宮城全労協ニュース/第227号(電子版)/2012年7月8日

労働局への申し入れ



 宮城全労協は宮城労働局に対して以下の申し入れを行いました。労働局との議論の場は別途、設定されます。

 なお最低賃金の「目安」作業は、6月下旬から中央審議会で始まっています。2年前「雇用戦略対話」での合意は大きな注目を集め、それ以降、政権交代の真価が問われてきました。しかし、民主党政権の後退・弱体と「生活保護」制度への自民党の攻撃が強まるなか、最賃審議はあやうい状況にあります。宮城地方審議会は今週、第一回審議会を開始します。




<資料/宮城労働局への申し入れ(2012年7月3日)>


 昨年3月11日の東日本大震災以後、私たちは被災地の労働団体として、解雇された労働者や休業を命じられた労働者の権利問題に積極的に取り組んできました。甚大な被害と極度に困難な状況のなかでの貴労働局の取り組みに敬意を表するとともに、労働行政の震災対応と関連する以下の諸点につき、今後の労働者保護行政のためにも明確な回答をいただきたく申し入れます。


1.労働基準法第20条、解雇予告手当除外認定に関連して

 
 震災以後、20条但し書き「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となっ た場合」を根拠に解雇予告手当除外認定を受けた事業所が多く存在しますが、各地の労働基準監督署が被解雇者からの事情聴取等、必要な調査を行わないまま、 除外認定を与えたこと及び認定後に「事業の継続が不可能となった場合」に該当しない事実が判明しても除外認定の取消しを行わなかったことについて、見解を 明らかにしてください。
 

2.労働基準法第26条、休業手当に関連して

 震災以後、電気・水道・ガスの供給が止まり、一定期間事業活動を休止した事業所が、労働者に休業を命じたまま一部の労働者で事業を再開したにもかかわらず、休業者に対し「使用者の責に帰すべき事由による休業」ではない、として休業手当を支払わないケースが多数存在しましたが、こうした場合の指導基準について明らかにしてください。


3.雇用保険失業給付の特例措置に関連して

 この制度を利用して休業給付を受けた労働者が元に復帰した場合、休業する以前の雇用保険者期間が帳消し(リセット)されることについて、当事者がハローワークから説明してもらえなかったという報告が行われています。この点について事実を明らかにしてください。

 また、復帰後の年次有給休暇付与日数の取扱いについて、見解を明らかにしてください。


4.雇用保険の未加入者に対する失業給付について

 震災後、労働行政は対処策として前記3の特例、「雇用調整助成金に係る特例」、「延長給付に係る特例」を紹介していましたが、雇用保険の未加入者でも要件を満たせば失業給付が可能な点について紹介しませんでした。もし行政庁が紹介していれば、受給できた失業者が多数に上ると思われます。この点について見解を明らかにしてください。


5.生活保護受給への攻撃と「被災地の最低賃金の規制緩和」の動きについて

 芸能人の家族の「生活保護不正受給」問題を利用して、「扶養義務」の拡大解釈による不正受給の摘発を求める動きがあります。この問題に関する厚生労働大臣の発言は非常に危ういものであり、生活保護を受給すべき人々への不当な差別や攻撃を利するものです。そのような動きは、札幌市の「姉妹餓死事件」が突き付けた生活保護行政の強化という切実な課題に逆行するものです。

 また、最低賃金に関して昨年、被災地では全国最低レベルの引き上げにとどまりました。被災地の最低賃金の大幅な引き上げが求められているにもかかわらず、「被災地での最低賃金の規制緩和」を求める声があります(「雇用政策の手本を被災地で」日経新聞2月21日社説)。これは事実上、被災地の最低賃金を引き下げるという「最賃特区」の要求であり、認めることはできません。

 上記2点について、見解を求めます。


(以上/宮城全労協)

 (引用文訂正について)
申し入れ一項目、労働基準法第20条但し書きの引用文に誤記がありましたので訂正しました。


■以上/宮城全労協ニュース227号(2012年7月8日)