突破口であると構想会議に突きつけた。
「(仮称)東日本復興特区」で宮城県が取り上げたのは、次の8つの「特区」だった。
1.復興まちづくり推進
2.民間投資促進
3.水産業復興
4.農業・農村モデル創出
5.交流ネットワーク復興・強化
6.クリーンエネルギー活用促進
7.医療・福祉復興
8.教育復興
(各々の「目的」「内容」は略)
経済同友会は第3回復興会議(4月30日)に提出した意見書のなかで、「道州制の先行モデルをめざし、東北地域全体を総合的に考える視点」を「復興の基本理念」の三つの柱の一つとした。同じく経団連意見書は「道州制の導入も視野に入れた自治体間協議の促進」を提起した。「道州制」は経済団体のかねてからの主張である。
同友会は産業活性化策として、「規制緩和、特区制度、投資減税、各種企業誘致策などあらゆる手段」「農地の大規模化、他地域の耕作放棄地を活用した集団移転、法人経営の推進、漁港の拠点化など大胆な構造改革」などを求めた。
宮城県の提言は、経団連や経済同友会の主張と合致している。
「復興議論」のなかで、規制緩和や特区の主張が大手を振ってまかり通ってきた。
震災のなかで、法律に従っていては救援や支援ができないという事態が多く生じた。たとえば医薬品を他の病院から「融通」することは規制違反となる。だが、治療のために、現場の判断で緊急の支援体制が組織された。貯金残高を確認しないで一律支払いを実行した郵便局もあった。被災民衆が当然のごとくとった行動の事例はいくつもある。経済界や知事が主張している規制緩和や特区はもちろん、そのようなものではない。
規制緩和や特区は近年、小泉政権が構造改革路線のために持ち出したものだった。小泉以降の自民党政権は、その「行き過ぎ」を「負の側面」として慎重姿勢に転じた。小泉改革を否定していた民主党は、政権交代を果たして後、「事業仕分け」などを通して構造改革的な視点を復活させ、そのことが党内対立の要因ともなった。このような経緯がまったく無視されている。
●「痛みは不可避」〜漁業者への攻撃
「時に痛みを伴うことは避けられない」「今が大胆な改革を行える最大のチャンス」。6月10日、震災3か月の知事の記者会見はさながら小泉流パフォーマンスだった。
津波は沿岸漁業に壊滅的な被害を与えた。県は次のように報告している。
○沿岸漁業、生産高37万トン(2009年、全国2位)、791億円(全国4位)。
○震災による被害、6528億円。09年ベースで8年分の生産額に相当。
宮城県漁協が4月中に実施したアンケート調査では「3割が廃業予定」と回答した(宮城県漁業協同組合33支所、正組合員5200人、準組合員5200人の10400人。回答者9500人)。とくに比率が高かったのは、石巻市旧雄勝町地区で800人中632人、七ケ浜町で652人中288人、女川町で555人中173人など、と報道されている。
知事が「3割」という数値を多用したのは、沿岸養殖業は従来のあり方では絶望的と強調するためだった。
漁業従事者と浜を励まし、就業復帰が可能となるように必要な財政的・制度的支援を実行すること。それが行政の責務であり、漁協との協力は必要不可欠である。
県は当初「新しい経営方式の導入」という表現を使っていた。知事は漁協への説明もなく「特区」という言葉を一方的に持ち出し、「新しい経営方式」が漁業権の従来のあり方の改変を意味することを明らかにした。漁協が怒ったのは当然だ。
漁協は、過去に大手企業が銀サケ養殖の中途で撤退した事例を上げ、「企業は利益がでなければ勝手に撤退する。雇用も失われ、豊かな海も破壊される」と主張して撤回を求めた。
「特区導入は浜に混乱をもたらすだけだ」「海には海の伝統と生活がある」「サラリーマンになれといきなり言われても無理だ」。漁協の抗議に対して知事は「撤回しない」と拒絶した。
さらに知事は「必要なら(企業と漁協を)仲介する」と言い出し、企業への打診が具体的に進められていたことを匂わせた。漁協はいっそう反発を強めた。
知事は全国紙等の支持を利用しながら、漁協との対立構造を意識的に作り出していった。小泉政権による「郵政民営化」攻撃の再演だった。漁協は漁業権にしがみつく既得権益団体であり、改革に背を向ける抵抗勢力だと印象付けられた。
新聞やテレビやネットでは「単なる復旧ではだめだ」「選択と集中が必要」などの言葉が飛び交った。<TPPに対応した東北の農林水産業>という主張が極めつけだ。
震災直前までの半年、東北の農業・漁業の現場からTPP反対の声が強く上がっていた。TPP推進論者にとって、震災は東北の抵抗を弱体化させる「絶好のチャンス」となった。壊滅的打撃をおった養殖業や仙台平野沿岸部などの農業は格好の「集約」対象である。
積極推進派だった前原前外務大臣は昨秋、「1.5%のために98.5%を犠牲にすべきではない」と発言し、怒りと失笑を買った。その1.5%も、生き残るためには国際競争に勝たねばならないという。勝利者となるのは、ごく一部の生産者と産品に限定される。まして大企業が参入すれば、加工・流通・販売網を駆使した大規模経営によって圧倒的多数の生産者が「淘汰」されるだろう。
●被災漁業者とともに!
