2015宮城全労協メーデーを開催
5月1日、宮城全労協はメーデー集会を開催しました。
春闘の状況、労働法制の法案審議の見通しなどが報告されました。安保法制をはじめ、5月以降の国会審議が緊迫した状況になる。この局面を闘いぬき、統一地方選(被災地は全国から遅れて実施されている)の勝利を勝ちとろうと主催者は呼びかけました。
全労協は、労働法制の改悪に反対する全国行動を地域ブロックに呼びかけています。東北全労協は5月中旬の実施に向けて準備中です。また6月には沖縄派遣団を送る企画も進んでいます。
宮城合同労組からは中小零細職場の厳しい春闘状況が報告され、あわせて争議と裁判支援の要請がなされました。新しい組合員が紹介され、拍手が送られました。
(決議と呼びかけは末尾に掲載)
●福島スタディ・ツアーの報告も
4月19日、宮城合同労組の組合員たちが主催して福島スタディ・ツアーが実施され、その報告がありました。
宮城県から南相馬方面に向かった。沿岸部には破壊された住宅がそのまま残っている光景があった。内陸の小高地区では、日曜日ということもあって数人の住民たちと出会ったが、町内は閑散としていた。
「希望の牧場」を訪れた。吉沢さんは「希望と名づけているが、絶望なのだ」といった。「この現実から何とかしようと思ってきた。これからもがんばる。しかし我々は<流浪の民>だ」と。
「飯館村に入った。行き場を失った犬たちがゲージの中で飼われていた。大声を出して私たちを歓迎してくれた。歩道ではボランティアだろうか、犬の散歩に若い人たちが連れ添っていた。時間も限られていたので移動しようとしたとき、犬たちはまた大声を出し、そして黙り込んでしまった。私たちがこの場を去ろうとしていることを分かっているのだ。そう思ったとき、事態の深刻さ、悲しさがこみあげてきた」。
その先の桜並木、「復興の桜」で散歩した。満開の桜だった。「原発被災との、あまりにも大きな落差」に心が揺らいだ。
(福島スタディ・ツアーの詳細は、ニュース次号に掲載の予定)
■資料(1)
<沖縄連帯決議>」(2015年5月1日/宮城全労協)
(1)翁長知事は「オール沖縄」の意思を突きつけた
「絶対に、辺野古に新基地は造らせない」。県民意思を代表し、知事は断言した。
名護市長選、県知事選、衆議院選など、選挙結果は沖縄の民意を重ねて示してきた。政府は「沖縄に寄り添う」と言いながら、移設作業を一方的に進めた。ようやく応じた会談で官房長官と首相は「辺野古移設が唯一の解決策」と繰り返した。
「粛々とは上から目線」「政治の堕落」だと、知事は官房長官を痛烈に批判した。首相には「固定観念にしばられず、まずは移設作業を中止する」よう決断をうながした。
しかし、首相の返答は日米両首脳による「辺野古移設」の再確認であり、地球規模の戦争協力の約束だった。首相が持ちだした「希望の日米同盟」なるものは、沖縄の犠牲を前提としている。
再び「屈辱の日」となった4月28日、沖縄で大規模な集会が開催され「普天間基地の閉鎖」「辺野古新基地建設ノー」の声が響きわたった。5月17日には那覇市で県民大会が開催される。
(2)差別と抑圧の歴史に立ち向かう沖縄
「沖縄はみずから基地を提供したことは一度もない」「(米国占領下で)銃剣とブルドーザーによって強制接収された」。奪った側が、辺野古移設がいやなら代替案を出せということは「理不尽」だ。こうして知事は首相に、歴史の再認識をせまった。知事の発言は沖縄の心を揺さぶった。
知事は二年前の那覇市長時代、建白書を政府に提出する団員として東京で演説した。
「米軍との過酷な自治権獲得闘争は、想像に絶するものがあった」「その間、日本は自分の力で平和を維持したかの如く、高度経済成長を謳歌してきた」「沖縄は日本に復帰(1972年)しても、その根本はほとんど変わらず、・・米軍専用施設を押し付けられ、基本的人権は踏みにじられてきた」。「安倍総理は、日本を取り戻すというが、その中に沖縄は入っているのか」「沖縄が日本に甘えているのか、日本が沖縄に甘えているのか」(2013年1月27日、日比谷野音)
