宮城全労協ニュース/第267号(電子版)/2014年7月24日

除染工事元請・団交拒否事件
福島県労委で審問始まる



「放射能除染」が環境省発注事業として行われています。そこで働く労働者の労働条件をめぐり様々な問題が指摘され、社会的な反響を呼び、環境省も企業も改善策を求められてきました。しかし、責任ある対応にはいたっていません。巨額の公費を投入する「放射能除染」という国家事業のなかで、労働者たちが無権利状態におかれ、健康を破壊され、たらい回しで使い捨てられるという事態を許してはなりません。

 
 7月31日、福島県労働委員会で元請ゼネコン(前田建設工業)団交拒否事件の第一回審問が開催されます。

 昨年来、全国一般全国協議会・ふくしま連帯労働組合と同・いわき自由労働組合は元請企業の責任を追及し、団体交渉を求めてきました(昨年末には仙台で東北支店への申し入れも行われました)。しかし、組合側は要求を拒否され、5月12日、福島県労働委員会に不当労働行為の救済申し立てを行いました。これに対して「下請け会社が当社の指示に基づいて、両組合と解決に向けて交渉中であり、申し立ては大変遺憾」との前田建設工業のコメントが報じられました(毎日新聞5月15日福島県内版)。


 組合は次のように訴え、集会への結集を呼びかけています。

◆一昨年来、社会問題にもなっている除染工事の特殊勤務手当(危険手当)の未払い問題は、現在も解決されることなく、私たち労働組合に数々の相談が寄せられています。

◆旧警戒区域楢葉町(福島第1原発20K圏内)除染工事に従事した労働者(2次あるいは3次下請の2社)からの相談を受けての各社との団体交渉で、下部会社は『上位会社から特殊勤務手当の話は聞いていないし、それを払えるだけの金額では受けていない』と主張し、上位会社(1次)は『特殊勤務手当を含む金額で請負ってもらった』と責任逃れのたらい回しを繰り返しています。

◆私たちは、全体状況を把握する元請にしか解決能力はないし、特殊勤務手当を労働者に行き渡らせることは環境省の発注条件であり、数次にわたる下請け各社はその委託を受けているに過ぎないのであって、元請が責任を持つべきである、と前田建設工業に団体交渉申し入れを数度にわたって行ってきました。

◆しかし、前田建設工業は『下請けを指導している』『下請けが組合と交渉していると聞いている』と責任逃れに終始し、団体交渉を拒否しています。私たちは5月12日福島県労働委員会に団交拒否の不当労働行為救済申し立てを行いました。

◆そもそも、建設業に長くはびこっている多重下請構造を、そのまま除染工事に持ち込み、得体のしれない名義貸し業者や人材ブローカーなどを参入させてきた元請ゼネコン体質にすべての根源があります。

◆下請け業者は全国に及び、当案件でも新潟、青森、北海道の業者が関係しています。これらを上へ下へと交渉を繰り返すには限界があります。元請が責任を持つべきです。

 是非とも労働委員会闘争へのご支援・ご協力をお願いします。
 

(記)

環境省発注・楢葉町放射能除染工事
元請ゼネコン前田建設工業団交拒否事件

第一回審問<総括・報告会>
7月31日15時〜福島市民会館4階会議室



□写真/2013年12月24日/仙台

(危険手当を元請が下請企業を代行して支払うこと、休業手当の支払いや不当解雇防止などについて元請が「責任ある立場からその防止に向けて徹底した指導を行うべき」ことなどを東北支店に申し入れた)

本稿は記述を訂正しました(2014年7月25日)。

■以上/宮城全労協ニュース267号(2014年7月24日)