「提言」の三日後、水産庁は「水産復興マスタープラン」を発表した。そこには早くも「特区」の文言が記され、「必要な地域では地元漁業者が主体となった法人が漁協に劣後しないで漁業権を取得できる取組等を具体化」と構想会議「提言」の内容が盛り込まれた(注2)。
水産庁は翌29日、被災地域の水産業への参入希望に関する「緊急調査」の結果を公表した(*注3)。それによれば、回答した41企業のうち、被災3県への参入希望は14社、検討予定が22社だった。水産庁は「生産面への参入のみならず、加工分野や販売流通分野なども含めた一貫の事業として参入することを希望する意見」があったとコメントしている。
村井知事は28日の会見で「提言を重く受け止めたもの」と水産庁の方針転換を歓迎した。知事はまた、「特区を使わず企業参入が実現できるなら、それが最も望ましい」、漁協、企業、漁業者の3者が「納得する形」があれば「あえて特区を活用する必要はない」とも述べた。「落としどころ」という知事発言が憶測を呼んでいる。7月の宮城県復興会議が次の焦点となり、県と国は工作を進めるだろう。
国と県は何よりも地元漁業者の声を聞かねばならない。知事の独断専行の政治姿勢は認められない。
もちろん高齢化と後継者難は深刻であり、食生活での魚離れも歯止めがかからない。生産、流通、消費に新基軸を求めようとする漁業者たちも多い。オーナー制など様々な取り組みも始まっている。
三陸の養殖漁業は挑戦と努力を重ねてブランドを築いてきた。エコロジーへの関心も並大抵ではない。略奪型では長続きしないことは漁業者が一番知っている。「職住分離」「高台への集団移転」に対して「地元を知らない者の計画」との批判や慎重意見が出ている。それは「海が職場」という理由だけではない。高台の森林を破壊することによって豊かな海を失う危険性を、漁業者たちが深く憂慮しているからだ。
被災漁業者たちの困難と苦闘が続くなか、6月5日、気仙沼の「森は海の恋人」植樹祭が、岩手県一関市室根町に場所を移して実施された。「犠牲者の鎮魂と海の復興」がテーマに掲げられた。例年を上回る1200人が全国からかけつけた、と報道された。
「77年前の大火の恩返し」として、函館から三陸へ漁船228隻が寄贈される、岩手県久慈港に向かっているとの報道もあった。宮城県のいくつかの浜では漁が再開された。気仙沼ではカツオの競りが始まった。これらこそ復興への確かな一歩であり、被災民衆を勇気づけるものだ。
被災漁業者たち、港と浜で働く労働者たちは、政治への怒りと行政対応への批判を抱えながら、文字通り創意工夫をこらして漁業再開と生活再建に向けて歩み始めている。水産業は農業・林業とならんで、精神的にも被災地復興の大きな鍵を握っている。県は農地集約化の特区を打ち出しており、水産業特区の行方が農業に与える影響も大きい。漁業者の分断と特区の推進に反対していこう。(2011年7月3日)
(■注1)「水産業特区」についての宮城県と復興会議の主な動き
○4月11日、宮城県、復興素案を公表。
「新たな水産業の創造」。「家族経営など零細な経営体の共同組織化や漁業会社など新しい経営方式の導入を進め、経営の安定化・効率化を目指す」。「特区」の表現はまだ出ていない。
○4月23日(第2回復興構想会議)〜村井知事の主張
「復旧再生期における国の直営化(必要経費の直接助成)〜漁船漁業・水産加工業」と「民間資本と漁協による共同組織や漁業会社など新たな経営組織の導入〜沿岸漁業・養殖業」。「水産業集積拠点の再構築と漁港の集約(漁港を3分の1ないし5分の1に!)」。
○4月30日(第3回会議)〜経済3団体の意見書
○5月10日(第4回会議)〜村井知事の「緊急提言」
水産業の早期復興策〜@水産業の国営化、A水産業復興特区の創設。「国営化」の内容は、水産加工工場向けと漁船・養殖施設向けの「水産業再構築支援事業」であり、基金などを通じた国の資金助成を求めるもの。
○5月29日(第7回会議)
*村井知事は「(仮称)東日本復興特区」の創設(8項目)を提案。
*会議では「これまでの審議過程において出された主な意見〜復興構想7原則と5つの論点」が提出され、「水産業」では「特区」について複数意見も列記。
・水産業の再生へ向けて、漁業と水産・流通・加工業の一体的な整備や漁協による漁業の株式会社化・共同事業化、「水産業復興特区」の創設等を検討すべきである。
・漁業の再生のためには、漁業権を外部の者に開放するなど、日本独特の漁業権や漁協中心の仕組みを見直す必要がある。
・漁業権は、漁村のコミュニティの伝統的、保守的な権利の体系であり、その開放には十分な議論が必要である。
・水産業の再生に当たっては、コミュニティを基盤とした漁業を高付加価値化により維持するという視点も必要である。
○6月3日、宮城県復興会議(第2回会合)を東京で開催、第一次案(事務局原案)提出、委員からの注文多数。