首相は「戦後70年談話」をめぐり、侵略やおわびなどの言葉にとらわれると「こまごました議論になる」と述べた。この発言は沖縄にも向けられている。沖縄もまた、こまごました問題なのか。差別と抑圧の歴史こそが怒りの根拠であることを、政府は否定するのか。
(3)問われているのは「本土」の側だ
2月県議会、知事は所信表明演説で未来ビジョンを語った。沖縄が持っている独自の「ソフトパワー」を活かす。経済の発展、生活の充実、近隣諸外国との交流など平和の創造。それらを結合して「誇りある豊かさ」を実現していく。
米軍基地が最大の阻害要因として存在し続けている。だから「辺野古に新基地を造らせない」ということは、必然的に県政の柱となる。基地が沖縄を潤すという考えは「本土」の誤解なのだ。
沖縄の構想は「本土」への提言でもある。交易・交流と平和の拠点としての沖縄は、日本とアジアの架け橋だ。沖縄と連携するか、切り捨てるか。歴史的な岐路にあるのは「本土」の側なのだ。
(4)沖縄派遣団を送り出そう!
東日本大震災被災地と沖縄。そこには中央政治や経済からの差別という点で共通した歴史がある。その象徴が原発の破綻だった。被災地で「人間らしい復興」を求めることは、まさに沖縄につながっている。私たちはそのように沖縄と議論してきた。
復興は厳しい状況にある。被災地は分断され「復興格差」「復興災害」が広がっている。再稼働をねらう原発は、福島原発事故以降も地域を支配し、隷属させている。「オール沖縄」の闘いが発しているメッセージを被災地で受けとめ、沖縄と連帯して闘おう。
戦争立法、憲法改悪を許さず、暴走する安倍政権の退陣を求めよう!
■(資料2)
<2015宮城全労協メーデーの呼びかけ>宮城全労協/2015年4月7日
労働基準法が改悪され「8時間労働制」の根幹が否定されようとしている。
安保法制改悪と「戦後70周年」首相談話、さらに憲法改悪の準備が続いている。
悪政と対決する各地の闘いと連帯して、宮城全労協メーデーを成功させよう!
沖縄派遣団を送り出そう!
労働法制改悪反対のキャラバンを!
●<時間でなく成果で賃金を決める>
「残業代ゼロ」「過労死促進」法案が閣議決定された。
<だらだら残業では労働生産性はあがらない><「多様で柔軟な働き方」が女性や若者の活躍の場を広げる>。政府や経団連の勝手な主張がマスコミから流されている。
現実は違う。<自己責任>が押し付けられ、労働者への支配が格段と強まることになる。健康と生活の破壊はいっそう深刻になる。政府が「高度プロフェッショナル制度」と名付け、年収や職種などで適用範囲を制限しているのは、労働者犠牲が広がることを認識しているからだ。しかし、経団連会長は対象を「高収入の専門職」からできるだけ広げていってほしいと要求しており、制限が歯止めとなる保証はない。
<企業が最も活動しやすい環境を整える>ために、企業にとって都合の良い働かせ方を認める。それが「アベノミクス」の労働規制緩和だ。
派遣法改悪、労働基準法改悪、裁量労働制の見直しなど、労働法制の大改悪を阻止しよう。
●「実質賃金上昇」のからくり
大々的に宣伝された大企業の「官製春闘」だったが、増税と円安物価高には届いていない。中小企業と非正規雇用労働者の賃上げは厳しい。社会保障の切り捨てと保険料の増額、年金抑制が追い打ちをかける。
<賃上げは期待できない、格差は広がっている、景気が良くなるとも思わない>。各種の世論調査では一貫して「アベノミクス」不信が続いている。だから首相は「4月以降にも実質賃金が上昇」と言い出している。
「4月からは(8%消費税から一年以上が経過するので)、増税分が前年比の物価上昇率を押し上げる影響はなくなる。賃上げの恩恵を実感しやすくなろう」(読売新聞社説4月2日)。これが首相発言のからくりだ。
「子供の未来を応援する国民運動」を始めると首相は宣言した。経済大国日本で「6人に1人の子どもが貧困」だ。批判に対応を迫られた結果だ。生活保護への攻撃を強めながら、唐突に「貧困対策は社会の責任」と言い出す。政府・経済界の責任をあいまいにしようという意図が見える。<再チャレンジ><努力した人が報われる社会>という首相流の持論によって、「国民運動」がさらなる競争と差別の装置となってはならない。
●「戦争体制づくり」「憲法改悪」を阻止しよう!
