宮城全労協ニュース/第258号(電子版)/2014年1月9日
激戦の名護市長選(1月19日)
〜重要選挙が続く2014年




 安倍政権2年目、今年実施される地方選挙は統一地方選挙(2015年春)の「前哨戦」と位置付けられるが、1月19日の沖縄県名護市長選を皮切りに、政権運営に影響を与える重要な選挙が続く。

 被災地でも多くの自治体首長と議員選挙が予定されている。「現職落選」が続く福島では県知事選挙が実施される。



激戦の名護市長選(1月19日)、後半には沖縄県知事選
〜「辺野古新基地」建設反対の声を全国で!


 安倍政権は「辺野古基地建設」に向け、自民党沖縄県連所属の5名の国会議員に「変節」を強要、露骨な「アメとムチ」によって「環境を整え」、県知事の政権礼賛と「埋めて承認」発言を引き出した。1月19日の名護市長選に向けて保守系候補を一本化させ、市長奪還を果たすべく攻撃を強めている。

 名護市長選では「辺野古移設・新基地建設」をめぐり激論となっているが、既存メディアの関心はあまりに薄い。地元紙は「1997年の日米合意で同問題が浮上してから、候補予定者が「賛否」を鮮明に主張して争うのは初めて」と評した(沖縄タイムス「辺野古で対立/名護市長選候補予定2氏討論」1月8日)。

 那覇市議会は6日、辺野古移設断念と基地負担軽減を求める意見書を採択した。与党系議員は野党系議員を倍する議席を占めているが、その多数が賛成した。県民の怒りが示されている。自民党本部は賛成した所属議員の処分検討に入ったと報じられている。

 9日、沖縄県議会(臨時会)議場は知事に対する県民の抗議の声に包まれた。沖縄県知事の任期満了は12月9日。政治状況は予断を許さないが、安倍政権の浮沈に関わる大きな対決の場となるだろう。



安倍政権への反撃の場に/都知事選(2月9日)


 東京都知事選は1月23日告示、2月9日投開票の日程が決まった。

 疑惑追及をかわせなかった前知事は後ろ盾の支援者からも見放され、辞職に追い込まれた。安倍政権は、知事の疑惑と辞職に責任を負うべきだが、現実はそうはなっていない。

 発端は当時自民党所属であった徳田議員陣営の選挙違反であり、その徳田議員からカネが渡っていたという「事実」の発覚が知事の疑惑の始まりだった。しかも、自民党は都議会で事実上の与党であり、安倍政権は昨夏、2020年東京五輪招致の前面にたって猪瀬知事を支えた。

 東京五輪準備を口実に「猪瀬疑惑」から関心をそらし、政権への打撃を回避する。「顔」をすり替えて「疑惑幕引き・出直し五輪」選挙をねらう。菅官房長官の発言からは、そのような意図が見え見えだ。安倍政権と対決する都知事選挙としよう!



注目される南相馬市長選(1月19日投開票)
〜福島県知事選(任期切れ11月11日)大きな焦点へ


 2013年、福島では「現職首長の落選」が相次いだ。衆議院と参議院の国政選挙では、被災地の投票も政権再交代に大きく動いたが、その後の地方選挙では宮城と福島の結果は大きく異なった。福島では「復興の遅れ」への批判が「現職」に集中した。

 宮城では県知事選挙と仙台市長選挙の関心は「勝敗」ではなく「投票率」であり、両者とも過去最低レベルまで落ち込んだ。また石巻市長選、南三陸町長選挙など被災地の首長選挙でも、対立候補が現職をおびやかすことはなかった。

 2014年は南相馬市長選から始まる。福島県内で最大の津波犠牲者を出し、市外に避難している住民は今も1万4千人を越えているという。現職は3・11以降「脱原発」の主張で全国的にも著名であり、これに対して二名が現市政を批判して立候補した。昨年の「福島現象」とは対立の構図が異なる南相馬で、市民はどのような判断を下すか。

 福島県知事選挙は沖縄県知事選挙とともに今年末に予定されている。

 原発推進の福島県政、そして3.11直後と以降の福島県の対応。それらが県知事選挙という舞台で、震災後、初めて問われる。自民党には「独自候補」擁立の動きがあるという。県民の政治的な結集の動向と判断が注目される。

 

美里町長・町議会選挙から始まる宮城の選挙
〜復興政策と女川原発再稼働をめぐって



 宮城県内の地方選は1月19日投開票の美里町長選挙と町議会議員選挙から始まる。

 美里町では議会と町民運動が連動する形で「脱原発」の考えを地域に広めてきた。町の施設で消費する電力も「新電力」からの購入に切り替えるなど、新しい行政施策を導入し、「脱原発をかかげる町」として存在感を発揮してきた。その継承・発展が課題となる。今回、現職町長が引退、現時点で「農業活性化」「女川原発再稼働反対」などを掲げる無所属新人の立候補が伝えられている(無投票の可能性もある)。

 
 昨年に続いて、津波被災自治体での選挙も実施される。宮城県内の日程(投開票日)は次の通り(〇は津波被災自治体)。


 美里町長、町議会(1月19日)
〇利府町長(2月16日)
〇気仙沼市長・市議(4月13日)
 大崎市長・市議(4月20日)
〇山元町長(4月20日)
〇石巻市議(5月25日)
〇亘理町長(*5月27日任期満了)
〇岩沼市長(*6月22日任期満了)
柴田町長(*7月22日任期満了)
〇多賀城市長(*8月27日任期満了)
 七ケ宿町長・町議(*任期満了9月23日)

 丸森町長(*2015年1月13日任期満了)


 上記の美里町、石巻市は女川原発の「半径30km圏」自治体であり(注)、「再稼働反対」を住民の総意として県と東北電力に示すことが問われる。

 東北電力は昨年末、女川原発2号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。3.11以降、美里町、涌谷町、東松島市、登米市や岩沼市など県内市町議会の多くで女川原発再稼働反対などを求める意見書が採択されてきた。

 昨年末には大崎市議会で「女川原発の再稼働を許さず廃炉にすることを要請する意見書」が賛成18、反対15で採択された。


(注)宮城県内は7市町。石巻市、美里町のほか女川町、登米市、東松島市、涌谷町、南三陸町。



■以上/宮城全労協ニュース258号(2014年1月9日)