宮城全労協ニュース/第282号(電子版)/2015年3月31日

原発事故・被災から4年
福島、宮城で集会



 大震災から4年目の春、今年も福島と宮城の「脱原発」集会に多くの人々が参加しました。

 3月14日には「原発のない福島を!県民大集会」(主催:集会実行委員会)が福島市内で(*写真上)、3月21日には「福島原発事故を忘れない 女川原発再稼働を許さない!ふるさとを放射能から守ろう!3・21みやぎアクション」(主催:女川原発の再稼動を許さない!2015みやぎアクション)が仙台市内で(*写真下)開催されました。

 安倍政権の原発政策は2015年、川内原発再稼動を突破口にして、いよいよ現実的な段階に入ります。経営的に重荷となった「老朽原発」のいくつかについては、<渡りに船>とばかりに廃炉を決断するいっぽうで、「リプレース」など新増設への動きも露骨になってきています。

 政府も東京電力も「福島に寄り添う」と繰り返してきました。しかし、原子力損害賠償の経緯や汚染水問題に対する無責任な姿勢をみるにつけ、「政略」が最優先であることは明白です。東京五輪招致での「汚染水コントロール」という虚偽発言こそ、その象徴です。県民意志を排除した、権力による上からの「福島復興」などありえません。

 また推進派の硬直した核燃サイクル政策によって、青森県民は3.11後も、巨大原発基地開発のもとに縛り付けられています。青函海峡を行き来して生活してきた下北と道南の人々は、原発・核燃によって切り裂かれています。


 震災4周年の春、福島と宮城で開催された集会。参加者からの感想と資料を掲載します(なお、集会の実況は主催者サイトで)。



「2015原発のない福島を!県民大集会」(3月14日/あづま総合体育館)

 県内外から6500人が参加した。

 主催者は「2号機の汚染された雨水の湾外への流出が報道されました。にも関わらず。官房長官は「ブロックされている」「コントロールされている」と繰り返します。東電、政府の、相変わらずの無責任極まりない態度を許すことはできません。この怒りを、皆さんとともに、集会にぶつけていきたいと思います」と集会参加を呼びかけた。

 主催者挨拶に続いて落合恵子さんが講演した。落合さんは「福島への差別」は明白であり、そのことが沖縄との関係と同様に「私(たち)」を問うのだと述べた。

 福島原発被災は新たな差別を、様々な形で生み出し続けている。その元を突きつめていけば、原発がもっている構造的な差別性にいきつく。沖縄差別を問われ、問い続けてきた私(たち)は、いま福島と向きあい、そばにいて歩く。

 トークリレーではハイロアクションの武藤類子さん、農協と漁協の生産者たち、宗教者、高校生など多くの発言があった。

<試験操業や検体調査などを繰り返し、安全性チェックを積み重ね、再開にこぎつけようと奮闘してきた。そこにまた「汚染水問題」だ。いつまで東電に振り回されるのか、不安のなかで生活している。>生産者は東電の対応を糾弾し、原発はいらないと訴えた。





 
「集会の訴え」と案内文を参考として掲載します。


◆私たちは訴えます!

◎福島県では原子力発電は将来にわたり行わず、福島県を再生可能エネルギーの研究・開発及び自立的な実施拠点とすること。

◎放射能によって奪われた福島県の安全・安心を回復し、県民の健康、とりわけ子どもたちの健やかな成長を長期にわたって保障すること。

◎原発事故に伴う被害への賠償、及び被災者の生活再建支援を、国と東京電力の責任において完全に実施すること。


◆「原発のない福島を!県民大集会」に参加しましょう

 2011年3月11日の東日本大震災とそれによって引き起こされた東京電力福島第1原発の過酷事故から4年が過ぎようとしています。原発の爆発そして放射能飛散により、福島県民はかつてない困難な状況におかれ、今もなお12万を超える人々が避難生活を強いられています。

 多くの市町村議会および福島県議会は、県内すべての原発の廃炉要求を決議し、県知事もまた国と東京電力に10基すべての廃炉を求めています。また、さまざまな市民団体、生産者・消費者団体等が、県内全原発の廃炉のため、また事故前の日常を取り戻すために、それぞれの要求に基づき運動を展開しています。しかしながら東京電力も政府も、こうした広範な県民の声があるにもかかわらず、第二原発の廃炉についてはなお言を左右にしてこれを認めようとしません。

 県土の除染は徐々に進んでいるものの放射性物質の完全除去ができない中で、低線量被ばくによる不安や風評被害は依然として存在しています。この間、県民や県内諸団体が取り組んできた懸命な努力が実を結んでいる事実もあります。子どもたちを無用な被ばくから守り健康を長期にわたって保障するための取り組み、安全な農作物を生産するための生産者と消費者の協同事業、豊かな観光資源を活用する安全対策とPRなど、全国に誇るべき取り組みが展開されています。

 原発災害がもたらしたさまざまな困難や課題が厳然と存在しているにもかかわらず、残念ながら人々の記憶の希薄化、関心の低下が進んでいる現実があります。このような現状を乗り越え、福島県・県民の現状や課題、願いや要望、復興に向けた日々の努力を全国に訴えると同時に、国や東京電力に対し、被害への賠償および被災者の生活再建支援について一層の取り組み強化を求めるため、さらに声を上げていく必要があります。