安倍首相が靖国参拝を強行したのは、韓国や中国との外交関係を悪化させてもよいと考えたからだ。「侵略戦争への反省と責任」に対する挑戦的な姿勢は、歴代自民党政府のなかでも際立っている。
首相外交には大規模な企業団が随行し、原発セールスなど日本の権益拡大を進めてきた。「日本は戻ってきた」と首相は意気込んだ。
今年一月、首相の「積極的平和主義」は中東で節目を迎えた。この地域で日本は欧米とは異なる信頼感があり、日本外交の可能性を活かすべきだと指摘されてきた。しかし首相の中東演説は「人道的支援」という言葉を使いながら、日本は米国を先頭とする「有志連合」の一員だと表明する内容だった。拘束されていた日本人二人が直後に殺害され、首相はこれを「戦争体制づくり」に利用しようとした。
国連防災仙台会議の期間中、国連創設70周年の記念集会が東京で開催された。そこで安倍首相は、おぞましいほどの日本礼賛スピーチを行い、「国連改革」つまり日本の国連安保常任理事国入りを求めた。
「地政学的危機」が世界で広がっているいま、国際的な反戦・平和運動の再構築が求められている。日本が「平和憲法」を捨て去るか守り抜くか、重要な選択が迫られている。
安倍政権は閣議決定から法制化へ、憲法改悪へと突き進んでいる。連休明けからは「安保法制」国会が本格化する。「安保法制」「憲法改悪」を阻止しよう!
●沖縄派遣団を送り出そう!
批判の声が高まるなか、内閣官房長官はようやく県知事との会談に応じた。翁長知事は県民の怒りを背負い、政府案を拒否した。
「粛々とは上から目線」「政治の堕落」、米軍統治下の圧制の姿と重なる。知事の批判は痛烈だった。「戦後70年かけて蓄積された沖縄の政府に対する不信感が、次々とあふれ出てくるようだった」(毎日新聞/4月7日)。
辺野古を抱える名護市の市議選と市長選、県知事選で国政与党派は連敗していた。そのうえで、首相が仕掛けた昨年末の衆議院では、沖縄の全小選挙区で自公候補が敗北した。民意は示されている。これに従わない「民主主義」とは何か。
沖縄が「本土」に対して、沖縄差別ではないかと投げかけていることを、私たちは自分たちの問題だと考えようとしてきた。東京電力の福島第一原発に命を削られる福島・東北、軍事基地の集中する沖縄。両者には中央政治・経済からの差別という点で共通した歴史がある。宮城全労協、東北全労協は沖縄と、そのような議論と交流を交わしてきた。被災地で「人間らしい復興」を求めることは、まさに沖縄につながっている。
沖縄派遣団を組織し、送り出そう!
○被災者が主人公の復興と脱原発を!
○労働法制の大改悪に反撃を!
○沖縄差別を許さない!辺野古新基地建設を中止せよ!
○改憲・安倍政権を追いつめ、倒そう!
統一地方選挙、2016年参議院選挙に勝利しよう!
○労働組合の拡大、労働運動の前進を!
■以上/宮城全労協ニュース283号(2015年5月7日)