宮城全労協ニュース/第246号(電子版)/2013年7月22日

参議院選挙と全労協大会への報告


 参議院選挙が終わった。自民党の大勝により、自公両党による安定政権が復活した。「希望の3年」という言葉が登場している。少なくても今後3年、国政選挙はないとすれば、自民党は衆参の多数議席を背景に「決められる政治」を貫いていけばよい。経済・社会政策のみならず「憲法改正」実現の道をさぐっていけ、ということだ。そのような「安倍本格政権」との対決が、この夏から始まる。


 比例区で闘った山城博治さん(沖縄平和運動センター事務局長)は、「民意が大切にされる政治の実現のために身体を張って奮闘し、基地のない平和な日本・沖縄を実現するために頑張っていきたい」と奮戦した。山城さんの思いは、残念ながら議席には届かなかった。宮城全労協は東北全労協とともに、昨年秋以降、二度にわたって山城さんを仙台の集会に招いてきた。「大震災被災地は沖縄と連帯する」。私たちは、沖縄の民衆闘争の先頭に立ち続けてきた山城さんに敬意を表し、今後いっそう宮城・東北の地から沖縄反基地・平和運動に呼応していこう。

 沖縄選挙区では糸数慶子さん(沖縄社会大衆党委員長)が大接戦の末に勝利した。自民党県連は普天間基地問題で安倍政権と異なる主張をした。その沖縄に安倍首相ら幹部たちが大挙して押しかけ、「これ以上できないという選挙を展開し」(石破幹事長)沖縄議席の奪還をはかった。糸数さんは大攻勢に抗して「平和の一議席」、沖縄革新の議席を守りぬいた。「(走り回って)5キロもやせた」という(沖縄地元紙)。当選の翌朝、「県民が示してくれた民意を胸に、堂々と誇りを持って立ち向かっていく」と決意を語った。



 以下に掲載するのは、今年度の全労協第25回定期大会に向けた宮城全労協の報告です。

 また先月、フランスの仲間が宮城と福島を訪れた際の被災地訪問記が、同行した宮城全労協組合員から寄せられています。順次、掲載する予定です。



<全労協定期大会への報告(宮城全労協)2013年7月5日>

 
 野田政権から安倍政権への政局転換の一年、私たちは沖縄反基地闘争との連帯、TPP参加と消費税増税反対、最低賃金大幅引き上げの要求と労働規制改悪反対などに取り組んできました。反動的な諸政策がいっそう強まることが予想され、安倍政権に抗する活動展開が問われています。

 宮城全労協は前年度に引き続き、大震災からの復旧・復興活動に全力を注いできました。視察ボランティアへの参加など、全国の皆さんのご支援・ご協力に感謝します(なお宮城全労協の一年の活動報告は「宮城全労協」ホームページを参照してください)。



 安倍首相は衆議院選挙に続いて参議院選挙を福島からスタートさせました。「復興プログラムの実現」にとって「参議院での自民党の不確かな状態が障害となっている」。首相はこのように福島を踏み台にして自民党圧勝を訴えました。「安全神話に寄りかかり、原発政策を推進してきたことへの深刻な反省」と言いつつ、原発再稼動とプラント輸出は安倍政権の最重要政策の一つです。福島での第一声は大震災の政治利用であり、被災地・被災者への挑戦です。

 安倍首相は「現場主義」「言葉ではなく実行」と復興政策の転換を強調してきました。しかし、多くの場面で復興政策の行き詰まりが顕著になっています。政府・与党が考えていたほど、復旧・復興は安易なものではなかったということです。ところが安倍政権は謙虚に反省し、熟考して出直すという姿勢ではなく、ひたすら「一歩ずつ前進している」と言い続けています。

 人事一新された復興推進委員会の伊藤元重委員長、就任後初めて石巻市などを訪れた日銀黒田総裁ら現体制のトップたちは、安倍首相にならうように、この現場無視の言葉を繰り返しています。復興庁幹部職員と自民党政策責任者の「暴言」(つまり本音)、復興予算の流用など、とんでもない事態が続いているにもかかわらず、また原発・原子力施設をめぐる不祥事、でたらめ、情報隠しや「原発ムラ」の暗躍がいくつも発覚しているにもかかわらず「復興は着実に前進」と強弁し続けています。

 日本経団連会長は6月、事故後初めて福島第一原発を視察しましたが、反省と謝罪はありません。「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと、原子力行政はもっと胸を張るべきだ」という3・11直後の発言は訂正されることなく、いまも日本財界トップ発言として生き続けています。
 
 復興予算の全国的流用の一方、被災地では巨額の予算や交付金などが執行されずに積み残されています。自治体職員不足は続き、「国土強靭化」が建設業界等の被災地離れをもたらしつつあります。復旧・復興をめぐる格差、雇用の「ミスマッチ」や住民と行政の対立も深刻化しています。それらのツケは仮設住宅などで避難生活を送る被災者たちに集中しています。

 安倍政権は政権交替直後、復興予算を増額させたと自画自賛しましたが、宮城県では財政難を理由に被災者の医療費支援が打ち切られ、年金暮らしや失職被災者たちが病院に通えないケースが大きな問題になっています。

「重苦しい空気は一変した」という安倍首相の言葉は被災地の現実とはかけ離れたものであり、そのごうまんさが復興参事官や政調会長らの言動の源になっています。

 このような状況のなか、私たちは政府・与党の復興政策に異議をとなえ、被災者・被災地の「分断・分離」に反対しながら「被災者が主人公の復旧・復興」を貫いていきます(7月5日)。



■以上/宮城全労協ニュース246号(2013年7月22日)