宮城全労協ニュース/第221号(電子版)/2012年4月8日

電通労組が春闘ストへ


(注)電通労組は3月14日、宮城支部をはじめ全支部で春闘ストライキに立ち上がりました。4月4日には第二波ストライキをもって「けんり春闘」の首都圏総行動を闘いました。以下は3月14日、ストライキ支援にかけつけた神谷哲治さん(東京在住)からの寄稿です。



写真:
◎3月14日、NTT東日本・本社前
◎4月4日、日本郵政・本社前(12けんり春闘総行動については電通労組ホームページに報告が掲載されています)

[寄稿]

賃下げ・権利剥奪に抗し、職場から闘いぬく〜

被災者と共に脱原発を!野田政権との対決へ!
生活再建・復興連帯闘争勝利!



<NTT東日本本社前で3労組共同のスト集会>


●全支部で始業時から時限スト


 3月14日電通労組は、春闘要求の実現を迫り、青森から首都圏までの全支部で始業時間からの時限ストライキを決行した。

 要求は19項目。一律3万円の賃上げ、NTT東日本グループ内全労働者の最低賃金1200円以上、正規、非正規問わず時給200円以上の賃上げ、成果主義賃金制度の撤廃、50才雇用選択制度の廃止など。

 これらに加え、今年は特に労働安全確保要求の中に、請負・下請け先も含めた全労働者の被曝労働防止措置に関する具体的要求が加えられた。この点は、被災地の通信インフラ復旧をになうNTT東日本グループの労働者にとって極めて重大な要求であり、電通労組が震災直後から、事態認識の甘い会社を追及しつつ精力的に独自施策を求めてきた問題だ。

 これらの要求に対しNTTが当日までに示した回答に、実のある内容はほとんどなかった。賃金部分に関してはゼロ回答。被曝防護に関しても、NTTとして独自には一歩も踏み込もうとしていない。破綻が明らかな11万人リストラ、すなわち50才雇用選択制度に関してはさすがに見直しを表明せざるを得なくなっているが、その具体的内容となると言を濁して逃げ回る状況だ。そしてこれらすべての背後に、経営に先立って労働者を押さえつける役割を果たしているNTT労組(以下N労)の存在があることもはっきりしている。

 この日のストライキはまず何よりも、労働者の生活と権利に対するNTTのこの敵対姿勢に対する、さらに公共サービスを担うに足る事業体への体質転換を求める、断固とした闘争の対置であり、労働者にのしかかる資本の権力を無にする労働者の集団的行動を徹底的に追求する、という闘争宣言だ。

 同時にこのストライキは、先に触れたようにNTTの労働者抑圧経営に異を唱えるどころか率先協力してきた、グループ内圧倒的多数組合であるN労指導部の路線に対する、行動として具体化された別の道の対置であり、その対置を通した、N労組合員への、共に闘おうとの呼びかけでもあった。

 まさにその観点からストライキは、東日本NTT関連合同労組(N関労東)、東京労組NTT関連合同分会との共同の闘争として準備された。そして、ただ一つのストライキすら配置することなく設定された、N労もその有力組合として連なる連合の集中回答日に照準を合わせて対置された。


●差別的労務政策をきびしく糾弾


 このように組織されたストライキの中で首都圏の行動は、午前8時半を期してNTT東日本本社前に結集した三労組のストライキ労働者による、共同のストライキ突入総決起集会として貫徹された。集会は、各労組の旗が立ち並び、スト決行中という大きな横断幕が掲げられる中で始まった。

 まず最初にストライキ労働者を代表して、各労組当該支部から決意表明。N関労東東京支部奥園委員長は、9兆5千億円にのぼる潤沢な内部留保を積み増しし、その上株主には手厚い配当で応えているNTTが、労働者には10年間継続的な賃金削減で臨んできたことを糾弾、第二波、第三波とストライキを構えて引き続き闘うと決意を明らかにした。

 電通労組首都圏支部の緒方委員長はまず、東北から強制配転された労働者を震災に際しても地元に帰さないNTTの差別的労務政策を厳しく指弾した。その上で、労働者の権利回復に加えて、竹中・小泉の構造改革が壊した公共サービスの立て直しも含めて、東北の仲間と共に震災復旧をになうべく、配転者を東北に返す闘いを全力でやり抜くと決意を述べた。

 全国一般東京労組NTT関連合同分会の仲間は、3月8日に第一波のストライキを決行したと報告した上で、労働者の尊厳と権利への攻撃をほしいままにしている資本に対して共に連帯した闘いを作り出すと決意を明らかにした。

 次いで、中岡全労協事務局長、三沢練馬全労協副議長、寺本大阪教育合同労組副委員長が各々連帯あいさつ。

 中岡さんはまず、けんり春闘の柱として、復興、非正規の仲間の均等待遇、大幅賃上げをあらためて確認。その上で、昭和シェル労組も同時刻にストライキに立ち上がっていることを紹介し、翌日以降郵政、中小と続くストライキをさらに膨らませて、賃下げ攻撃、原発再稼働にひた走る大資本、野田政権と対決するストライキを作り上げようと呼びかけた。三沢さんは、民衆の生活改善のためには大企業から出させる以外の道はないと提起し、そのための連帯をめざすと決意を語った。寺本さんは、公然たる労組攻撃、思想弾圧をあらわにしている橋下にノーを突き付ける闘いは、労働者こそがになわなければならないと決意を述べた。そしてその闘いの一環として、3月16日に市庁舎前労働者集会を設定したと報告した上で、そこに関東からも駆けつけてほしいと訴えた。

 これらの発言を引き継ぎ、N関労東の奥山委員長、仕事と介護の両立可能な転勤を求めて闘っている保阪さん、電通労組の日野本部書記長各々が、集会での各発言を総括する形でさらなる闘いの決意をあらためて確認した。そしてその決意を込めて、腹の底からのシュプレヒコールを本社ビルに響かせ、この日の行動は終了した。


●連合と対極の運動めざして


 大きな交差点のすぐ脇で続けられた集会には、通勤してくるNTT東日本本社の労働者ばかりではなく、行き交う人々からも、また信号待ちする人たちからも、かなりの視線が注がれていた。若さが目立つそれらの人たちは、ストライキの経験はおろか、それを見聞きしたこともおそらくほとんどないと思われる。その若者たちが示した注目は、どのような規模であれ今こそ労働者の決然とした闘いを、そしてその中核としてのストライキを、意欲的に突き出すことの重要性を告げているように見える。

 対比的にストライキなど端から考えていないように見える連合は、無惨な集中回答を唯々諾々と受け取るはめになっている。この連合は昨年一年、脱原発要求への実質的敵対、派遣法抜本改正要求への裏切り、有期規制への裏切りと、単なる裏切りを超えて、労働者民衆に対する抑圧装置への性格純化を続けざまに明らかにしてきた。今回の集中回答の結果は、その純化の過程が一つの節目に達していることを示すもの、と言わなければならない。

 連合の対極に新しい労働者の運動を作り上げる課題はまさに切迫したものとなっている。紛れもなくその意志を込めてストライキに立ち上がった電通労組は、今春闘の中でもその闘いの先頭に立つ決意を固めている。(神谷哲治)



■以上/宮城全労協ニュース221号(2012年4月8日)