宮城全労協ニュース/第263号(電子版)/2014年5月14日
宮城全労協メーデー集会を開催

 
 5月1日、宮城全労協はメーデー集会を開催しました。

 主催者挨拶は、いわゆる「官製ベア」を批判したうえで、二つの点にふれました。

 第一に、連合中央メーデーに安倍首相が招待され、発言したことについて。主催者挨拶は、安倍政権下での「政労使会議」の実態を物語るものであり、労働運動の危機を再確認しなければならない歴史的なメーデーとなったと訴えました。

 第二に、韓国の海難事故を「日韓関係の悪化」に利用しようとする日本国内の一部の風潮についてです。

 両国では「新自由主義」が浸透していく過程にずれがあります。しかし、直面した問題(企業活動のグローバル化と国内格差・貧困の拡大、公共部門の「民営化」、労働者の要求の弾圧、小規模農業者の切り捨てなど)には多くの共通性があります。

 韓国では事故について、新自由主義による安全軽視・利益優先主義が原因との声があがり、労働組合や野党が政権への抗議に立ち上がっています。

 ひるがえって安倍政権下の日本では、交通、医療、食、情報通信、金融をはじめ事故、違法行為や不正が相次いでいます。政府の対応は個々の対策において不十分であるだけでなく、消費者行政をはじめ姿勢そのものがまったく消極的です。「企業が世界一活動しやすい日本」のために「岩盤規制」を「安倍ドリル」で破壊するといった類のキャンペーンにあふれており、社会的正義への関心が極度に薄れています。

 今年に入って連続して起きた重大な死亡事故について、原因究明を含めて、続報がほとんどなされないという由々しき状況があります(瀬戸内海での海上自衛隊自衛艦と釣り船の衝突事故、沖ノ鳥島での工事(国土交通省)の転落事故、福島第一原発での作業中の事故)。これらは政府が深く関与しているものであり、マスコミの報道姿勢も問われています。情報の全面的な公開と責任の追及が必要です。



メーデー決議を採択


 集会では春闘をはじめ組合からの報告がありました。宮城合同労組からは職場での組合活動の報告とともに、労働相談の状況説明がありました。

 労働相談の個々の事例から、いくつかの特徴が浮かび上がっています。「労働時間規制が法律以前の問題として、現場では通用しなくなっている(したがって、残業代ゼロが通れば、労働現場は一変するだろう)」「同僚の名前がわからないほど、労働者の横のつながりが失われている」。とくに震災以降の相談のなかで顕著なのは「相談者の半数が精神的な打撃を受け、うつ状態に陥っている」ことで、労働相談としての関わりの再考が求められているとの指摘がなされました。

 最後に、震災復旧・復興、原発再稼動反対など当面の提起が行われました。

 また福島第一原発事故の除染特別区域で働く労働者の危険手当不払い問題では、元請企業の責任追及が訴えられました。




<資料>2014宮城全労協メーデー決議


 2014年メーデーにあたり、以下の課題を確認し、決議とする。


1. 震災復興は混迷している。宮城県は事業達成の遅れを認め、2年の先送りを公表した。首相は「前進」と言うが、これが実態だ。「現場主義」も言葉の空回りだ。

 福島では、政府の一方的な「帰還」方針に住民が困惑し、裏切られたという声が上がっている。誰のための「帰還」なのか。「早期帰還」は東京オリンピックに間にあわせるための「福島処分」ではないか。

 政府・与党は原発維持・推進の基本政策を決定した。核燃サイクルの抜本的見直しなど懸案は棚上げされている。汚染水は垂れ流され、原発労働者の死は放置されたままだ。福島第一原発事故がなかったかのように、首相は海外へのセールスに躍起だ。とうてい認められない。

 年末には、沖縄県知事選挙とならんで福島県知事選挙が実施される。政府・与党の暴挙に反対しよう。



2. 政府の肝いりであった「ベースアップ」は大企業の一部にとどまった。その水準も増税と物価上昇を補うほどではない。政府がしかけた「ベア騒動」は、労働者の分断を拡大させている。とくに非正規雇用労働者は消費税増税による収奪と社会保障の切り下げに直面し、将来展望を持てない日々を送らざるを得ない。退職労働者は物価上昇と年金削減が強制される。

 「生涯派遣」や「残業代ゼロ」など労働規制緩和の大攻撃をしかける首相が、連合中央メーデーに登壇した。労働運動の危機は底深い。再建・再構築のために、地域からの再挑戦が問われている。

 「少子高齢化」や「地域社会の崩壊」が進むなかで、労働者と社会の関係も問い直される。企業内労働組合をこえた労働運動の再構築は、日本労働運動の長年の懸案であり、切実な課題となっている。



3. 憲法改悪を内閣の任務とする安倍首相は<国家秘密>法を強引に成立させ、集団的自衛権の行使容認に踏み出そうとしている。NHKへの介入や教育改革をはじめ、露骨な権力行使が進んでいる。

 この間、韓国、中国との関係は急速に冷え込んだ。米国が首相の靖国参拝に「失望」し、「懸念」を表明するほどだ。首相は「対話のドアは開かれている」といいながら、側近や閣僚の挑発的言動を野放しにし、危険な綱渡りを続けている。

 日本は敗戦により「戦争の放棄」を国是とした。首相が主張する「戦後の見直し」が何を意味するのか。「平和憲法」を改悪しようとする意図は何か。安倍政権に、いまや世界から疑惑が向けられている。

 安倍政権を退場させよう。それが危機を克服し、日本とアジアの関係を再構築するために必要だと訴え、大きなうねりを作り出していこう。

(2014年5月1日)



■以上/宮城全労協ニュース263号(2014年5月13日)