 私たちは、事故からまる4年になる2015年3月14日に、県民各層の結集のもと、4度目の県民大集会を開催します。この集会は、生産者団体、消費者団体、地方自治体そして市民が結集した「オールふくしま」の集会です。多くのみなさんの賛同ならびに参集を呼びかけるものです。

 県内各地からの多くの県民の皆さんの参加をお願いします。
 また、全国からの支援をお願いします。

 県内各地で同じ思いで取り組みを進めている人々に対して、私たちの県民大集会と連帯、連携することを呼びかけます。

「2015原発のない福島を!県民大集会 呼びかけ人一同」





「3.21みやぎアクション」(3月21日/勾当台公園市民広場)


 仙台市で開催された今年最初の「みやぎアクション」。この時期にはめずらしく湿度も低く快晴の日和だった。

 主催者代表挨拶からは、女川原発についても提訴が準備されているとの報告があった。

 福島から参加した佐藤和良さんは新たな「2015年告訴」など、これからが闘いだと強調していた。「責任はどこにあるのか」「原子力被災地の復興とは何か」を重ねて問うていく。政府は早期帰還というが、「帰りたくても帰れない」のが実態だ。そして「毎日7千人の労働者が作業現場にいる。私たちは「働いてもらっている」が、労働者たちは被ばく労働下にあり、この状況を放置しておくわけにいかない」。

 宮城県内から指定廃棄物処分場の候補地とされる県北部と、福島県と隣接している県南部から、それぞれの活動の報告があった。発言はみな、大震災から立ち上がっていった地域の人々の労苦と知恵を感じさせるものだった。県南部からの発言では、農産物の放射線量測定を丁寧に行ってきた結果、信頼関係が県内はもとより各地にひろがり、そのことが地元産品の「防衛」に寄与していったとの話があった。

 原発被害は県南地域にとどまらず、県北(峠をこえて岩手県)にも及ぶ。県北地域は農業が生活基盤の中心にある。放射能被害は「風評被害」を含めて、土地を破壊する。県内からの発言には、そのような怒りがこめられていた。

 集会後、参加者は仙台市内繁華街を行進した。





<資料>

◆集会宣言

 壊滅的被害をもたらした4年前の3月11日を経て、原発は危険であり、100%安全の保障もないことが誰の目にも明らかになりました。今なお福島の12万人余の避難者は散り散りになり、ふるさとに帰れません。夥しい汚染水が垂れ流され、事故原因を究明するための現場検証すらできない東電福島第一原発では、この瞬間も過酷な被ばくを伴う応急、収束作業が続いています。

 国や県、電力会社によって「安全」神話化されていた原発事故の衝撃と怖ろしさを私たちは身を以て体験しました。誰一人、責任を負わなかった原発事故を絶対に忘れることはありません。

「3・11」で私たちは、あたりまえに暮らせることがどれほど大切なことかを知りました。私たちは心から家族を愛し、ふるさとを愛しています。同様に、目の前の人たちのいのちをも私たちは尊重します。それ故に、大切な人やふるさとを奪われた計り知れない悲しみや苦しみに背をむけることはできません。

 今日ここに集った私たちは、全ての宮城県民に、全国の人々に、そして世界へ向けて呼びかけます。

 土や海に根ざし、支えあい、つつましく暮らしてきた祖先がのこした生き方とふるさとを奪っただけでなく、何の責任もない子どもたちの未来を一方的に奪い尽くす、過酷事故を前提とした原発再稼働を許しません。避難計画の実効性すら乏しく、過疎地など地方や下請け労働者だけにリスクを押しつける構造的差別が続くことを許しません。

 被ばくを強いることにつながる放射能影響の過小評価を容認することはできません。私たちは、ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ、そしてチェルノブイリで繰り返されてきた惨禍を誰にも経験してほしくありません。

 住民の声を聞かず、一方的に計画を強行しようとしている放射性指定廃棄物最終処分場の建設は新たな核の被害者を生み出すものです。無害化できない危険な核のゴミに怯えた生活ではなく、本当に豊かないのちの営みを希求します。

 雪解け水のせせらぎを聞き、牛が草を食み、鳥が青空に羽ばたき、黄金色の稲穂の絨毯があらわれるような、縷々としたいのちの営みを私たちは後世に手渡したい。ふるさとも子どもたちのいのちも私たちの所有物ではありません。私たちや、限られた者たちだけが使用する電気のために、これ以上誰かを傷つけ、ふるさとを蹂躙しないことを求めます。

 女川原発は被災原発です。これ以上誰も犠牲にしない明日のために、女川原発再稼働を止め、廃炉にすることを、国や宮城県、東北電力に求めます。私たちは1人ではありません。この広場に集ったおおぜいの仲間とともに、私たちは行動してゆくことをここに宣言します。

 世界市民のみなさん! 誰かの犠牲を前提にしたシステムではなく、かけがえのないふるさとでともに生きていける未来を築きましょう! 放射能からふるさとを守るためにともに歩んでいきましょう!

2015年3月21日
 
福島原発事故を忘れない 女川原発再稼働を許さない!
ふるさとを放射能から守ろう!3・21みやぎアクション
集会参加者一同



■以上/宮城全労協ニュース282号(2015年3月31日)