○6月4日(第8回会議)〜検討部会における検討の状況について(飯尾部会長提起)
*「漁業権への民間企業の参入について」
1.現行の漁業法上、株式会社を含め、地元外の民間企業が漁業権の免許を受けることは既に認められており、地元と調整を図った上で、実際、様々な形で養殖業等に参入。
(*)漁業権:沿岸域(通常岸から3〜5kmまで)で養殖業、定置漁業等を営む権利。
2.例えば、
@民間企業が直接免許を取得し参入
A地元漁業者が営む法人に民間企業が出資
B民間企業が地元漁協の組合員となって参入、など
(これらの形で参入した民間企業は、資源管理・漁業所得補償などの様々な漁業施策の対象となっている)。
3.今後とも、国と地方公共団体が連携して、地元のニーズや民間企業の意向を積極的に把握し、地元漁業者と民間企業との様々な形での連携を図るため仲介・マッチングを進めていく必要。
○6月11日(第9回会議)〜御厨議長代理による「提言」骨子(たたき台)の提案
*「沿岸漁業・地域」
「沿岸漁業については、漁協による子会社の設立や漁業者による共同事業化により、漁船・漁具等の共同化や集約。小規模な漁港は、周辺の漁港との役割分担や漁業集落のあり方と一体的な検討を行い、必要性の高い漁港から復旧・復興に着手」。
「業業の再生のため、地元漁業者と民間企業との様々な形での連携に向けた仲介・マッチングを進め、民間資本のより積極的な導入を誘導」。
○6月17日、宮城県第一次案公表
○6月25日(第12回会議)〜構想会議の復興提言
○7月13日、宮城県復興会議(第3回、東京)〜第2次案についての議論
○8月(予定)、宮城県復興会議(第4回)〜意見のとりまとめと最終案の説明
(■注2)水産復興マスタープラン(水産庁、6月28日公表)からの抜粋
<6.漁業経営>
(新たな経営体の形成・発展支援)
(5)現行の漁業法においても、株式会社も含め、外部の民間資本が漁業権の免許を受けることは既に認められているところ、地域の理解を基礎としつつ、国と地方公共団体が連携して地元のニーズや民間企業の意向を把握し、地元漁業者と技術・ノウハウや資本を有する民間企業との様々な形での連携に向けた仲介・マッチングを推進。
また、東日本大震災復興構想会議の提言において、「特区」手法を活用した取組が盛り込まれたことを踏まえ、必要な地域では地元漁業者が主体となった法人が漁協に劣後しないで漁業権を取得できる仕組み等の具体化を図る。
(■注3)水産庁「水産業への民間企業の参入希望に関する緊急調査の結果」(6月29日公表)からの抜粋
<調査対象>
東北3県(岩手、宮城、福島)の水産主務課、漁業協同組合連合会(漁連がない場合は県域の漁業協同組合)、既に漁業・養殖業に参入している企業のほか、流通関連業者等を対象にアンケート送付。(回答率77%、61社中47社)
<主な調査項目>(略)
<調査結果>
1.県(略)
2.漁連・漁協
(ウ)水産業への民間企業の参入についての各種政策や制度面も含めた意見・要望。
・現行制度の枠内で事業展開を企業と共同実施することは1つの考え方である。
・生産は漁業者が行うべきである。
・民間企業の参入には反対。
・安易な民間企業の参入には懸念がある。
(その他、略)
3.企業
(ア)水産業の復興に当たり、水産業に参入する希望があるか。
・ある 14件
・検討中又は今後検討 8件
・ない 19件
(イ)希望がある場合の具体的な内容。
・生産分野 12件
・加工分野 11件
・販売・流通分野 6件 (※数字は延べ件数)
(ウ)水産業への民間企業の参入についての各種政策や制度面も含めた意見・要望。
・民間企業の参入については国としての政策が必要である。
・復興のためのインフラ整備や地元との調整は行政が行う必要がある。
・被災した地元漁業者と民間企業が共同で事業を行う仕組みが必要。
・養殖業における宮城県知事の特区構想は有効な手段。
・民間企業の参入は比較的スムーズに行われているが、地元の同意を得るのに多大の努力が必要。
・被災地域の企業への支援制度が必要。
<まとめ>
「 調査結果にあるとおり、水産業への参入希望調査について41件の回答があったうち、参入の希望があると回答したものは、「検討中又は今後検討」を含めると22件(54%)でした。
また、参入を希望する分野については、生産面への参入のみならず、加工分野や販売流通分野なども含めた一貫の事業として参入することを希望する意見がありました。
このほか、現行の政策や制度に対する意見・要望として、民間企業の参入を懸念する声が漁連・漁協から寄せられる一方で、企業からは、行政による地元との調整や国としての政策が必要であるとの意見がありました」。
■以上/宮城全労協ニュース198号(2011年7月3日)

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