宮城全労協ニュース/第214号(電子版)/2012年2月10日

寒波襲う被災地〜
2月19日、仙台で集会




先月からの豪雪が過疎地帯で再び悲劇をもたらしている。多数の高齢者が雪下ろし中に転落して命を失った。降雪量は自治体の現場能力を超えており、除雪や高齢者宅への支援は後手に回っている。

一年前も同じだった。国の施策は全く改善されていない、あるいは絶望的に間に合っていない。「永田町」からも「霞ヶ関」からも、豪雪・過疎地帯の人命と生活を守り支援するという緊迫した姿勢は伝わってこない。対応力を失っており、意識上からも放り投げているといったほうがいい。震災被災地の「復旧・復興」に対しては「ビジネス・チャンス」を強調する経済界や評論家たちにとって、もっぱら政争の口実として「人災」を持ち出す政治家たちにとっても、豪雪・過疎地で高齢者たちが雪中に転落して死んでいく現実は別世界のようだ。

(そのような場所に住んでいる人たちの自己責任である、税金をそのような限定された分野に使うのは逆差別であるという主張を、いろんな場できくことができる。)


同じ時期、東北地方の太平洋側は厳しい寒波にみまわれた。宮城県内沿岸部の仮設住宅では水道管の凍結が相次ぎ、何日もトイレや台所、風呂が使えないという事態に陥った。県にも1月末までに1500件の連絡があったという。石巻市と気仙沼市では各々、問い合わせが連日100件から250件にのぼった。

宮城県は批判されていた仮設住宅の防寒対策の遅れについて、1月18日に工事が完了したと発表した。県は続いて、駐車場の舗装や排水側溝などの工事を3月上旬までに完成する予定だとしていた。そこに断続的な寒波が襲った。県は2月3日から、2万6千戸の仮設住宅に対して、凍結防止の緊急工事を開始せざるをえなくなった。

県にも、実際に工事を担当する企業・業界にも事情はあるだろう。しかし、県の基本的な構えが、被災民衆の生活、人権、民主主義とは離れていることが問題なのだと何度も指摘せざるをえない。宮城県は先月末、一つを除く全市町村とともに1回目の特区申請を国に提出し、認められた。県は8分野の「特区」をかかげてきたが、最初の申請は「民間(企業)投資促進」であった。宮城県の姿勢がここに示されている。今年、宮城県の「復興元年」の出発は、実に、トヨタ自動車に感謝状を贈ることから始まっている。

(宮城県との対比で岩手県政について見解を述べるわけではないが、岩手県の最初の特区申請は「保健・医療・福祉特区」であった。)


2月10日、復興庁が正式発足した。本庁は東京にあり、復興局が盛岡、仙台、福島3市に設置され、各30名程度の職員が配置される。宮城県内では「石巻市と気仙沼市に支所を設け、各3人の職員を置き、業務を始めた」と報道されている。野田内閣と各省庁は、この程度の陣容で被災地を理解・把握することが可能だと思っているわけだ。東松島市から(?)北上して岩手県境に達する地域を担当する国の職員がわずか6人である。これでは「被災自治体と国をつなぐ一元的な窓口の役割」さえ、無理である。法律が期限を定めた10年間、被災者・被災地とともに生きる国の職員(それは労働者たちであるはずだ)を多数、送るべきである。


また厚生労働省は失業給付の再延長をストップした。3県で1月から2月にかけて4千人が対象になる。失業給付延長措置から再就職支援施策へのステップに移行すると、厚労大臣は言った。だが厚労省の実際の関心事は、財源やいわゆる「モラル・ハザード」ということではないか。「復興特需」や「民間投資促進特区」では、このステップは埋まらないことを、厚労大臣は理解しているのだろうか。被災地雇用を復活することが必要だ。何よりも沿岸部の水産加工業の再開である。水産関連雇用で地域が成立してきた。女性雇用の大きな落ち込みは、地元の水産加工業が復旧していないことを示している。その方策が出せないなら、失業給付を継続するのが国の当然の責務である。





(注)宮城全労協は2月19日、震災一周年を前にした集会を仙台市で開催します。集会案内状から転載します。




 まもなく大震災から一周年を迎えます。

 私たちはこの間、被災者の生活再建、地域社会の再建のために活動してきました。
 地震・津波・原発の被災者の方々とともに、長期にわたるだろう「復旧・復興」の道を歩む決意です。一年を振り返り、また次のステップに向う出発として、集会を開催します。


<福島県大熊町から>

 福島県大熊町の前町議会議員であり、昨年秋、町長選挙に立候補した木幡仁さんを迎えます。
 木幡さんは、「放射能汚染の厳しい現実を直視し、『地元には帰れない』という事を前提とした新たな取り組み」を訴えています。

<宮城県東松島町から>

 地震・津波の被災住民の方々から発言をいただきます。全国からの応援・協力の中で、養殖漁業や福祉事業の再開など、地域の再建のために奮闘してきました。
 いま東松島では「みんなの夢を乗せて『走れ!仙石線』」をスローガンに、子ども達を中心にした「夢ハンカチ」運動が広がり、3月10日の地域住民イベントに向けて動き出しています。


 皆さんのご出席を呼びかけます。



〇大震災から1周年を前に、
 地震・津波・原発からの復旧・復興をめざして

〇日時:2012年2月19日(日曜)午後1時開会

〇場所:仙台青葉カルチャーセンター

 仙台市青葉区一番町2−3−10
 南町通り(東一番丁と二番丁の間の通り)


<講演ならびにアッピール>

木幡  仁さん(福島県大熊町・前町議会議員)

伊藤壽美子さん(NPO法人・寿美ちゃんの家 代表)

高橋  洋さん(東松島<長石のかき>復興プロジェクト)

映画「宮城からの報告〜こども・学校・地域」の紹介


<集会主催>宮城全労協




■以上/宮城全労協ニュース214号(2012年2月10日)